Interopのアラクサラネットワークスのブースでは、省電力やLSN(Large Scale NAT)、フォールトトレラントなどさまざまなデモンストレーションを展開していた。
MOTTAINAI TIMEの電力低減をデモ
アラクサラネットワークスのブースでは、実際のオフィスを模し、こうしたコアとエッジの省電力技術の組み合わせで、使用電力を減らすデモが行なわれていた。利用している機器の電力消費量はグラフで逐一表示され、一目で効果がわかるようになっている。
まずは同社のコアスイッチ「AX6600S」で、省電力モードへの切り替えたり、待機系スイッチユニットの給電をオフにする。ダイナミック省電力技術では、再起動なしにこうした処理が行なえるので、電力消費を示すグラフの値が下がっていく。さらにエッジスイッチの「AX1240S」では使用していないポートの給電をオフにすることでさらに電力消費が下がる。結果としてトータルで780Wの電力消費が560Wにまで下げられた。実環境でも20~30%の削減が可能になったわけだ。
1つの1つの効果は決して大きくないが、積み上げは大きい。大規模な環境でこうしたダイナミック省電力技術を全面的に適用したら、その削減効果は非常に大きいだろう。実際、取材の最中も、隣にいたアラクサラ製品導入済みユーザーが担当者に「以前の機種はこうしたことは可能なのか?」といった質問を投げかけており、関心も高そうだった。
2台のスイッチでLSNをかけてみた
もう1つのデモは、今回のInteropの大きなテーマでもあったLSN(Large Scale NAT)のデモ。LSNはアドレス枯渇対策として、キャリアやISPレベルでNATをかけるというもので、ブースではこのNAT処理を「AX7800R」で行なっていた。アラクサラのAX7800Rでは、新開発のサービスモジュールの増設とOSのアップグレードでLSNに対応し、10GbpsでのNAT処理、1800万セッションを実現するという。もちろん、IETFのBehave Working Groupの仕様に準拠している。
LSNのデモは、2台のAX7800Rを冗長構成にして行なわれた。アクティブ-アクティブの冗長構成が可能なので、デモで意図的に接続を遮断しても、転送経路を高速に切り替え、ほとんど切れ目なくサービスが継続できていた。また、ユーザー端末のアクセスが行きとは別の機器で戻ってくる非対称型の通信であっても、正しくNAT処理が行なわれるというデモも行なわれていた。
その他、NETCONFを用いた同社自慢の「小ネタツール(通称)」と呼ばれるユーティリティや、ノンストップでの運用を実現するフォールト・トレラントなど、さまざまなデモが繰り広げられ、同社の意気込みが感じられた。
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