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フルHD動画撮影機能だけじゃない!

エントリーデジイチ頂点の実力「EOS Kiss X3」

2009年04月08日 16時30分更新

文● 周防克弥

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動画撮影時はAFとズームがネックに

インターフェイスにHDMI端子が加わった。ハイビジョンテレビにつなげて気軽に動画再生を楽しむことも可能

インターフェイスにHDMI端子が加わった。ハイビジョンテレビにつなげて気軽に動画再生を楽しむことも可能

 動画の撮影仕様よりもネックになりそうなのは、AFの追従スピードだ。AFの動作はX2に比べて改善されているが、それでも何度もピントがいったりきたりする。定点で動きの少ないものならいいが、少しでも前後に動くとピントを探しにいってしばらく帰ってこなくなることが多い。

 ちゃんと使おうと思うならHDMIの出力端子を備えているので外部モニターに出力して、マニュアルでピントを合わせるほうがいいだろう。

 手動でズーム操作をしなければならない点もネックと感じた。かなり慎重かつ、スムーズに動かさないとカクカクした感じで動いてしまう。

 高画質を生かして本格的に動画を撮ろうと思うとかなり難易度が高い。高画質な分、使い所が難しく、ビデオカメラとは異なる性格だ。しかし、ちょっとした動きを記録用に撮るなどの割り切りがあれば、十分に楽しめるだろう。


見た目の変化は少なく買い換えても違和感なし。

前面の比較

X2(右)と比べてX3(左)は、グリップ部分のゴムの面積が多くなった。ボディ側へ爪の削りかすがつきにくいだろう。モードダイアルの周囲がプラスチックの段だけだったのがゴムがついて回しやすい

 X2からの変更点は動画機能の他にも多々ある。大きくは画素数の増加だ。EOS 50Dと同じ約1510万画素になり、記録モードでLサイズを選ぶと約1510万画素、Mサイズで約800万画素、Sサイズで約370万画素になる。

モードダイアル以外はほとんど同じ

X3(左)では、モードダイアルの色が変わり、縁取りがダイアカットになってアクセントになっている。モードダイアル以外はほとんど同じで、表面の処理が少し粗くなり同社の上位モデルに近い印象を持つようになったが爪の削りカスがつきやすそうだ

 見た目的な変更点は、モードダイアルの上面の色が黒からシルバーへ変更になったほか、グリップ部のゴムの面積が広がったなど。また、X2ではホワイトバランス設定だった背面のボタンが、X3ではライブビュー兼動画撮影開始のボタンとなった。

ボタンの配置はほぼ同じ。動画とライブビュー用に機能が入れ替わっただけ。液晶の反射率が収まり見やすさがあがった

X2(右)とX3(左)でボタンの配置はほぼ同じ。動画とライブビュー用に機能が入れ替わっただけだ。液晶の反射率が収まり、見やすさがアップしている

 ホワイトバランス設定は十字ボタンの上キーに変更。従来のX2で上キーに割り当てられていた「測光モード変更」は設定メニューから選択することになる。測光モードはそうそう変えないとの判断だろう。

 それ以外のボタンは変更がないので、X2から持ち替えてもそれほど違和感は感じない。

 上面に情報表示用の液晶ディスプレーを備えないKissでは、背面液晶にカメラの設定状態を表示するが、X3から背面液晶モニターに表示される項目を選んで、直接パラメータを変更する「クイック設定」機能が追加された。

 これはEOS 5D Mark IIと同じ機能で、上面や背面などあちこちに配置されている各設定ボタンを探さないでも素早く機能を呼び出せて便利。上面を見ないでも様々な設定が変更できる。

顔検出は動画撮影時(左)と静止画時のライブビュー(右)で使用可能。認識率は高いが、両方ともAFの動作がワンショットになるので、被写体が移動した場合には再度AFボタンを押さなければいけない

 なお、ライブビュー時には顔認識機能が利用できる。コントラスト検出方式のAFが動作するので顔の認識率は高い。

「クリエイティブ全自動モード」

そのほか、写真用語が分からない人向けにイメージしやすい語句で説明する「クリエイティブ全自動モード」が新たに加わった。機能を学ぶのにも適している

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