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電脳コイル・磯監督とセカイカメラ・井口代表が語る、新しい現実

2009年04月24日 16時00分更新

文● 編集部

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「何かあるとMacBookで電脳コイルがブートするんです」

「面白いか実現可能か」なら、断然面白い方を取る

井口尊仁(以下「井」) 初めに言うと、本当に「電脳コイル」が好きなんですよ。ぼくのMacBookには電脳コイルのDVD第1巻がなぜか刺さりっぱなしで抜けなくなってしまって、何かあると起動するんですが、そのたびに見てしまいます。

 逆に、開発当初は見ると絶対に影響を受けるから観ないようにしようと心がけていたくらいなんですよね。

 ただ、実は正直に言うと、最初見たときはよくわからなかったんですよ。この映像は電脳メガネを通したものなのか、そのままなのか。

「面白いか、実現可能かを天秤にかけたら、断然面白い方を取ります」

磯光雄(以下「磯」) やはりそれは気にされる方が多いんですが、あまり深く答えるつもりはないんです。同じように「フィクションという視点そのものをいじる」というメタフィクション的な手法が一時期流行していたこともありましたが、そうではなく「普通に面白い物語を作りたい」という意識がありました。

 もちろん「位置情報はどうする」「データが重なったらどうなる」という技術的な問題は、企画段階でかなり悩みながら作っていました。ただ「面白いか」と「実現可能か」を天秤にかけたら、断然「面白い」方を取っていたんです。

 今はまだ実現していない技術を描いているので、うまく動かない方が「面白い」ことになったりするんですよね。

 ちょっと今日の対談はヤバいですね、1日や2日じゃ済まないですよ。(笑)

 セカイカメラも同じで、ギークなユーザーだけが面白がって終わってしまうようなものにはしたくなかったんですよね。自分の奥さんや、現在11才の息子にも面白がってもらえるようなものを作らなければいけない、という意識があったんです。

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