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シマンテック、常駐型のボット駆除ツール「ノートン・アンチボット」を発売

2007年11月29日 01時55分更新

文●通販旬報社

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 ノートン・アンチボットは、パソコンに侵入したプログラムによって、ユーザーの個人情報や操作履歴を盗み出したり、ユーザーのパソコンからスパム・フィッシング詐欺メールを配信したりするマルウェアの一種「ボット」の監視と駆除に特化したセキュリティーソフトである。

 同社の「ノートン・アンチウイルス」シリーズが、シグネチャー(定義ファイル、パターンファイル)による照合を元にウイルスやマルウェアの監視・駆除を行なう点に重点を置いているのに対し、アンチボットでは侵入したボットの動作を監視することで、ボットによる不正な操作を阻止することに重点を置いている。ボット対策に特化しているため、ウイルス対策やパーソナルファイアーウォールの機能は備えていない。同社のオンライン販売サイト「シマンテックストア」にて、単体でのダウンロード販売が行なわれるほか、「ノートン・インターネットセキュリティ2008」とのセット販売(1万290円)も行なわれる。1ライセンスで3台までのインストールが可能で、価格には1年間のアップデートサービスが含まれる。

 対応OSはWindows Vista(32bitおよび64bit)/XP Home Edition/XP Professional。

増大するボットの脅威に対抗するための単体販売

 同日、東京都内にて開かれた記者説明会で、同社シニアリージョナルプロダクトマーケティングマネージャの風間 彩氏は、ボットが日本も含む世界的な広がりを見せていて、個人ユーザーに対しても重大な脅威となっている現状を報告。「進化する脅威に対して、一歩先を行く」セキュリティーを提供するために、アンチボットを提供すると述べた。アンチボットでは、パソコン上で動作しているプログラムやサービスを監視し、ボットと思われる動作を示したプログラムがあると、これをユーザーに示したうえで対策(削除など)を行なえる。動作中は常にシステムを監視しているため、ウイルス対策ソフトのように時間を要するシステム全体のスキャンなどは必要ない。またウイルス対策ソフトと違い、“定義ファイルの更新”といった要素は必要ないため、頻繁な更新チェックは必要ないとしている。

 アンチボット自体のプログラムは規模が小さく処理負荷も低い。同社ではインストールや起動がごく短時間で済むほか、メモリー使用量(10MB程度、環境は不明)やCPU使用率(2%程度)も低いとしている。また、他のセキュリティーソフトとの併用も可能としている。元々アンチボットは、米Sana Security社が開発した技術を、シマンテックがライセンス供与を受けて製品化したものである。そのため、ノートン・アンチウイルスや統合セキュリティーソフト「ノートン・インターネットセキュリティ」シリーズとは別個のソフトウェアとなっている。しかし、ユーザーから見れば、ボット対策機能はこれらの製品に統合されていた方がありがたいもの。同社ではボットの脅威が深刻になっている現状を踏まえて、対策技術をより早く提供するために単体での販売に踏み切った、としている。ノートン・インターネットセキュリティなどとの将来的な統合については、検討していきたいとしている。

 

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