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池田信夫の「サイバーリバタリアン」 ― 第65回

草彅事件で露呈したメディアの警察依存体質

2009年04月29日 12時00分更新

文● 池田信夫/経済学者

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洪水のような過剰報道

 4月23日に逮捕されたSMAPの草彅 剛容疑者をめぐる騒ぎは、異常としかいいようがない。彼の行動そのものは笑い話のようなものだが、異様だったのは警察や報道機関の反応だ。

NHK すでに多くはサイト内から消えているが、NHKで今回の“事件”について多くの報道がされたことが検索エンジンからはわかる。多くの時間を割くべきニュースだったのか疑問が残る

 そもそも深夜の公園で酔っぱらって裸になったことが、逮捕の理由になるのだろうか。酔っぱらいは普通は「保護」して、警察の保護室(いわゆるトラ箱)で一晩過ごすのが普通だ。彼が暴れたというが、それぐらいは普通の酔っぱらいでもよくあることで、逮捕するには犯罪を犯していることが必要条件だ。今回の逮捕容疑は「公然わいせつ罪」ということになっているが、彼が積極的に裸を見せたわけではない。薬物反応がなかったのに家宅捜索までやったのは人権問題だ。

 さらに異常だったのは、洪水のような報道だ。第一報は「草なぎ容疑者は同日午前3時頃、東京都港区内の公園で下半身を露出した疑いが持たれている」(読売新聞)と、意図的に下半身を露出したかのような警察発表をそのまま流した。23日は朝からワイドショーもニュースも繰り返し彼が護送される映像を流し、NHKは翌日の「ニュースウォッチ9」のトップで記者会見を生中継した。

 おまけに刑事処分も決まらないうちに、テレビ番組やコマーシャルなどから降板させるという発表が相次ぎ、地上デジタル放送のキャラクターも下ろされた。鳩山総務相は「最低の人間だ」と発言した。このような過剰反応が起きたのは、草彅容疑者が著名人だったというだけではなく、警察が逮捕したという事実が過剰報道を「解禁」してしまったからだ。

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