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行った気になる「情報セキュリティEXPO」-クライアント管理編-

情報漏えい対策はやっぱりログ管理から

2009年05月15日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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5月13日に始まった「第6回 情報セキュリティEXPO」。東京ビッグサイトの西ホールにひしめく各社のブースを見ると、今回の情報セキュリティEXPOのテーマが「情報漏えい対策」であることがわかる。ここではログ管理ソフトを中心に、情報漏えい対策製品をレポートする。

まさに百花繚乱の情報漏えい対策ソフト

 今回の情報セキュリティEXPOの展示は、情報漏えい対策に関する製品やサービスがかなり多かった。個人情報の管理や内部統制が法令化され、さまざまな情報漏えい事件がニュースで流れ続けていることで、この経済危機の状況でありながら、なかなか対策をおろそかにはできないようだ。

 情報漏えいはメールやWebなど使ったネットワークを使う方法や、USBメモリや印刷物の持ち出し、ウイルスやスパイウェアによる漏えい、ユーザーの誤操作などさまざまな手段が存在する。こうした漏えいを防ぐため、ユーザーの操作を管理者が集中管理するクライアント/サーバ型のログ管理ツールが数多く提供されている。こうしたログ管理ツールの機能はそれぞれ異なるが、国内でも40社近いベンダーが同種の製品を提供しているといわれる。

エムオーテックスは「Cat6」のサーバ管理機能を披露

 まず最大手のエムオーテックスは、主力セキュリティ製品「LanScope Cat6」の新機能を披露した。LanScope Cat6はPCのログをリアルタイムで収集し、情報漏えい対策や資産管理を実現するクライアント/サーバ型のクライアント管理ツールだ。

エムオーテックスのブースでは最新のLanScope Cat6が披露された。商談スペースもいっぱいで好評だった模様

 新機能ではサーバログの管理機能を搭載し、ドメインのログオン・ログオフ、サーバの接続・切断などのログを取得し、さらにログの前後のクライアントの操作をトレースできるようになった。つまり、サーバ上でどんな操作があったのかをサーバログだけで判断するのではなく、クライアントの操作までトータルで管理できるというわけだ。また、不正アクセスの警告やアクセス状況を管理するレポート生成なども可能になった。その他、VMwareやHyper-Vなどの仮想化対応を強化したという。

低価格な「MylogStar Ver.2.0 Light」 で
勝負するラネクシー

 ラネクシーは、PCのログ管理を行なう「MylogStar」の低価格版「MylogStar Ver.2.0 Light」のデモンストレーションを行なっていた。MylogStarはWindowsのカーネルレベルで業界最多を謳う15種類のログを取得し、操作を監視する。すでに1200社の導入があるという。MylogStar Ver.2.0 Lightでは取得可能なログの種類をログイン・ログオフ、アプリケーション、ファイル操作、印刷、アクティブウィンドウに絞り、低価格化を実現。説明員の方によると「40万円の管理サーバ(SQL Server付き)が必要になりますが、1台あたり保守費合わせて3000円で済みますので、低コストから導入できます。もちろん、MylogStarへのアップグレードも可能です」とのこと。

MylogStar Light Managerのファイル操作ログ。MylogStarじゃないと利用できない操作メニューはグレーアウトされている

 「Light」とはいえ、機能は意外と豊富。特定のファイルについて、ファイル名の変更やコピー、メールの添付などの流出経路を追える「拡散トレース」と、流出した記録から元ファイルを調査する「バックトレース」の機能を搭載する。さらにあらかじめセキュリティポリシーに従って検索条件を設定しておくと、定期的に検索を行ない、違反した操作などがあった場合はアラートを上げるという機能も搭載されている。

■関連サイト

統合型コンソールを提供するハンモック「AssetView」

 ハンモックは2009年9月に発売予定の「AssetView PLATINUM」をいち早く披露した。AssetViewは名前の通り、資産管理からスタートしたクライアント管理ツールで、ログ管理、IT資産管理、個人情報検索、自動インストール、不正PC遮断、リモートコンソールという6つの製品が用意されている。ただ、前バージョンの「AssetView GOLD」では製品ごとの管理ツールが用意されていた。今回展示されたAssetView PLATINUMではすべての製品の統合コンソールが用意され、一元的に把握できるようになった。

 PLATINUM管理コンソールは、「ハードウェア」「アプリケーション」「ドキュメント」という3つの視点から状態を把握し、アラートが上がった部分はそのままクリックすると、ドリルダウンで問題箇所がすぐに発見できるというものだ。ユーザーインターフェイスには、マイクロソフトとの協力により、SilverlightのベースであるWPF(Windows Presentation Foundation)の技術を使い、必要な時以外は隠れるメニューを実現した。実際のデモを見るとかなりエレガンスなユーザーインターフェイスに仕上がっていた。さらにインテルのvProテクノロジーにも対応し、電源オフとなっているPCに対するセキュリティパッチの適用などが可能になるという

■関連サイト

(次ページ、企業の敵となった「USBメモリ」へ続く)


 

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