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宝飾品(ジュエリー)市場は縮小ぎみ、今後のプラス要因とマイナス要因を分析

2008年02月21日 02時24分更新

文●通販旬報社

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 矢野経済研究所では、宝飾品(ジュエリー)市場について、調査を実施した。宝石専門店チェーン、百貨店や時計宝石店および呉服などの異業種宝飾参入企業、インポートブランド企業等約4000社を対象として、2007年1月~2007年12月に行っている。郵送アンケート、研究員による電話及び直接面接取材を行った。

 これによると、「宝飾市場」はバブル期に3兆円を超える規模にあったが、現在では3分の1近くまで落ち込んだ。2005年、2006年と一時的に格差社会の中で出現したニューリッチの購買などによって、一時的に市場が拡大したものの、2007年は再び経済環境が悪化、クレジットカードローンの与信供与の自主規制や、最大の需要期であるクリスマス商戦が振るわなかったことも重なって市場は縮小している。

 ジュエリー業界は地金やダイヤモンドなど素材原価の占める割合が大きく、素材を殆ど海外から調達しているため、為替や材料の価格変動が大きく影響する。昨今は金やプラチナの地金価格の高騰で、店頭価格を2~3割アップせざるを得ず、消費者の買い控えもあった。さらに今まで市場を牽引してきた「インポートジュエリー」も過剰出店の影響もあり、2003年以来4年振りのマイナスとなった。

  2008年以降の宝飾品小売市場規模は、好調のメンズジュエリーや団塊世代の退職金消費などが本格化すれば市場は緩やかに回復していくと見られる。なお、今後の宝飾品市場規模に影響を与えそうな要因は次の通り。

 <プラス要因>・団塊世代の退職金消費・中国、インド、ロシアなど外国人観光客の消費増加・宝飾品ヘビーユーザーの増加による単価UP・メンズジュエリー市場の確立<マイナス要因>・プラチナ、金地金の高騰による買い控え・素材に拘らないアクセサリーユーザーの増加・鑑定等の品質に関する消費者不信?・後継者不足などによる宝石店の減少・ブライダル人口の減少

 

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