フレッツ網を使わないエントリーVPN
エントリーVPNを提供する通信事業者は多数あるが、その大半はアクセス回線にNTT東日本/西日本のフレッツ網(FTTH/ADSL)を利用することでコストパフォーマンスをあげている。しかし、フレッツ網はVPN専用網ではなく、各通信事業者のエントリVPNユーザーやインターネットアクセスのユーザーまでもが共同利用する「事実上の公衆網」といえる。2年ほど前には網内ルータのIPv6に関する不具合により長時間のサービス停止が発生するなど、イメージ面でも「フレッツ網は安かろう悪かろうでは?」という認識を持つユーザーも存在する。
また、エントリーVPNのアクセス回線(フレッツ網)の運用はNTT東西・バックボーンの運用は各通信事業者と構成が複雑になっているため、障害発生時の原因の切り分けや責任の分担調整などに手間がかかることはありえる。
このため、インターネットからの接続性のないアクセス回線を利用することで外部からの不正なトラフィックの影響を受けないこと・サービスの運用責任が1社で完結するWANサービスであることを重要視してフレッツ網を使わないエントリーVPNを選択するケースがある。このようなニーズに応じたサービスとしては、ソフトバンクテレコムの「ULTINA Managed Ether」などがある。先ほどの「エントリVPNを情報系ネットワークに使う」の提案②、すなわち「基幹業務系はIP-VPNの1Mbpsで、情報系はエントリーVPN」のエントリーVPNを、ULTINA Managed Etherの100Mbpsサービス(光アクセスライト タイプ1)で試算すると56万6160円となり、フレッツ網を利用するサービスとの差額は約2万円程度となる(表7~9)。
| サービスの種類 | 回線品目 | 拠点の単価 | 拠点数 | 合計金額 |
|---|---|---|---|---|
| IP-VPN | 1Mbps(10BASE-T) | 11万250円 | 4 | 44万1000円 |
| サービスの種類 | 回線品目 | 拠点の単価 | 拠点数 | 合計金額 |
|---|---|---|---|---|
| IP-VPN | 1Mbps(10BASE-T) | 11万250円 | 4 | 44万1000円 |
| エントリーVPN | 光アクセスライト タイプ1 | 3万1290円 | 4 | 12万8310円 |
| サービスの種類 | 回線品目 | 拠点の単価 | 拠点数 | 合計金額 |
|---|---|---|---|---|
| IP-VPN | 1Mbps(10BASE-T) | 11万250円 | 4 | 44万1000円 |
| エントリーVPN | Bフレッツ ベーシックタイプ | 2万5620円 | 4 | 10万2480円 |
このようにエントリーVPNを活用することで、品質にあまり妥協せず、かなりのコスト削減を図ることが可能だ。もちろん、専用線やギャランティ型VPNは料金に見合った品質やセキュリティを持つため、既存ユーザーがリプレイスするには勇気が要るだろう。しかし、コスト削減の手法としては、エントリーVPNの部分導入はきわめて現実的だと思われる。
この連載の記事
- 第41回 【41本目】モジュラー型データセンターのコスト勘定とは?
- 第35回 【35本目】アーカイブ活用でExchangeサーバーをなんと半分に
- 第33回 【33本目】仮想化活用でDRを今までの半額に抑える方法
- 第8回 【8本目】ルータ保守費用削減はコールドスタンバイで
- 第7回 【7本目】KVMスイッチで保守や移動コストを削減
- 第1回 【1本目】低価格サーバで導入コストを抑える













