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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第23回

シャープが新Mebiusで狙う「UIの変革」と新しい市場

2009年05月06日 16時00分更新

文● 西田 宗千佳

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独立したシステムLSIでプログラムを動かせる
光センサー液晶パッド

 NJ70Aでは、パッドから手書きによる文字入力や辞書検索ができるほか、画像に簡単な絵や文字を入力することもできる。これらは、基本的にWindows側のアプリケーションで処理しているが、表示やUIのコントロールなどは、光センサー液晶パッド内のシステムLSIが行なう。たとえば手書き文字入力は、Windows上に電子辞書で使っているものと同じ処理を実装した上で、表示と入力をパッド側のシステムLSIが担当しているという。

 ディスプレーがついていることで、最近増えてきたUSB接続の小型サブディスプレーと同じようなもの、と考えている人も多いだろう。しかし、デバイス的にはまったく異なるもので、Windows画面の表示はできない。逆にいえば、パッドの表示によってパソコン側の処理能力が大きく使われることもない。消費電力もさほど大きくはないようだ。

 少々残念なのは、現状ではその「新しさ」をはっきりと体感できるアプリケーションがまだ少ない点にある。タッチセンサーを使ったゲームなどが搭載されているが、さほど新奇さはなく、価値を感じられない。

フォトメニュー

フォトメニュー。写真や画像をスライド操作で選択。「手書きイラスト」で描き込みもできる

電卓

電卓。Windows画面外で使えるのはちょっと便利

ピアノ

iPhone用の人気ソフトにも似た「ピアノ」

ミニボウリング

上下2画面を使う「ミニボウリング」。パッド上でボールを転がすと、Windows画面側に転がっていく

笛田「今後は特に、情報系のアプリケーションの追加を検討しています。例えば、RSSを取得して表示するようなものです。また6月にはSDKを公開し、自由にアプリケーション開発ができる環境を作る予定です」

 ちなみに、光センサー液晶パッドは独自のシステムLSIで動作しているが、アプリケーションそのものの開発に、特別なノウハウは必要ないという。「Windowsでのアプリケーション開発経験があれば、すぐに作成可能」(笛田氏)とのことなので、興味のある方はチャレンジしてみてもらいたい。SDKにはパソコン上で光センサー液晶パッドをエミュレートするアプリケーションも含まれるようなので、NJ70Aを持っていない人でも開発は可能だ。

笛田「また、今回の製品では『カスタマイズ性』を強く意識しています。液晶パッド部の画像や、パッド上のカーソル形状も変更できます」

マウス操作状態のパッド表示

マウス操作状態のパッド表示の例。時計やカレンダーが表示可能。その上のネコは、タッチ位置を表示するためのキャラクター。指を追いかけて動く。これらは、ユーザーによる追加はできないが、「作るのは簡単」とのこと

パッドの動作はWindows上のアプリケーションで設定する。パッドの動作だけでなく、液晶パッド上で動作するアプリケーションの設定もできる

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