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Webマーケットの特徴

2006年09月01日 09時00分更新

文●田嶋 節和/株式会社サーフボード 代表取締役 Webマスタースクール 校長

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 前号で「売れる商品(サービス)がある」ということに関して、説明しました。このことは商売(ビジネス)の最大のキモです。

 私の住む福井に福井洋傘という小さな会社があります。最近傘のマーケットは100円ショップなど安売りで非常に厳しい環境にあります。

 しかし、この福井洋傘さんにいたっては、全国から注文が殺到しています。その商品とは、『ヌレンザ』という傘です。使用後の傘についた水滴で服が濡れて困るといった苦情からヒントを得て開発された傘です。撥水性の高い生地を使っているので、すぐに傘が乾いた状態になります。

消費者からのニーズを吸い上げ、研究開発を行うことでビッグチャンスを得ることが出来た好例です。

 さて、今回はWebマーケット特にBtoC(=企業と消費者間の取引)を行う場合の特徴を整理してみたいと思います。Webマーケットで、BtoCを行う場合の特徴を見てみましょう。

①お客様(消費者)は、目的(欲しい)商品やサービスを明確に持っています。
そのため、お客様の大半は、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンを使い、お目当ての商品やサービスに関する情報を探します。

お客様は、「やせたい」「健康になりたい」「安い価格のパソコンが欲しい」など、具体的な“問題解決”を求めて情報を探しています。

お客様が 「自分に有益なサイトだ」と判断するには、ショップの顔となるTOPページに、その解決したい“問題の答え”を用意しておく必要があります。また、TOPページを見て、瞬時に「おいしそう」「便利そう」「楽しそう」と、お客様の心を引きつける表現も欠かせません。

③お客様は、購入時、他サイトと比較検討します。
信頼、安心できるサイトか、他サイトの商品やサービスと比べて、価格、性能、効能はどうかを見極めます。

④そして、ネットショップで売れる商品とは? 
■ 他では手に入りにくい珍しいもの

■ 大きい、重いなど、自分で持ち帰るのが困難なもの

■ 他の店より価格が安いもの

■ 定期的に購入が必要な消耗品

の4つです。どこでも手に入りやすいものは、価格の勝負になり多少売上が上がったとしても、その会社はいずれ自転車操業と化します。皆さんのところで、上記に該当する商品を扱っているようでしたらラッキーですね。
 

 これも成功事例ですが、ホームシアター向けにプロジェクター用のスクリーンを製造販売しているシアターハウスさんという会社があります。もともとは、繊維関係の生地を生産していた工場でした。それが、液晶プロジェクター用のマーケット拡大の可能性に注目し、商品開発を重ねWebマーケットで販売したところ、大成功を収めています。

 プロジェクター用スクリーンというのは、家電店で置いてあるところは少ないですし、手に持って持ち運ぶには大きすぎます。さらに、大手メーカー(エプソン、三洋電機など)に対抗するため、スクリーンの大きさ調整やオプションの取り付け器具の品揃えなどきめ細かい対応をしています。

 読者の皆さんも、自社の商材が果たしてWebマーケットに適しているのかどうかを考えてみてください。

<筆者近況>
最近気がついたのですが、ブラウザの「ブックマーク」の機能を使わなくなっています。ブックマークしたサイトが整理されずに、ただ乱雑に一覧表示され何時からか使いづらくなっています。その分Yahoo!やGoogleのツールバーをインストールして、直接目的のキーワードを入力することでサイトを探すことにしています。検索エンジンの精度が格段に向上しているのですね。また、継続的にアクセスするサイトは、RSSを利用することも多くなっています。

著者プロフィール

名前 田嶋 節和 tajima[アットマーク]surfboard.co.jp
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社サーフボード
サイト http://www.surfboard.jp/

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