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Interop Tokyo 2009 レポート ― 第10回

盛り上がる「WiMAX」、寂しい「無線LAN」

2009年06月16日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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7月に専門技術展示の「ワイヤレスジャパン2009」が開催されることもあり、Interopでのワイヤレス系の展示は決して多くない。その中で、ここではUQコミュニケーションズのWiMAXサービスとフルノシステムズの企業無線LAN製品を紹介していく。

いよいよ正式スタート「UQ WiMAX」が離陸

 今回のInteropの展示会場で、一番目立っていたのが、UQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」であることは衆目の一致するところであろう。幕張メッセの最寄り駅である海浜幕張駅の構内やメッセに向かうまでの「参道」に至るまで、スカイブルーの「GET WiMAX」のポスターがはためていた。また、幕張メッセーのブース外でもお試しブースを展開しており、かなりの気合いの入りようであった。

 既報の通り、UQコミュニケーションズは、7月1日より正式にWiMAXサービスをスタートさせることにしている。3Gを凌駕するスピードを売りに、「UQ Flat」と呼ばれる完全定額制のプランの他、1日単位で使える「UQ 1Day」などのプランを用意する。今回のInteropでは正式発表を受け、対応デバイスやWiMAXモジュール内蔵PCなどをまとめて展示しており、多くのユーザーの注目を集めていた。

UQ WiMAXのブースでは、対応デバイスやWiMAXモジュール内蔵PCがまとめて展示され、大賑わいであった

 携帯電話のデータ通信規格は現行の3.5Gと呼ばれるHSPA(HSDPA/HSUPA)の次に、LTE(LongTerm Evolution)という3.9G規格が控えており、各キャリアも着々と準備を進めている。また、21Mbpsサービスを発表したイー・モバイルのように現行のHSPAを拡張するキャリアもある。こうした中、WiMAXがどのように独自性を発揮し、ビジネスを展開していくのか? ここ1年の同社の展開に注目が集まる。

富士通ブースでもWiMAXモジュール(FDK製)が展示された WiMAX対応のカメラやルータも
富士通ブースでもWiMAXモジュール(FDK製)が展示されたWiMAX対応のカメラやルータも

国産ベンダーの逆襲?
フルノシステムズがShowNetの無線LANをしきる

 複数のアクセスポイント(AP)を利用する企業の無線LAN構築は、困難をきわめる。複数のAPでの電波干渉を避けるために、セルを適切に設計したり、他のAPへのローミングを短時間で実現したり、通信経路やユーザーを詳細に制御しなければならないからだ。これに対して、今から5年くらい前に現れたのが、無線LAN APとそれらを制御するコントローラで構築されたエンタープライズ無線LAN製品である。メルーネットワークス、アルバワイヤレス、トラピーズネットワークス、エクストリコムなど、外資系エンタープライス無線LAN専業のベンダーも登場し、内線電話のVoIP化ソリューションとともに大きく盛り上がった。

 しかし、今回のInteropでは、こうしたエンタープライズ系も含め、無線LAN専業ベンダーはすっかり姿を消してしまった。こうした中、今回ShowNetの無線LANを担当したのが、国産・自社開発を売りにするフルノシステムズだ。

 同社は、企業や教育機関などの利用に最適化したエンタープライズ無線LAN製品を2006年から展開している。すでに学生1万8000人を対象とした神奈川大学の導入事例を持っており、実績もきちんと持っている。今回、ShowNetにつなぎ、公衆無線LANとして展開したのがAP「ACERA(アセラ)」と無線LAN管理システム「UNIFAS(ユニファス)」である。

 最新のACERA 703はIEEE802.11a/b/gに対応する企業向けAP。IEEE802.1X認証やVLAN、QoS、PoE対応の給電が可能になっている。ユニークなのは、AP同士の通信も無線で行なえる点。つまり、最初の1台目だけ有線LANでつなげば、あとは必要なところにAPをどんどん設置し、通信エリアを拡大することができる。また、簡易RADIUSサーバを搭載しているので、AP単体でIEEE802.1X認証が可能だという。

リピータ機能を持つ「ACERA 703」

 そしてこれらACERA APを統合管理するのが、無線ネットワーク管理システムのUNIFASだ。UNIFASはいわゆる無線LANコントローラと同じ役割を果たしており、PC用のクライアントとの組み合わせで、接続状態の監視や障害の検出、認証状態の管理などを実現する。従来、こうした無線LANコントローラは高価な製品が多く、導入の大きな障壁となっていたが、ソフトウェアベースのUNIFASは通常のPCにインストールすればよいため、比較的安価で済むという。

会場のAPも神戸から集中管理されているらしい。壁に書けるボードで説明するというのもユニークな趣向

 11n時代を迎え、一気に普及すると見込まれた企業での無線LANだが、セキュリティや管理面の課題が解決されたわけではなく、二の足を踏むユーザーも多い。また、HSPA系のワイヤレスWANの利用が浸透したことで、企業内にWiFiのAPを大々的に設置する意義が乏しくなっているという事情もある。企業向け無線LANも速度や使い勝手以外のメリットが必要な時期に差し掛かっているようだ。

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