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ソニー、パナ、パイオニアのイチオシ機種を徹底チェック

PS3よりいい!? BDプレーヤー3機種比較

2009年06月01日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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DVDソフトの画質もチェック!
アップスケーリング性能でPS3を超えられるか? 

 BDプレーヤーにとって、DVDソフトの画質はもうひとつの注目ポイント。普及価格帯のBDレコーダーの場合、HD映像はよくてもSD映像(DVDソフト)の再生画質はイマイチというものが少なくない。

 しかし、再生専用機であるプレーヤーではそういうわけにはいかない。1080p出力でどれだけの精細感が得られるか、DVDソフトで気になるノイズ感などはどこまで抑えられているかが注目だ。今回は比較用素材として、バンダイ・ビジュアルから5月26日に発売された「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版」を使用させていただいている。

「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版」

DVD

「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版」(c)サンライズ

1983年のTV放映以来、熱いファンの支持を受け、その後もOVA作品として新作が発表されたリアルロボットアニメの人気作。その最新OVA全12話を約2時間に編集した劇場版。AT(アーマード・トルーパー)と呼ばれる戦闘メカは今回すべてCGで再現され、よりリアルさを増した映像になっている。

 今作は、TVシリーズ初期のキリコが心を閉ざしていた原因となるエピソードが描かれ、その戦いは今まで以上に過酷なものとなっている。最近のアニメでは見かけることがほとんどなくなった、女性キャラクターゼロ、男臭さ満点の骨太なドラマだ。視聴に使用した「DVD:通常版」(7140円)のほか、「Blu-ray:通常版」(8190円)、Blu-ray初回限定生産版「Blu-ray:Collector's Edition(1万290円)が発売中。

PS3の再生映像。下で掲載する3機種の映像と撮影条件が異なるため、あくまで参考と考えてほしい



DVDの画質比較

左からソニー BDP-S350、パナソニック DMP-BD60、パイオニア BDP-320の映像(以下同)。シーンは「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版」の冒頭より。「プライベート・ライアン」でのノルマンディー上陸作戦を思わせる戦闘が描かれている場面で、迫力のある映像が展開。CGで描かれたメカの質感が見物

クライマックスでの惑星侵攻シーン。機械化された惑星の輝き、密集する戦艦など細かなディテールが多くノイズが目立ちやすい場面だ

強い日差しの中に立つキリコ・キュービィー。光の再現の加減や空に浮かぶ雲の微妙な筆のタッチまで再現できるかどうかを確認した

 PS3のアップコンバート画質はかなり優秀であるとの評判で、実際のところ実力は優れている。映像に甘さを感じるどころか、むしろ高精細と言えるほどのもので、遠景の景色やディテールの詰まった部分で映像が潰れた印象にならずきちんと再現される。

 BDソフト版と比べればそれなりの差はあるだろうが、不満はほとんど感じない。強いて言えば、他機種ではフォーカスの合った被写体のディテールや、色再現など、映像としての見せ方まで考えて仕上げているのに対し、いまひとつ映像に主張を感じられない点が気になる。BDソフトと同じくあまり造り込みのないストレートな再現のため、全体にきれいなのだが、胸に迫るものが少ないような気がする。


映像のまとめ方がうまいソニー BDP-S350

 BDP-S350は、解像感こそややソフトになるのだが、決して映像が甘いという不満は感じない。それはきちんとノイズを抑え、見やすい映像を重視していながら、フィルムの粒状ノイズは消さないようにするなど、映像のまとめ方がうまいと感じるためだ。

 遠景のディテールは不足しがちだが、クローズアップされた部分などはきちんと再現されるので、映像の見せたい部分がダイレクトに伝わってくる。情報の必要な部分とそれほど必要でない部分をしっかりと整理して描くタイプで、見せ所をわかっている画作りだ。


コントラストが強めのパナソニック DMP-BD60

 DMP-BD60は、BDでは色のりの豊かさが印象的だったが、DVDでもその傾向は共通。ディテールに関してはあまり無理に出そうとはしない方向だが、色数が多くコントラストも強めになるためか、髪の毛の質感がややごちゃっとした印象になることもあったのが残念。

 ただし、画面全体に出るノイズやフィルムの粒状感は全体に抑える方向で、ノイズのないすっきりとした映像になっている。精細感の高い最新の映画やアニメよりも、フィルムで撮影された映画の方が濃厚な味わいがよく出ていて、相性は良さそうだ。


中間色の再現が優秀なパイオニア BDP-320

 BDP-320はBD再生のような高精細感は厳しいものの、DVD再生としては十分以上の解像感のある映像だ。

 赤・緑・青といった原色の再現こそ見た目に忠実でやや大人しい印象を受けるが、中間色の再現が優秀で色の再現に重みや質感を感じる。

 特に戦闘メカの汚れた色などもしっかりと出すので、生々しい雰囲気がたっぷりだ。最近の映画では、質感や雰囲気を高めるためにわざとノイズを付加することもあるが、そんなノイズを抑制せずに見せるので、若干ザラついた印象になることもある。

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