このページの本文へ

Interop Tokyo 2009 レポート 第7回

メッセの地下に初潜入!131Gbpsの回線はこれだった

ShowNetを支えるルータと外部回線をレポートせよ!

2009年06月12日 06時00分更新

文● あきみち

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Interop Tokyo 2009のネットワーク構成を「Geekなぺーじ」のあきみち氏が現地からレポート。ここでのテーマはShowNetの対外回線に焦点を当てる。幕張メッセの地下にも潜入してきたぞ。

2つのASのうち一方は4バイトASを含む

 今年の外部接続回線の合計帯域は131Gbpsである。この回線を利用して、幕張メッセ内に2つのASが構築されている。1つは従来通りの2バイトAS (AS290)、もう1つはここ数年話題の4バイトAS(AS131154)である。以下に、今回のネットワークトポロジを示す。

2つのASで構成されるShowNetのトポロジ

 IPv4アドレスの枯渇は大きな問題であるが、IPv4よりも先に16ビット長のAS番号が枯渇する。そのため、すでに4バイトASの配布は行なわれており、その4バイトASも同時に利用されている。AS131154は、AS290にトランジットを提供する形で運用されている。ShowNetの出展社などはAS290内で運用され、AS131154では4バイトASからの到達可能性を確認するシステムなどが運用されている。

 さらに今回は幕張と外をつないでいる回線のある地下通路への入室許可を頂き、撮影してきた。巨大な幕張メッセの地下にある131Gbps分もの回線は、このような感じの場所に収容されている。

幕張メッセの地下通路に集積された回線

幕張メッセの地下通路に集積された回線

地下通路にケーブルが渡されている

地下通路にケーブルが渡されている

外部とつなぐ3台のBGPルータ

 今年の外部接続回線は、3台のBGPルータで運用されている。シスコシステムズの「Cisco CRS-1」、アラクサラネットワークスの「AX7808R」、そしてブロケード コミュニケーションズ システムズの「Brocade NetIron XMR4000」である。

2つのASを仲立ちする役割を持つCisco CRS-1

 Cisco CRS-1は、SDR(Secure Domain Router)という機能によって、1台のルータが2台の仮想BGPルータとして稼働している。左半分がAS 290用のBGPルータで、右半分がAS 131154用のBGPルータで、CRS-1の左右はeBGPで接続されている。ASが1台のルータ内のシャーシで分割されているというのは、見ていて非常に興味深い。

 AS290側のBrocade NetIron XMR4000とAS131154側のAX7808RはeBGPで接続されている。また、Cisco CRS-1の左半分とBrocade NetIron XMR4000はAS 290内で、Cisco CRS-1の右半分とALAXALA Networks AX7808RがAS 131154内でiBGPでそれぞれ接続されている。

ISP関係者以外が機器を見るチャンス

 ISP関係者ではない人が、インターネットの中心部ともいえるこうしたコアルータを見ることができる機会は非常に少ない。インターネットといえばWebとメールであるが、それを支える巨大なルータやスイッチを見てみるのも楽しいのではないだろうかと思う今日この頃である。

筆者紹介:あきみち

 「Geekなぺーじ(http://www.geekpage.jp/)」を運営するブロガー。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。最近は通信技術、プログラミング、ネットコミュニティ、熱帯魚などに興味を持っている。Twitter IDはgeekpage(http://twitter.com/geekpage/)。


カテゴリートップへ

この連載の記事