Google Analyticsが言いたいのは「Webは人間が操作するもの」
Google Analyticsのメニューには、Webサイトは、目的-手段と原因-結果の2軸で分析するべし、というグーグルのメッセージが込められています。
メニューの最初にあるのは「ユーザー」です。Webを利用しているのは人間であり、何らかの状況でパソコンを操作し、Webブラウザーを起動しているはずです。その何らかの状況と、ユーザー全体の動向を知るための指標がユーザーメニューで調べられます。
メニューの2番目にあるのは「トラフィック」です。ユーザーがWebブラウザーを操作し、何かのきっかけによってWebサイトを訪れます。その何かがWebブラウザーのブックマーク(お気に入り)なのか、どこかのWebサイトのリンクをたどってきたのか、検索エンジンで何かのキーワードを調べてきたのか。そうしたWebサイト訪問のきっかけを知るための指標がトラフィックメニューで調べられます。
メニューの3番目にあるのは「コンテンツ」です。ユーザーがWebサイトに訪れ、最初に見るのはどのページなのか。一番多く読まれるページはどれなのか、離脱するユーザーが多いのはどのページなのか。そうしたWebサイト内のユーザーの動作を知るための指標がコンテンツメニューで調べられます。
コンテンツメニューには、「サイト内検索」と「イベントのトラッキング」というサブメニューがあります。GoogleやYahoo!など、サイト外のどの検索エンジンから流入してきたのかを調べるメニューがトラフィックにあるのに、サイト内検索がコンテンツにあるのは一見分かりにくいです。しかし、コンテンツメニューにはWebサイト内のユーザーの動作を知るためのレポートが集まっていますので、サイト内検索についてのレポートもコンテンツメニューにあるわけです。
イベントのトラッキングは、「_trackEvent(<カテゴリー>, <アクション>, <ラベル> <値>)」というJavaScriptのメソッドを使って、たとえば「動画再生の開始」「動画再生の停止」といったHTMLで何かのリンクをクリックした以外の動作をイベントとして記録し、ユーザーの行動を分析するために使います。イベントのトラッキングもWebサイト内のユーザーの動作を知るためのレポートですので、コンテンツメニューにあるわけです。
メニューの4番目にあるのは「コンバージョン(conversion:転換)」です。Webサイト運営者の目的とするページに、どのような経路でコンテンツを読み進んでユーザーが到達したのか、しなかったのか。そうしたWebサイトの目的達成についての指標がコンバージョンメニューで調べられます。
Google Analyticsのプロファイル設定で「eコマースサイトです」を選んでいると、5番目のメニューとして「eコマース」が表示されます。コンバージョンによってWebサイトの目的に到達したユーザーが、いくらの売り上げをもたらしたのかを分析するための指標がeコマースメニューで調べられます。
つまり、Google Analyticsのメニューは、因果関係順に並んでいるのです。ユーザーによるWebブラウザーの操作が、Webサイトへのトラフィックを生み出すという結果の原因になり、トラフィックが原因となってWebサイト内でコンテンツを読み進めるという結果を生み、コンテンツが原因となってコンバージョンという結果を生み、売り上げをもたらすという順で並んでいるのです。