国内随一のPainter使い、寺田克也氏はこう描く!
寺田克也氏。最近では映画「ヤッターマン」でキャラクターデザインのリファインを担当した
記者発表会では、ヘビーなPainterユーザーとして知られるマンガ家/イラストレーターの寺田克也氏がデモを披露していた。
寺田氏は主に下絵をスキャンしてMacに取り込み、Painterを使ってイラストを仕上げるという手法で絵を描いている。日本ではPainterと「Photoshop」を併用してイラストを描く人も多いが、寺田氏は「Photoshopは明度を少し変えたりするぐらい」で、デジタル製作の大半をPainterで済ませている。
デモではPainterの魅力や思い入れを語るのと同時に、自分のMacBook Proを使い、20分の間にイカついオヤジのイラストを即興で作成していた。有名アーティストがどんな風にPainterを使って絵を描いていくのか。その製作過程をダイジェストでお届けしよう。
ペン入れ開始。寺田氏はあまり高度な機能は使わず、「ブラシはチョークと透明水彩の2種類のみ」とのこと
ヒゲを描いて……
あごを書く。「レイヤーやエフェクトはほとんど使っていない俺なんか、新製品発表会に呼んでよかったのか(笑)」とのジョークに会場が笑う
アゴを立体的にして
髪の毛を描く
しわを入れて……
下絵が完成。「僕にとってPainterは画材のひとつ。(いろいろなブラシがあるけど)やっぱりPainterというタッチで、アナログで描くのとはちょっと違う。それを自分で見つけて描いていく」(寺田氏)
カラーパレットから塗る色を取ってカンバスに3つ置き、ベースから塗り始める
顔全体を塗り終えたところ
その上から中間色を塗り重ねる
さらにハイライトを入れる
時にはカンバスを回転して描くことも。「Painterは回転して描けるのがいい。絵描きにとっては必要な機能です」(寺田氏)
顔を塗り終えたところ
ここから深緑でヒゲを着色する
眉毛と目にも着色して完成だ。「Painterはソフトの使い方を覚えるまではアナログの2、3倍製作時間がかかっていたが、最終的には3、4倍の速度で仕事が終わるようになった」(寺田氏)
ちなみに寺田氏がPainter 11でお気に入りなのは、カラーパレットを拡大できるようになったこと。従来、カラーパレットのサイズは固定だったが、解像度の高い画面で作業していると小さくて色を選びにくかった。拡大表示することで、狙いの色を選びやすくなる。寺田氏はデュアルディスプレーにして、サブ画面にパレット類を表示しているそうだ。
標準だとコンパクトなカラーパレットだが……
独立させて拡大できる