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5年ぶりに登場のプロ向けペンタブレット Intuos4

2009年03月26日 10時00分更新

文● 水玉螢之丞(文とイラスト)、小西利明/トレンド編集部

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イラストレーター 水玉螢之丞氏によるレビュー

 「筆圧感知の幅が格段に向上」ていうIntuos4。触ってみたらほんとにすごかったす。特に、筆圧をほとんどかけてないときの感知精度がすばらしい。Gペンぽいブラシ(Painterだったらスクラッチボードとか)で描いてみると、線のいわゆる「入り」と「抜き」がスムースでびっくり。オレはもともとペンできれいな線が引けなくて、紙に描いてた時代もロットリング使ってたから、いわば生まれて初めてこんな「ちゃんと端っこが細くなってる線」が描けた気分(笑)。うれしい。

 もともとペンで描いてた漫画家さんとかは、オレなんかよりもデジタル画材の「線表現」には厳しいはずだけど、これならタブレット自体+ブラシのカスタマイズとかで微調整すれば、ペンで紙に描くときとほぼ同じ線が引けるんじゃないでしょうか。

 ただ、そうすると今度は、物理的な「描くときの感触」が気になってきますよな。人間ってヨクバリ。感知精度が良すぎて、てことなのかしら。最初に使ってみたときは、ストロークがなんていうか、若干ぬるっとした印象。スムースすぎるの。物理的にざらざらした替え芯もあるんだけど、これは硬めの鉛筆っぽい感じで、紙にペンとかの金属デバイスで描くときの感触とは、やっぱり微妙に違います。いしかわじゅんさんはタブレットの上に紙置いて使ったりしてるそうですが、各自「描いてて心地良い感触」を実現するためには、そういうアナログな工夫が必要になってくるかもしれません。

 とくに、丸ペンの細かい斜線みたいな、硬い細い線をたくさん引いたりするときは、「カリカリ感」がウスくて、なんだかビミョー。筆とかペンとか「柔らかいタッチ」の再現がすばらしい代わりに、硬い線が引きにくくなったかんじです。カリカリした線のためのブラシのカスタマイズも、各自研究するしかなさそう。それもまた楽しいけどね。

 実際の使用とは全然関係ないけど、ペンホルダーが替え芯入れを兼ねるようになったのは画期的。買い置きがあったはずなのに見つからなくて、「ええいスパゲティでどうよ」とか無謀なチャレンジを試みる必要は、「もう!ありません」(通販口調で)。なんて。

Intuos4による作例

Intuos4による作例

 タブレットの左っかわ(右利き仕様で使う場合)にあるタッチホイールで、作業中の画像表示の拡大/縮小ができるのもベンリ。Painterでの拡大/縮小のキーボードショートカットはCtrlキーと+、-だから、ペン持ってる右手を使わなきゃならなかったんですのよ。オレだけ?

 さらに、いわゆる「手のひらツール」、アナログで言えば紙を動かせる(紙を回転させるのはまた別)ツール。あれがいちばん下のファンクションキー(これも右利き使用時)にプリセットで割り当てられてます。ほかのブラシを使ってても、そのキーを押してる間だけは手のひらツールになるから、うんと拡大して描いてるときとか、描いてたカーソル位置からそのまま、ずりずりっと表示部分を動かせる。

 ペイントツールを使ってる右利きの人は、左手小指はCtrlに乗せてんのがデフォルトだと思いますが、Intuos4には「手のひらツール」キーのすぐ上のキーにShiftやCtrlとかが割り当てられてるから、使い慣れればショートカット全般がタブレットでできるはず。オレはカラダにしみついちゃってる動作を変えるのがちょっと面倒で、ベンリになったもんだわねー、と思いながら、実際には使うの忘れたりしてますが。

 とりあえず、デジタル入稿のまんが家さんには、激しくおすすめしたいです。

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