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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第102回

リコー「CX1」のマニアックな機能で猫撮り

2009年05月21日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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失敗してもダブルショットだから安心

 ただし、この機能は「連写」して合成するため、撮影時に猫が動いちゃうとどうしようもない。お見せしないけれども、残像が残ったみたいで使えない。とくにぶれやすい暗い場所では難しい。

 でも高ダイナミックレンジ写真と通常写真の両方を撮ってくれるので、失敗したら通常写真の方を選べばいいのである。

京都のとある神社にて

京都のとある神社にて。猫を撮ろうとしたら突然カメラに手を伸ばしてきた。そのため高ダイナミックレンジのカットは失敗したけど、同時に通常撮影もしたのでそっちを採用した。それにしてもカメラに攻撃するとはっ(2009年 5月 リコー CX1)

 こんな風に猫が突然動いちゃったときは、高ダイナミックレンジの方を諦めて、普通に撮った方を採用するべし。

 この高ダイナミックレンジモード(ダイナミックレンジダブルショット機能というらしい)がCX1の一番面白い機能だと思う。

 明暗差がありすぎるときも不自然な結果になることがあるのだけど、そんな「失敗しちゃうこと」があっても、通常写真でカバーできるから許せちゃう。「失敗を怖れなくていい」素晴らしい機能なのだ。成功すれば、他のコンパクトデジカメでは不可能な写真も撮れちゃうので、どしどし使うべし。

 もうひとつ、CX1の基本性能もあなどれない。コンパクトボディながら28-200mm相当の高倍率ズームであることと、マクロに強いことだ。

 普通のコンパクトデジカメは広角側ではたくさん近寄れても、望遠になるとあんまり……というのが普通であるが、CX1は望遠側でも25cmまで近寄れるのである。これはすごくいい。手ブレ補正も、以前のモデル(Caplioシリーズ)に比べてよくなってると感じる。

望遠マクロで撮った顔のアップ

望遠マクロで撮った顔のアップ。アップは望遠で撮った方が形がきれいに出るし、猫の邪魔にもならないのである(2009年 5月 リコー CX1)

 ひと味違うコンパクトデジカメでひと味違う写真を撮ってみたい人におすすめのカメラだ。



筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走り回りながら面白いものを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影のネタ帳 シーン別ベストショットの撮り方』(MdN)、『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)。密かにネコ動画ポッドキャストも更新中。



*次回は 5月28日掲載予定

■Amazon.co.jpで購入

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