2009年後半のモバイルCPUラインナップ
現状を踏まえたうえで、2009年後半のモバイルCPUラインナップを見てみよう。まず最初にラインナップが刷新されるのは、Core 2 Quadのポジションだ。ここに45nmプロセスでNehalemアーキテクチャーの「Clarksfield」が「Core i5」ブランドで投入されると思われる。
一方で謎なのがExtreme向けだ。さすがにモバイル向けにCore i7を投入するつもりはないようで(3チャンネルのDDR3メモリーやQPIの実装は、モバイル向けには困難だろう)、あるとすれば「Core i5 Extreme」といった形になるか、Core i5の高周波数動作選別品をCore i7ブランドで出すかのどちらかだが、今のところ明確には決まっていないようだ。
ちなみにこのClarksfieldは、当然だが従来のプラットフォームと互換性がないので、新プラットフォームも同時に投入する。それが「Calpella」と呼ばれるものだが、ご覧のとおり、既存のMontevinaの構造とはまったく違う。しかも、GPUがCPU側に存在することを前提に、チップセット側の「PCH」(Platform Controller Hub)には、画面表示用のDACやトランシーバー“しか”搭載されないので、別途独立GPUが必要となる。
| MontevinaプラットフォームとCalpellaの違い。IDF Beijing 2009での、チャンドラシーカー氏による基調講演より引用。CPUはGPU統合型のArrandaleを前提にした図になっている |
そういうわけで、Clarksfieldを投入すると言っても、当初はハイエンドのパソコンのみで、メインストリーム向けにはまるで適さない事になる。メインストリームの置き換えが始まるのは、2010年に「Core i3」として投入される、32nmプロセスデュアルコア+GPU内蔵の「Arrandale」からになる。Core i3登場で一斉に製品が置き換わるわけもなく、おそらく半年~1年程度はCore 2 DuoとCore i3が混在する形になるだろう。
Core i5/i3の動向は、Celeronの行方にも影響を及ぼす。低価格向けのCeleronだから、当然高コストなClarksfieldは使えない。そこでArrandaleを使って構成することになるだろうが、当初は32nmプロセスの生産能力が、Arrendaleや32nm版Xeon「Westmere」で手一杯であろう。おそらくゆとりがでるのは、新しく32nmを製造する「Fab32」や「Fab 11X」(関連記事)の操業が始まる2010年末以降、現実問題としては2011年以降になると考えられる。
微妙なのは超低電圧版である。インテルはすでに、Arrandaleに18W/25W/35Wという3種類のTDPのバリエーションがあることを明らかにしている。だが、これに加えて「10Wがある」という話が出ている。真相は不明だが、事実だとすれば一応、超低電圧版の後継製品になりえる事になる。もっとも上述のとおり、この10W台はAtomと市場が被っているだけに、最終的にどうなるかは非常に微妙と言える。とりあえずインテルとしては、どちらでも可能な用意だけはしておき、あとはOEMベンダーや競合の動向を見ながら……というところだろうか?
今回のまとめ
・Merom=65nm版Core 2、Penryn=45nm版Core 2、Merom-1M=65nm版Celeron
・Celeronの45nm版は例外的存在。メインは当面65nm版のまま
・AtomはMID向けのSilverthorne(Atom Z)とネットブック向けのDiamondville(Atom N)の2本立て。2009年後半にはGPU統合型の「Lincroft」が登場予定
・Core 2 Quadの後継にはNehalemベースの「Clarksfield」(Core i5)を投入
・メインストリームの移行は2010年のGPU内蔵デュアルコア「Arrandale」(Core i3)から
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