インフォテリアが、iPhone、iPod touch用のコンテンツ作成、配信、閲覧サービス「Handbook」(ハンドブック)の提供を開始する。
Handbookは、コンテンツを作成/配信するサービス「Hadbook Studio」と、閲覧のためのiPhoneアプリ「Hadbookアプリ」から成る。Handbookにより、iPhone用のコンテンツ制作が簡単になり、専用アプリを開発することなくカタログや仕様書を作ることができるようになる。「Hadbook」の開発にあたっては、札幌医科大学との共同研究成果を活用した。
Hadbook Studioでコンテンツを作成する場合、ユーザーはiPhoneやHTMLの知識は必要なく、“ブログを書く要領で”、Webブラウザ上で作業ができる。制作するコンテンツは、「ハンドブック」「チャプター」「セクション」と呼ばれる階層構造を取っており、この構造に従って表示/編集が可能だ。
また、単にテキスト/画像を編集するだけではなく、コンテンツ内にクイズを埋め込んだり、特定ユーザーのみに閲覧権限を与える機能も有する。
次にHandbookアプリだが、こちらはApp Storeから無料で配布される。オンライン時は当然だが、オフライン時でもコンテンツをダウンロードしておくことで参照が可能だ。現在は日本語版のみだが、2009年度内に英語版、中国語版を提供する。
コンテンツの閲覧には、「キーコード」と呼ばれる文字列をHandbookアプリに入力する必要がある。キーコードはHnadbook Studio上のコンテンツ制作者が任意に指定できる。たとえば「Handbook Manual」といった言葉でもよい。キーコードは一個のコンテンツから、複数のコンテンツ群に対しても適用できるため、たとえば学校利用であれば、「○○小学校1年生」といった形で束ねてもいいし、「水曜日の宿題」といった形で単独運用してもいい。
コンテンツ作成/配信のサービスとはいえ、Handbookは、たとえばWeb上のメディアが記事を配信するプラットフォームとしては、現在のところ想定されていない。CMS(Contents Management System)からHandbook形式へ出力して大量のコンテンツをiPhone用に生成するといった使い方ではなく、あくまでも上記したような、手作りでマニュアルや案内などを作っている層に適合したソリューションだ。
料金については、Handbook Studio用サーバー内のスペースを借りる形で契約となる。500MBごとに2万1000円で、年間では21万円。なお、Hnadbookは、iPhone 3.0で提供されるコンテンツ課金への対応も予定しているという。インフォテリアでは、2011年に売上高2億円を目指すとしている。