風景モードで景色をキレイに鮮やかに撮る
最後の比較は風景モードだ。人物とは違い、木々の緑や空の青さなど、原色系の色の発色がよくなる。また、隅々まではっきり写すためシャープネスもコントラストも高めに設定される傾向がある。
キヤノン EOS Kiss X3
木々の緑に露出が影響したせいか普通のプログラムオートがかなり明るい。しかし、風景モードにすると鮮やかな適正露出な画像になる。空の青さや木々の緑の発色はかなりよい。シャッターと絞りの組み合わせも絞りが1段絞られた状態になり、被写界深度を高くしようとしているのがわかる。
ニコン D5000
緑の発色がかなり鮮やかになっているのがわかる。青空の青い部分の発色も濁りがとれている。絞りがF8からF10へとわずか1/3程度だが絞られている。またコントラストが高くなってメリハリが出ている。
ペンタックス K-m
標準プログラムの状態でも空や木々の発色はなかなかよい。風景モードにすると更に色が乗ってくる。彩度を上げた感じでちょっと強調しすぎな感じもするが、ぱっと見た感じではこれくらい鮮やかなほうが印象はいいだろう。絞りの制御も標準モードのF6.3から風景モードではF10まで絞り込まれる。
オリンパス E-620
風景モードのほうがコントラストが高く、シャドー部がかなり引き締まっている。空の青さや木々の緑はかなり色濃く、一見すると露出不足かと思えるほどだ。シャープネスも上がっていてエッジの強調が効いている。
パナソニック LUMIX DMC-GH1
標準では若干暗めになっているが、風景モードになると彩度が上がるため明るく見える。またシャープネスも上がり、細部の再現性が高くなっている。空の青さは標準のままでも十分ヌケがよく、風景モードにしてもあまり変わらないが木々の緑の発色は格段によくなる。
シーンモードを楽しめそうなのはKiss X3
一眼デジカメが普及してきている昨今では、シーンモードは入門クラスのデジイチには必須と言える機能だ。今回は代表的なシーンに絞って比較してみたが、標準的なシーン以外にも多くのシーンが用意されている機種が多い。桜や紅葉など、かなり限定されたシーン設定を持っているものもある。
「D5000」やコンパクトデジカメ譲りのシーンを用意している「GH1」、「K-m」あたりは、わかりやすい項目名がつけられている。設定内容がほぼ同様であっても、名称を複数用意することで多くのシーンに対応しやすく、初心者は目的のシーンを探しやすいだろう。
またK-mやGH1にはシーンを自動的に認識してくれるモードが用意されており、自分でシーンを選ぶ必要性もなくなっている。初心者がシーンモードを活用する上で、他機種に比べてアドバンテージがありそうだ。
絵作りの方向性として「EOS Kiss X3」やK-mでは、「ポートレイト」や「風景」で見違えるほど絵の雰囲気が変わる。特に、ポートレイトや風景で大きな効果が得られるKiss X3は、シーンモードを十分に楽しめる機種だろう。
次回は被写体や撮影シチュエーションなどによって仕上がり(色彩)を調整する「カラーモード」を比較する。
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