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ニコニコ動画がゴールデンタイムの生番組で狙うもの

2009年06月06日 12時00分更新

文● 編集部

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「テレビはライバルではなく先生」という発想で勝負をかける

―― ニコニコ生放送そのものに話題を移します。地デジやワンセグ、ラジオにポッドキャストとメディアの形は様々ありますが、やはり「生放送のライバルはテレビ」と思われるんでしょうか。

横澤 いや、全然思ってません。ライバルというよりかは見習うべき「先生」ですよね。テレビにはテレビ、ラジオにはラジオの良さがあるんです。他サイトもストリーミング動画による生放送を行なってはいるんですが、成功しているとは思えません。

 それは「テレビをライバル視してしまっているから」だと思うんですよね。ネットにはネットの良さがあって、それを集約することで初めてうまくいくのではないかと。たとえば、あえて「チープさをプラスにする」ような工夫を考えることが必要なんじゃないかと思います。

横澤氏は「テレビ」をニコニコ動画のライバルではなく「先生」と呼ぶ。テレビにはテレビの良さが、同じようにネットにはネットの良さがあるため、それを生かすべきと語る


―― 今のところは、情報が双方向でやりとりできるという点ではラジオの生放送に近いような感じを受けます。

横澤 そうですね。実際に最近、ぼくはテレビを観るよりラジオを聴いていることが多いです。ラジオの場合は耳から入ってきて「想像する」メディアなので、30分間の「音」を埋めなければならない、その「テンポ感のノウハウ」はすごいなと思うんですよ。

 ニコニコ動画も独特のテンポ感を持っています。コメントがあるので、あまり早すぎると着いていけなくなり、遅すぎてもダレてしまう。舞台にも似ていますね。時間帯によってお客さんとコメントの性格が異なってくるんですよ。


―― テレビと同じようにタレントや有名なアーティストを呼んで放送をするとなると、気になるのはやはり収益面です。今回の番組を通じて、どうやって利益を得ていこうと考えていますか。ライブ中継をした後のアーカイブ販売なども考えているんでしょうか。

横澤 月額525円の有料会員(プレミアム会員)を増やそうと考えています。付加サービスとして優先権を付与しているんですね。「とりあえず生中(仮)」では最大1万人まで同時に接続して見ることができるのですが、プレミアム会員は一般会員に優先して視聴できます。

 今回の生放送で配信する動画に関しては、アーカイブでの課金をする予定はありません。生だからこそ意味があると思っているからなんですね。ただ、HDDレコーダーの「予約録画」というような考えは将来的にあるかと思っています。番組をユーザーのマイページに設けたオンラインストレージに「録画する」という考えですね。

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