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「品質チェックのしくみ」持っていますか?

2006年08月30日 09時00分更新

文●横山 慎一郎/株式会社アイティーブースト ソリューション事業部

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お客様対応の「質」とは?

 前回のコラムに書いた顧客対応スピード。これはお客様対応の質を考えるうえで、重要な点のひとつです。メールの返信が速くなければお客様は逃げていってしまいます。しかし、速ければいいというものでもありません。当たり前のことかもしれませんが、お客様にご満足いただくためには、返信の速さだけではなく、その内容が重要なのです。

 今まで色々なネットショップを利用してきましたが、この点の管理ができていないお店がとっても多いように思います。たとえば、私の懇意にしていたお店では、メールの書き方も丁寧で非常に印象がいいのですが、先日届いたメールの文面に少なからず腹が立ちました。なぜかというと、はっきり言って、敬語がなっていないのです!

 きっと新人の方がお入りになられたのでしょう。好きなお店だったので、そのように前向きに解釈しました。しかし、これが初めて利用したお店だったら、もう一度このお店を訪れることはまず無いと思います。私はそんなことはしませんが、2ちゃんねるあたりに悪評を書き込むような人だって少なくないでしょう。

 あなたのお店では、スタッフのお客様対応の質をしっかり管理できていますか?

対応品質の管理なんてできない?

 “自分がお客様に対応していた頃は問題なかった。今はすべてスタッフに任せているが、正直言って、スタッフがどんなメールを書いて送っているのか把握していない。”もしくは、“お客様に送信したメールのccで自分にもメールが来るが、件数が多すぎて全然チェックできていない。気が向いたときにチェックして、問題に気付いたときだけメールの書き方を指導している。”

上述のお店は、そんなスタッフ管理が行き届いていない店長のお店だったのかもしれません。

 どんな商売でも品質管理をしていなければ、質の悪い商品やサービスがお客様に提供されてしまう。これはある意味当然のことです。機械がつくる工業製品ですら不良品が出るのですから、人が対応したものに不良品が出ないわけがありません。しかし、それをお店として容認してもよいのでしょうか?いいはずがありませんよね。

お客様対応にも品質管理が必要なのです。

低品質メールの傾向と対策

 お客様対応の品質管理といっても、忙しい皆さんのこと、スタッフ全員のメールを全てチェックしてからお客様に送るなんて、できるはずもありません。それに、そんなことをしていたら、お客様への対応が遅くなってクレームになりかねません。

 では、そもそも、なぜクレームになってしまうような質の低いメールがお客様に送信されてしまうのでしょうか?
原因は大体以下の3つに分類されます。

  1. 送信時のチェック漏れ
  2. スタッフの業務上の知識不足によるもの
  3. スタッフの日本語の使い方によるもの

これらの原因を取り除くには、どうすればいいのかをひとつひとつ見ていきましょう。

送信時のチェック漏れ

 送信時にチェックが漏れてしまうのは、送信ボタンを押すと、確認画面が表示されずにいきなりメールが送信されてしまうことがおもな原因と考えられます。日頃使い慣れたメールソフトで、文章を書き終わると、反射的に送信ボタンを押してしまうことがあります。チャットやメッセンジャーをよく利用する人にこの傾向が強いかもしれません。私自身がそうでした。(汗)
この問題は、送信プレビュー画面が表示されるメールソフトを利用することで、回避できる確率が飛躍的に高まります。

スタッフの業務上の知識不足によるもの

 わからないことでも曖昧なまま答えてしまう人というのは、意外と少なくないものです。また、商材によっては、詳細な商品知識がないとお客様からの質問に回答できないものがあると思います。このような場合、知識と経験が豊富なスタッフが書いた過去のメールを雛形化しておいて、全スタッフで共有することで問題を解決できます。ただし、メールの雛形を更新する際には、全員の雛形を更新しなければならない点に注意する必要があります。

スタッフの日本語の使い方によるもの

 この点が一番厄介なのですが、こればかりは日本語の使い方に習熟してもらうしか方法がありません。それまでの間は、問題のスタッフがメールを送信する前に必ず誰かが目を通すようにするなどの工夫が必要でしょう。このチェック作業を行う場合、先輩スタッフや店長にメールを転送してチェックしてもらうというフローは、メールの管理が煩雑になるため、避けるべきです。メールを転送せずに、送信前にチェックができるしくみを工夫しましょう。

手間をかけずに品質アップ

 上記3点の工夫をするだけで、お客様対応の質はカンタンに向上します。あなたは、チェックを求められたときにだけ実際のメールを見ればいいのです。要は、ポイントだけきちんとチェックできるしくみを持てばいいということです。

 もう少し具体的に知りたい方は、是非、お友達のイケてる店長さんにどのような対策を打っているのか聞いてみてください。各ショップでやり方は異なりますが、イケてるショップは、必ずこのようなしくみを持っています。

お友達の店長さんがいないという方は、全国イーコマース協議会の門を叩いてみては如何でしょうか?たくさんのイケてる店長との出会いがあるはずです。私もここに所属していますが、とても多くのことを学ばせていただいています。

NPO法人 全国イーコマース協議会

全国イーコマース協議会(略称、EC協議会)」は国内のEC事業者の交流と技術向上を目的としたNPO法人で、現在871事業者が加入する日本最大規模のネットショップ相互扶助団体です。

あなたにも、素敵な出会いと気付きがありますように。

著者プロフィール

名前 横山 慎一郎 maildealer[アットマーク]itboost.co.jp
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社アイティーブースト
サイト http://www.maildealer.jp/

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