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市販デフラグツールを導入する意味

2009年05月19日 11時00分更新

文● 柳谷智宣

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Diskeeperが真価を発揮するのは、自動実行モードのデフラグだ!

 次は、ソフトお勧めの自動デフラグを行ってみよう。Windows Vistaのデフラグ機能も自動的にデフラグするとうたわれているが、これはスケジューリング機能を利用した擬似的な自動デフラグである。Diskeeper 2009では、HDDの利用状況を監視し、断片化が発生したらすぐにデフラグするという点が異なる。市販のソフトを含めて、完全な自動デフラグ機能を用意しているソフトは稀だ。

 常時デフラグが起動していると書くと、負荷を心配する読者がいると思うが、Diskeeper 2009では後述する「InvisiTasking」でパフォーマンスの低下を防いでいる。

自動デフラグの設定画面を開く

自動デフラグを有効にする

 自動デフラグを利用するには、「起動パネル」から「ボリュームのプロパティ」を開き、「自動デフラグ」をクリックする。複数のドライブを選択しておけば、まとめて設定できる。設定ウィンドウが開いたら、「選択したボリュームで自動デフラグを有効にする」にチェックして「OK」を押すだけ。とりあえず1日起動したままにしておいた。

 翌日ログをチェックしたところ、自動デフラグが実行されていた。特に他の操作をしていないのに、1441の断片化が新たに解消されていた。早速、ベンチマークを取ってみる。

自動デフラグが実行された日付はわかるが、時刻は表示されない

 「CrystalDiskMark」でHDDの速度を計測すると、連続読み込みは52.78、連続書き込みは51.83MB/秒だった。デフラグ前から4.2%のスピードアップとなり、手動デフラグ後からでも1.7%も向上している。続いて「PassMark Rebooter」でWindowsの起動時間をチェックしたところ、10回の平均は91.2秒と速くなっている。しかも、最初の2回は106秒だが、その後はずっと87~88秒となった。そう考えると、起動時間は11秒短縮され、12%も高速化している。

「CrystalDiskMark」の結果

「PassMark Rebooter」の結果



なぜ、自動デフラグのほうが良い結果が出たか

 自動デフラグ後の分析結果を見ると、最初に手動でフラグしたときと比べて0.5%程度の断片化が解消されている。しかし、結果はそれ以上の効果が得られた。

「Frag Shield」は「起動パネル」で設定する

 HDDが高速化したのは、「I-FAAST 2.0」機能と「Terabyte Volume Engine 2.0」によるところが大きいと思われる。

 「I-FAAST 2.0」は、ファイルの利用状況をモニターし、使用頻度の高いファイルに効率よくアクセスできるよう置き場所を再構成する。HDDでは内周と外周で読み出し/書き込み速度に差が出る。この物理的な特性を加味して、システムの高速化を図れるのだ。I-FAASTは、これまでProPremierのみの機能だったが、2009からはProfessionalでも利用できる。

 一方「Terabyte Volume Engine 2.0」は、個人向けではProPremierエディションのみに搭載されている。以前は、高価な企業サーバー向けエディションのみに搭載されていたもの。HDDの容量が増えると、ある容量からデフラグの速度が急激に遅くなるが、Terabyte Volume Engineはアルゴリズムの変更により、大容量のHDDでも速度低下を最小限に抑えられる技術。60GB以上のHDDで効果を発揮するという。

 これら機能を併用すれば、仮に断片化していない新品のHDDより、さらにパフォーマンスの向上が期待できるというのが、Diskeeper 2009のうたい文句だ。新しいパソコンを導入したら、セキュリティーソフトよりも先にインストールして、自動デフラグをオンにする。これが通の使い方になっているとも聞く。

 「ブートタイムデフラグ」機能も見逃せない。WindowsのページファイルとMFTをデフラグする。ページファイルとは仮想メモリのことで、MFTとはファイルを管理するためのデータベースのこと。どちらもWindows標準の機能ではデフラグできない。

 また、リアルタイムでシステムを監視し、ページングファイルやMFTの断片化そのものを防いでくれる「Frag Shield 2.0」という機能もある。

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