ブロケード コミュニケーションズ システムズ(以下、ブロケード)は、データセンターの仮想化やサーバ・ストレージ統合において今後主流となると見込まれているFCoE/CEEに対応した製品群を発表した。ファイバチャネル製品で高い実績を誇る同社は、FCoE/CEEの分野でどのような製品を繰り出すのか?
データセンター接続の本命「FCoE/CEE」の技術
データセンターにおけるサーバ接続において、現在もっとも注目されているのがFCoE/CEEである。FCoE(FibreChannel over Ethernet)は文字通りEthernet上に動作するFC、CEE(Converged Enhanced Ethernet)はパケットロスや遅延にシビアな拡張Ethernet物理層を指す。
FCoE/CEEには簡易で安価なEthernetと堅牢でサービスが充実したFCを統合することで、データセンターでの仮想化やサーバ統合をより実現しやすくなるというメリットがある。昨年、シスコがデータセンタースイッチ「Nexusシリーズ」でいち早くサポートしたことで、データセンター接続において最重要な技術として躍り出た。現在IEEEとANSI、IETFなどで標準化が進められており、FCoEは2009年、CEEが2010年あたりの標準化完了が見込まれているという。
スイッチから管理ツールまで5月に投入
今回、ブロケードから発表されたのは、まずFCoE/CEEに対応したスイッチ「Brocade 8000 FCoE Switch」だ。Brocade 8000 FCoE Switchは、24の10Gbps CEEポートを、8つの8Gbps FCポートを搭載したボックス型スイッチ。1台のスイッチで、サーバとはCEEで、ストレージとはFCで接続することが可能となっている。
10Gbpsリンクを最大4本束ねるトランキングのほか、ポートミラーリングなども可能。消費電力も350Wと、他社製品と比較して大幅に削減しているという。なお、シャーシ型製品であるDCX用のFCoE/CEEブレードも将来的には提供されるとのことだ。
また、サーバやストレージのインターフェイスにあたる「Converged Network Adaptors(CNA)」は、シングルポートの1010とデュアルポートの1020が用意されており、初の単一ASICでの実装が実現されている。ポートあたり64のI/Oキューを持っており、仮想化環境においても優先度に応じてサーバリソースを柔軟に割り当てられる。
さらにFCoEとFCを統合的に管理できる「Brocade DCFM(Data Center Fablic Manager)」も合わせて提供される。
導入パターンとしては、FCやEthernetの帯域を向上するのに合わせて、スイッチの統合を図ったり、サーバやストレージの仮想化を進めるのに最適とのこと。とはいえ、現状は標準化も済んでおらず、コストも高いため、当初は大企業やデータセンターをターゲットにする。製品の価格は未定で、出荷は5月の予定。
FCの分野では敵なしだったブロケードが、果たしてネットワークとストレージが統合されるデータセンター市場でどのように戦うのか注目したいところだ。