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ちょっと賢いWiMAXの使い方 (後編)

2009年04月10日 18時30分更新

文● 乙野隆彦

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既存のデータ通信サービスとの併用は?

 別の選択肢となると既存のデータ通信サービスと併用することになる。データ通信サービスについては通信キャリア各社が様々なものを提供しているが、例えばNTTドコモのFOMAは人口カバー率100%、イー・モバイルも人口カバー率は8割以上などとなっており、出張先が全国の市町村の役所・役場付近であれば、まず利用できると考えてよさそうだ。通信速度も高速データ通信に対応しており、ダウンロード最速7.2Mbpsまたは3.6Mbpsで利用が可能だ。つまり大都市圏ではより高速なUQ WiMAXを使い、地方出張の際にはFOMAやイー・モバイルのサービスを使う、という方法だ。

イー・モバイルの端末(D21HW)

VAIO type Pとイー・モバイルの端末(D21HW)

 この場合は、定額サービスで月額の最低額が低いサービスに入っておくのが安心。例えばイー・モバイルとFOMAなら、月額基本使用料の最低額が1000円(ベーシック/年とく割加入/スーパーライトデータプラン)という前者のほうがお得だろう。これならイー・モバイルとUQ WiMAXの合計で月額料金の安い月は5480円、多く使った月でも9460円という金額で、速度とエリアの点でうまく組み合わせたデータ通信サービスを利用できる。年間ではどのくらい差が出るかグラフにまとめてみたので参考にしていただければと思う。

FOMAとイー・モバイル、そしてUQ WiMAXを組み合わせた場合の年間通信コスト

FOMAとイー・モバイル、そしてUQ WiMAXを組み合わせた場合の年間通信コスト。FOMAは「ベーシックコース・定額データプランHIGH-SPEED(定額データ割適用後)」の月額料金を、イー・モバイルは「ベーシック/年とく割加入/スーパーライトデータプラン」の月額料金を、UQ WiMAXは「UQ Flat」の月額料金をそれぞれ一年分積算したものだ。また、グラフの青色は月額料金が二段階定額の下限で、赤色は二段階定額の上限で一年間積算したものだ。

 なお、UQ WiMAXは2013年春までに人口カバー率90%台を実現することを目標にしている。現状ではFOMAやイー・モバイルを使わないとネット接続ができないエリアでも、その頃にはUQ WiMAXのサービスエリアに入っている可能性もある。FOMAやイー・モバイルを2年契約で加入した場合は、契約解除料のことも考慮に入れながら契約更新を行なうか判断すると良いだろう。

 出張頻度が低くデータ通信はほとんど使わないスタイルにする、という場合は、従量制サービスに入るのもいい。NTTドコモでは、パソコンのデータ通信で送受信バイト数や利用金額の目安をチェックして設定金額でアラームを表示する「FOMAバイトカウンタ」というソフトを提供しており、従量制で料金が高額になる危険を避けることもできる。あらかじめ月額通信費の予算を決めておき、オーバーしないように注意して利用する、という感じだ。

 あるいはまた、日本通信bモバイルのDoccicaなどでプリペイド通信の環境を持っておくというのも一つの考え方だ。ただしこちらは、購入した利用時間の使用期限があるので、あまり放置しておくとチャージした利用時間が無駄になってしまうので要注意だ。

Doccica

DoccicaはFOMAネットワークを利用しているので、人口カバー率100%での3Gデータ通信が可能だ

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