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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第73回

自分らしく使えるスマートフォンで世界を狙う東芝

2009年05月16日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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グローバルモデルとしての
キャラクター付けは?

タッチセンサー

画面下部にはタッチセンサーのキーが備えてある。横長のバーから画面へスライドさせると、カーソルを動かす十字キーやバーチャルパッドなどの補助UIを呼び出すことができる

縦横入れ替わり

加速度センサーを搭載し、横に寝かせるとUIも横長の表示に自動的に切り替わる

 この端末の販売を考えている市場は全世界だという。

 「TG01の開発にあたって、デザインやスペックなどの調査はグローバルに実施しています。これまでのスマートフォンは、どうしてもビジネス寄りで法人需要中心でした。しかしネットは皆が使うものになっており、TG01はコンシューマーを想定しています。地域ごとにアプリケーションや使われ方は変化します。そのため、まずインターネットへの対応を強め、地域性や個人に応じてカスタマイズできる製品を用意しました」(湯嶋氏)

 TG01の高いスペックは、これまでケータイでできなかったことも実現するという。回線速度にも影響されるが、HD画質の動画をキレイに再生したり、また流麗なインターフェイスもCPUの恩恵を受けている。スマートフォンはすでに大画面、コンパクト、高速というスペック競争の局面を迎え始めている。

 一方でWindows Mobileを搭載して、グローバルに展開しやすいオープンプラットホームを採用した分、使い方のキャラクター付けをどうするかが見えてこないのも事実だ。 リッチなスマートフォンの上で何をするか、というコンテンツやアプリケーション、ウェブ側のサービスなどまでは手がけるにいたっていない。

 TG01はハードウエアとして十分魅力的だし、快適なウェブブラウジングを保証してくれる、スマートフォンの発展を感じさせてくれる端末だ。一方でiPhoneのように「じゃあ何に使う?」というキャラクターを、ニーズを見込んでいるユーザーの人数分用意する必要がある。これはWindows Mobile端末のみならず、Androidにとっても、そしてiPhoneにとっても、依然として共通のテーマとなっているのではないだろうか?

筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性に付いて探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET


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