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世界初の「ION」搭載Nettop AspireRevoの実力は?

2009年04月28日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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BD再生もゲームも難なくこなせるNettop

 では実際にAspireRevoは、どの程度の性能を発揮するのだろうか。簡単なベンチマークテストや試用機に搭載されていたアプリケーションで試してみた。

 まず確かめたのが、動画再生の快適さである。IONにはH.264などBDソフトに使われる映像コーデックの再生アクセラレーション機能が備わっている。理屈の上では、非力なAtomに頼らずとも、快適なHD映像再生が可能になるはずだ。

 AspireRevoにUSB接続タイプのBDドライブを接続。プレインストールされていた「CyberLink PowerDVD 9」を再生ソフトとして、BD再生を実験した。ディスプレーには37型フルHD解像度の液晶テレビを使用。テレビと本体はHDMIで接続した。

AspireRevoでBDソフトを再生中の様子

AspireRevoでBDソフトを再生中の様子(画面ははめ込み合成です)。右にあるサイドバーのCPUメーターは50%程度で、実際まだ余力がある

 結果は見事なもので、フルHDの全画面表示で市販のBDソフトを再生しても、フレーム落ちはいささかも見られない。ウインドウ表示でCPU負荷を表示しながら見てみると、50%前後のCPU負荷に止まっている。Nettopに多いIntel 945G系チップセットでは、到底できない芸当だ。

 720pクラスのWMV HDの映像を、OS付属のWindows Media Player 11で再生してみたが、こちらも非常に快適でフレーム落ちなどはまったくない。GPUの持つ再生アクセラレーションが有効に効くソフトを使うと、動画視聴も驚くほど快適だ。

 ただし、YouTubeやニコニコ動画など、Flash Playerを使ってウェブブラウザー上で再生する動画については、GPUのアクセラレーション機能が使われないため、てきめんにフレーム落ちが見られる。Flash動画の再生は現状CPU性能頼りなので、IONの性能が発揮できないのは残念だ。

 続いて3D FPSゲームの「Call of Duty 4」を試してみた。さすがにメインストリーム級のGPU並みとはいかないが、各種表示品質を最低クラスまで落とせば、ゲーム機並みの720pクラスの解像度でも毎秒15~30フレーム前後で動くので驚いた。これくらい表示できれば、十分ゲームになる。

Call of Duty 4のフレームレートを表示

Call of Duty 4のフレームレートを表示(右上、Frapsを使用)。けっして速くはないが、遊べる程度の表示は実現している

 IONと同じGeForce 9400Mは、チップセット統合型としては高性能と評価されているが、IONでもその点は変わらないようだ。表示負荷が軽めのMMORPGなら、快適に遊べるだろう。

Virtual Earthを試してみた

マイクロソフトの立体地図ソフト「Virtual Earth」を試してみた。フルHDの画面にいっぱい表示するとさすがに重いが、Intelチップセットよりは軽快だ

 あくまで試作機であるため、ベンチマークテストはあくまで参考値だが、総合性能を測る「PCMark 05」の場合、総合値は1820。同クロックのCPU(Atom N270、1.60GHz)を搭載するNetbook(LB-F1500B、総合値1320)と比較しても、一回り速い。

 ちなみに、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark06」の結果は、総合値で1299。これは超低電圧版Core 2 DuoとIntelチップセットのモバイルノート(600前半~1000半ば、関連記事)より速いことになる。

 AcerはAspireRevoの発表文の中で、「Nettopがゲーム機に出会う」という言葉で、性能の高さをアピールしていた。Netbook・Nettopにとって、ゲームは苦手なコンテンツの筆頭に挙げられる。さすがにゲーム機並みとは言い過ぎになるが、AspireRevoならそんな制約は気にしなくてもよさそうだ。


テレビとの相性は抜群

 コンパクトな筐体でVistaやゲームが軽快に動くAspireRevoは、コンセプトどおりに大画面テレビと組み合わせて使うのに適したNettopと言える。

 昨今はゲーム機でもウェブブラウジング程度はできるし、テレビ自体にネットコンテンツの視聴機能を搭載する製品も増えつつある。しかし、いずれもパソコン向けに作られたウェブサイトやコンテンツを十分に楽しめるかというと、コンテンツの進化について行けず、それにはほど遠いのが実情だ。だがAspireRevoと大画面テレビの組み合わせなら、「テレビで快適かつ安価にネットを楽しむ」のが、現実のものとなる。

 テレビサイドで使う低価格パソコンを求める人にはお勧めの製品だ。筆者もちょうど、そうしたパソコンが欲しいと思っていたところなので、AspireRevoはまさにうってつけの製品だった。日本での発売が待ち遠しい。

AspireRevo(評価機) の主なスペック
CPU Atom 230(1.60GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス NVIDIA IONチップセット内蔵
ディスプレー 付属せず
HDD 160GB
光学ドライブ 搭載せず
カードスロット 4in1タイプカードスロット(メモリースティック/SDメモリーカード/MMCなど)
サイズ 幅30×奥行き180×高さ180mm
OS Windows Vista Home Premium SP1
価格 未定

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