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週刊 PC&周辺機器レビュー 第3回

超解像技術でYouTubeを美麗化するQosmio G50

2009年04月24日 12時00分更新

文● 池田圭一

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SpursEngineでflv動画を高画質化?

 Qosmio G50の春モデルでは、SpursEngineを利用できるアプリケーションとして、DVD編集/エンコード処理にSpursEngineを使って高速処理する「DVD MovieWriter for TOSHIBA」や、DVD再生時にSpursEngineによるアップコンバートが可能な「TOSHIBA DVD PLAYER」など数本が付属していた。

SpursEngineの動作状況を示すインジケーター

SpursEngineの動作状況を示すインジケーター&簡易メニュー。Cellコアの利用状況が色で示されている

 今回のG50/98Jで、最も特徴的なのがネット動画の高画質化処理(レゾリューションプラス)が可能になった点だ。ただし、現時点ではInternet Explorer 7用のプラグイン「TOSHIBA Upconvert Plug-in」として提供されるのみ。ほかのウェブブラウザー用のものは今のところない。対応する動画ファイルもflv形式のみで、動画サイト側で全画面表示が可能な場合に限られる。

 筆者がいくつかの動画サイトで試したところ、YouTubeでしか動作しなかった。とまぁ、いくつかの制限はあるのだが、プラグイン形式なので、今後の機能拡張次第では、利用範囲も拡大するものと思われる。


効果絶大! SpursEngineを体験すると
あとには戻れない

 大げさなようだがレゾリューションプラスでの再生を体験すると、その効果に感嘆するほかない。通常品質のflv動画の場合は、もともとが低品質のためか「色彩や輪郭がはっきりしたかな?」という程度に留まるものの、一部のHD動画、特にアニメーションコンテンツでは明瞭な違いがある。言うなれば「3倍速で録画したVHSビデオテープと地デジ録画の差」とでも言うべきだろうか? 色彩が鮮やかに、細部は鮮明になってエンコード時のブロックノイズが見えてくる。

SpursEngineプラグインが動作可能なコンテンツでは……

SpursEngineプラグインが動作可能なコンテンツでは、画面左に[Resolution+]ボタンが表示される。そこをクリックすると、フル画面でのアップコンバート表示が始まる

デモンストレーションモードを試してみた

デモンストレーションモード(画面右側のみアップコンバート)を試してみた。この素材はSDコンテンツのためか、明瞭な違いは出ていないが、アニメのHDコンテンツではかなり効果的

 SpursEngineの効果が最も顕著だと感じたのは、TOSHIBA DVD PLAYERでのDVDコンテンツのアップコンバート表示だった。アニメでは、背景の細部までくっきりと見えるようになり、色のにじみも消える。「10年前のDVDビデオが、最新のBlu-rayコンテンツの再現力を超える」と言ってもいいほどだ。強くオススメできる。

 SpursEngineは今後も、さまざまな分野で利用されると期待できる。Qosmio G50が持つ各種のアップコンバート機能はSpursEngineがなければ実現しない。将来性も高く、現時点でこれを理由にG50を買ってもいいほどだ。

 最後に、G50は音響面でもよくがんばっている。harman/kardonブランドのステレオスピーカーに加えて、本体裏にはサブウーファーを内蔵している。残念ながら試用機だったので、サラウンドなどステレオ効果については言及できないが、それほど大口径のスピーカーではないのに、本体の共鳴効果もあってか低音も良く出ていた。

 ちなみにパソコン内部のオーディオ出力チップは、「Realtek High Definition Audio」(Intel HDオーディオ準拠)である。専用ユーティリティーでエフェクトなどを付加できるようになっているのだが、感動を覚えるような音質とは言えなかった。サウンド品質を追及するのであれば、光出力対応のプリメインアンプなどを別途用意したいところである。

 Qosmio G50/98Jの予想実売価格は33万円前後。18型クラスのフルHD対応液晶テレビに、地デジ対応HDDレコーダー、さらにプリアンプを個別にそろえるのと、金額的にはほぼ同じぐらいだろうか。これらに加えて、SpursEngineを搭載したコーデックアクセラレータカード(Thomson Canopus製のFIRECODER Bluなど)を買うと、さらに5万円前後の追加費用がかかる。そのうえQosmio G50では、ビデオエンコード以外のSpursEngine対応アプリケーションも付属する。そう考えればお買い得と言ってもよい製品だ。

 ちなみに、独立GPUやダブル地デジチューナーにこだわらないのであれば、予想実売価格24万円前後の「Qosmio G50/96J」(Core 2 Duo P8600-2.40GHz)という選択肢もある。ご予算次第でお好みの方を選ばれたい。

Qosmio G50 G50/98J
CPU Core 2 Duo T9550(2.66GHz)
メモリー 4GB
グラフィックス GeForce 9600M GT
ディスプレー 18.4型ワイド 1920×1080ドット
HDD 640GB(320GB×2)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
テレビ機能 地上デジタル放送チューナー×2
無線通信機能 IEEE 802.11b/g/n(Draft 2.0)
カードスロット ExpressCard(34、54対応)、ブリッジメディアスロット(SD/SDHCメモリーカード、メモリースティック/PRO/PRO-HG デュオ、xD-ピクチャーカードなど対応)
インターフェース USB 2.0×4(うち1はeSATA共用)、HDMI出力、アナログRGB出力、光デジタルオーディオ出力、10/100/1000BASE-T LANなど
サイズ 幅452.3×奥行き311.0×高さ38.2~48.3mm
質量 約4.9kg
バッテリー駆動時間 約4.0時間
OS Windows Vista Home Premium SP1 32bit版
予想実売価格 34万円前後

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