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ビジネスに役立つiPhoneコンテンツ制作サービス

手軽にiPhoneコンテンツを制作できる「Handbook」

2009年06月03日 06時00分更新

文● 吉川大郎/企画報道編集部

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Handbookのしくみ

Handbookのしくみ。ユーザーは無償のHandbookアプリをインストールするだけでいい

 インフォテリアが、iPhone、iPod touch用のコンテンツ作成、配信、閲覧サービス「Handbook」(ハンドブック)の提供を開始する。

 Handbookは、コンテンツを作成/配信するサービス「Hadbook Studio」と、閲覧のためのiPhoneアプリ「Hadbookアプリ」から成る。Handbookにより、iPhone用のコンテンツ制作が簡単になり、専用アプリを開発することなくカタログや仕様書を作ることができるようになる。「Hadbook」の開発にあたっては、札幌医科大学との共同研究成果を活用した。

Handbookアプリ

Handbookアプリ。配信されたコンテンツ一覧が並ぶ

Handbook Studio

Handbook Studio。ブログと同じような操作感に加え、いったんアップロードしたイメージ画像は、右側のペインに一覧されており、ドラッグ&ドロップでページに追加できる

 Hadbook Studioでコンテンツを作成する場合、ユーザーはiPhoneやHTMLの知識は必要なく、“ブログを書く要領で”、Webブラウザ上で作業ができる。制作するコンテンツは、「ハンドブック」「チャプター」「セクション」と呼ばれる階層構造を取っており、この構造に従って表示/編集が可能だ。

 また、単にテキスト/画像を編集するだけではなく、コンテンツ内にクイズを埋め込んだり、特定ユーザーのみに閲覧権限を与える機能も有する。

クイズ

クイズ画面。単なるお遊びではなく、たとえば学習塾で宿題を出しておく、といった使い方が想定される

 次にHandbookアプリだが、こちらはApp Storeから無料で配布される。オンライン時は当然だが、オフライン時でもコンテンツをダウンロードしておくことで参照が可能だ。現在は日本語版のみだが、2009年度内に英語版、中国語版を提供する。

ダウンロード

コンテンツダウンロードは、明示的に行なえる

Handbook利用形態

Handbookの利用形態。たとえば水族館で、泳いでいる魚の説明を読んだり、魚が泳いでいるムービーを閲覧したりと、ガイドやマニュアルの作成/配布に向いている

 コンテンツの閲覧には、「キーコード」と呼ばれる文字列をHandbookアプリに入力する必要がある。キーコードはHnadbook Studio上のコンテンツ制作者が任意に指定できる。たとえば「Handbook Manual」といった言葉でもよい。キーコードは一個のコンテンツから、複数のコンテンツ群に対しても適用できるため、たとえば学校利用であれば、「○○小学校1年生」といった形で束ねてもいいし、「水曜日の宿題」といった形で単独運用してもいい。

発表会では、ワインバーでの活用事例が映像で紹介された。ワインに詳しくない顧客がHandbookのガイドにより、口にするワインをセレクトしている

 コンテンツ作成/配信のサービスとはいえ、Handbookは、たとえばWeb上のメディアが記事を配信するプラットフォームとしては、現在のところ想定されていない。CMS(Contents Management System)からHandbook形式へ出力して大量のコンテンツをiPhone用に生成するといった使い方ではなく、あくまでも上記したような、手作りでマニュアルや案内などを作っている層に適合したソリューションだ。

 料金については、Handbook Studio用サーバー内のスペースを借りる形で契約となる。500MBごとに2万1000円で、年間では21万円。なお、Hnadbookは、iPhone 3.0で提供されるコンテンツ課金への対応も予定しているという。インフォテリアでは、2011年に売上高2億円を目指すとしている。

月額2万1000円

Handbook Studioの利点と料金体系。従来iPhone/iPod touch用のコンテンツを作るとなれば、専用アプリを制作するか、iPhone/iPod touch用Webページを生成するしかなく、それに伴いサーバ管理やアプリケーション制作/発注といったコストがかかったが、Handbook Studioであれば月額2万1000円で済む

平野氏

インフォテリア 代表取締役社長/CEO平野洋一郎氏。コンテンツの大量デリバリー用途について質問された際には、今回のターゲットは違うものの「データを繋ぐのは得意。ASTERIA(XMLによるシステム連携のためのソフトウェアで同社の主力製品)もある。デリバリーはご期待ください」と語った


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