けいおん!人気で業界騒然、左利き用ベース2年分を追加発注

文●編集部

2009年05月13日 18時30分

深夜アニメ「けいおん!」人気爆発、実際の影響のほどは?

 高校の軽音楽部を舞台にした深夜系テレビアニメ「けいおん!」が、音楽業界で話題を巻き起こしている。

 キャラクターとして登場する4人の女子高生が使用している楽器やヘッドホンが、実際に商品として人気を呼んでいるのだ。

 Amazon.co.jpの楽器販売ページでは関連商品として同アニメのDVDやBDタイトルが並び、キャラクターが使用している高級ヘッドホンは価格.comなどのサイトでたちまち価格が約2倍に高騰。

 関西の総合音楽ショップ「JEUGIA」(ジュージヤ)公式サイトでは音楽教室の紹介ページでけいおんを引き合いに出した紹介文を掲載している

 また楽器メーカー・フェンダーのブログでは担当者がけいおんを絶賛し、「澪ちゃん、頑張れ!」などとキャラクターに向けたコメントを寄稿。使用している楽器についてひたすら言及したりと、とにかくひっきりなしに話題に上がっている。

 とにかくネット上では人気が集中している状況だが、現在、実際にどこまで関連業界に影響があらわれているのだろうか。各担当者に話を聞いた。

左利き用ベースは、約2年分の追加発注に

 キャラクター「秋山澪」が使用しているベースはフェンダージャパンの「JB62/LH/3TS」。取材に応じたフェンダージャパンの担当者は「現在、工場に例年比で約2年分の発注をしている状態です」と回答した。

 元々が左利き用というだけあり、そこまで大量に販売されているものではなかったが、例年の6ヵ月分をわずか2~3週間で出荷してしまったことで、たちまち在庫が足りなくなってしまったのだという。

 また左利き用ベースの人気を受け、右利き用の「JB62/3TS」にも注文が集まっているのだとか。担当者は「これだけ市場が冷え込んでいる中では、かなり売れている方ですね」と素直に驚きの声を口にしていた。

 なおJB62シリーズを購入したユーザーには、ベースアンプとして米ampeg社が発売するsvtシリーズ、またアニメの中でも使われていた「BMC20CE」がお薦めとのこと。

普段は1枚程度しか入れないアニメ系CDが
合計200枚も売り上げている

 アニメ版の第2話で登場する店舗のモデルとなったとされるのが、冒頭でも触れた総合音楽ショップ、JEUGIAの三条本店。

 ゴールデンウィークにはファンが店先を訪れる「聖地巡礼」がひっきりなしに行なわれ、グループで訪れ外から写真を撮っていく例や、「フェア台の写真を撮らせてほしい」という申し出も後を絶たなかったいう。

 同店では普段アニメCDは1~2枚程度の入荷だが、OP/ED系それぞれの限定盤を含めた4種類のCDは合計で200枚も売り上げた。「アニメがそれだけ効果があるというのは、正直驚きました」と売り場担当者はしみじみ口にする。7月発売のDVDには、JEUGIAオフィシャルロゴステッカーを特典として用意する予定だ。

 JEUGIAそのものは京都を中心として関西だけで展開しているものの、東京からメールで「アニメを見て楽器を始めたくなった。ギターは何から始めたらいいか」という趣旨の問い合わせを受けた例もあったという。

 ちなみに同店の店先では、キャラクター平沢唯が使用しているギブソンのギター「レスポールスタンダード(チェリーサンバースト)」を展示している。しげしげと眺める「巡礼者」も多いが、同モデルの販売価格は約25万円。さすがにまだ購入者は出ていない。

K701は以前にも萌え系で話題になったことがあった

 前述のキャラクター、秋山澪が使用していることで話題になっているヘッドホンがAKG社のダイナミックヘッドホンのフラグシップモデル「K701」。

 輸入販売元のハーマンインターナショナルは「問い合わせは増えましたが、さすがに高級モデルということもあり、当社に直接注文が殺到しているということはありません」と話し、「ただ、K701は以前にも萌え関係で話題になったことがあったんですよね」と続けた。

 それは2008年6月に白夜書房から発売された、岩井喬氏の「新・萌えるヘッドホン読本」。美少女キャラクターがK701を装着しながら歯を磨くという(装着するとかなり重いと思うのだが……)シーンがあり、その際にもかなりの問い合わせがあったのだとか。

 ちなみにAKGのヘッドホンラインナップとしては「プロオーディオ」「ホームオーディオ」「ミニヘッドホン」の3ラインがあり、K701はオーディオ愛好家に向けたホームオーディオのジャンルにあたる。さすがに値段が値段なので、手が出しづらい場合は同シリーズの下位モデル「K530」がお薦めという。

 最近では、同じくテレビアニメの「戦国BASARA」をモチーフとした宮城県産の米「戦国BASARA米」などが発売されて話題を呼んだ。「萌え」やアニメの要素を取り入れた新たな商品戦略やメディアミックスの方法がこれからも展開されていくのかもしれない。


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