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購入者の真のニーズはなにか?

2006年08月25日 09時00分更新

文●紙田 昇/ピーアールジャパン株式会社

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 今回は「購入者のニーズ」がテーマです。

 例えば、あなたのネットショップが「カニ」を売っているとします。
では、ターゲットであるお客さんのニーズなんでしょうか? 「おいしいカニが欲しい」で、いいのでしょうか?

「おいしいカニが欲しい」であれば、ページのつくりも、「おいしさ」を訴求するのがテーマになりますが、正直、それはあまりに誰でも考えることです。誰でも考えることを、誰でもがするようにしても、競合には勝てません。商売は、横並び意識ではできない世界です。

 そこで、どうするか。
 表面的に考えずに、ちょっと深堀してみましょう。

ニーズの向こうの「顧客心理」を読み解く!

「カニ」を買うことで、「顧客は本当は何をしたい」と思い、「何を期待している」のでしょうか?

 主婦であれば家族によろこんでほしいとか、贈答用であれば、送った相手に「立派なものをありがとう」と言ってもらいたいとか。

 つまり、

 家族の団欒や良好な親戚づきあい・交友関係の維持

 これが真のニーズだったりするのです。
 もちろん、なかにはグルメなお客さんで「うまいカニを一人で食い食べたい」というニーズの場合もあるかもしれませんが(笑)。

 こういう風に物をとらえると、宣伝のコピーも変わってきます。

「新鮮でおいしーいカニ、いっぱいあります」

というよりも、

「お父さんや子供が、きっと大喜びする 立派で新鮮なカニあります」
「贈答用 相手が感激するほどの立派で新鮮なカニ、どうでしょう」

としたほうが、ニーズに訴えかけられますね。

「いざ勝負というときの○○屋の新鮮大ぶりのカニ」

というのも、変化球かもしれませんが効果的でしょう。

 さらに、サイトの作り(文章、写真など)も、その方向性に統一していったほうが顧客のニーズにそうと考えられます。例えば、単にカニの写真よりは、家族でカニを食べて談笑している夕食の風景や贈答用のパッケージに入ったカニの姿の写真とかの方が効果的かもしれないということです。

 顧客は主婦以外にも、いろいろなケースが考えられます。例えば、懸賞用の商品として利用するネットキャンペーン会社の担当者とか。まあ、最後のは、当社のことですが…(^_^;)。
 それでは、顧客の違いに着目して、ニーズと購買決定要因と希望サービスを整理してみましょう。けっこう違うことに気づくはずです。

●自宅用に購入する主婦
ニーズ/家族を喜ばせて、楽しい夕食にする
購買決定要因/近くの魚屋にはない立派で新鮮なカニがリーズナブルな価格で売っている
希望サービス/扱い方や調理法についての説明

●贈答用に購入する主婦
ニーズ/贈った相手に喜ばれて、よい関係を維持できる
購買決定要因/直接相手に新鮮なまま送れる上、贈答の包装もしてもらえる
希望サービス/贈答用の包装やメッセージを入れられること

●懸賞用の商品として利用するネットキャンペーン会社の担当者
ニーズ/懸賞商品として多くの人をひきつけること
購買決定要因/価格がそこそこ安く、直接当選者に送れること
希望サービス/写真の利用の許諾やキャンペーン名を入れた包装

 このように「ニーズ」を深堀していくだけで、どんなサイトを作ればいいかのイメージが出来てきます。最後の会社の担当者というのは、おまけとして考えてもらって結構だとは思いますが。

 ニーズは、表面的に考えていてはつかまえられません。
「本当にそれがニーズなのかなあ」とか「自分が顧客なら、本当にそうなのかなあ」とかまずは考えて見ましょう。そして。前回やったメールアンケートで確かめてみましょう。前回紹介したフレーズ「彼はクギが欲しいのではなく、たたなにかをとめたいだけなのだ」を思い出してください。

 顧客像を見誤ってしまったら、成功の確率がどーん下がりますので、相手のニーズ分析を最初にやりましょう。

 そして、真のニーズを見つければ、それだけで、競合との差ができます。
 真のニーズを見つけて、ストレートな球をビシっと投げましょう!

著者プロフィール

名前 紙田 昇
会社 ピーアールジャパン株式会社
サイト http://www.prjapan.co.jp/

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