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スピーシーズ、『MI・RAI-RT Software Developer's Studio』を発表

インターネットロボット『MI・RAI-RT』向け開発環境を提供

2007年02月15日 23時13分更新

文● 編集部

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スピーシーズ(株)は15日、同社のインターネットロボット『MI・RAI-RT(ミライ アールティー)』用のコンテンツやアプリケーションを開発するためのソフトウェア開発環境『MI・RAI-RT Software Developer's Studio』を発表した。併せて、『MI・RAI-RT』のアプリケーション開発者などが情報交換を行なうためのコミュニティー“MI・RAI-RT Internet Robot Forum”を同日付けで設立したと発表した。同日、発表会が開催された。

『MI・RAI-RT』は、無線LAN(IEEE 802.11g準拠)経由でインターネットに接続可能な二足歩行型ロボット。LEDやスピーカー、身体の動き(サーボ動作)などのデータをダウンロードし、さまざまな動作を行なえるのが特徴。複数の動きを組み合わせることも可能。

『MI・RAI-RT Software Developer's Studio』により、ユーザーが既存のモーションをダウンロードするだけでなく、モーションそのものを作成できるようになった。『MI・RAI-RT Software Developer's Studio』の内容は大きくコンテンツ作成ツール、ネットワークインターフェース、NetBSDプログラミングに分けられており、その内容は以下のとおり。『モーションエディタ』と『PCプレーヤ』については、ソースコードの公開も行なうとしている(ソースコードの公開は“MI・RAI-RT Internet Robot Forum”の会員のみを対象とする)。

『MI・RAI-RT Software Developer's Studio』の内容

コンテンツ作成ツール

3Dメッセージクリエイタ
専用サーバーにある音声合成機能と3種類のテンプレートを組み合わせることで、『MI・RAI-RT』用のコンテンツが作成できる。既に提供が開始されており、無償で利用できる(サポートは有償)。1年間ぶんのサーバー使用料が含まれている。対応OSはWindows XP。同社ではWindows 2000/Me/98でも利用可能としているが、サポート対象外となる。
モーションエディタ
『MI・RAI-RT』のモーションやLEDパターンが作成できる。既に提供が開始されており、無償で利用できる(サポートは有償)。モーションサンプル30種類が付属する。対応OSは『3Dメッセージクリエイタ』と同じ。100種類のモーションサンプルが入った『モーションエディタ用ライブラリ』も併せて販売する。『モーションエディタ用ライブラリ』の価格は21万円。
PCプレーヤ
『モーションエディタ』で作成したモーションとサウンドを組み合わせ、『MI・RAI-RT』に再現させることができる。最大3台のロボットを同期させて動作させられる。対応OSは『3Dメッセージクリエイタ』と同じ。既に発売されており、価格は10万5000円。

ネットワークインターフェース

LANモデルライセンス
LANネットワーク上のクライアントから『MI・RAI-RT』のサーボ動作/LED表示/サウンド再生を制御できる。BSD socketインターフェース仕様書とパスワード利用ライセンスが含まれる。サポートは3回まで(6ヵ月間有効)。既に発売されており、価格は法人向け価格が21万円、個人向け価格が10万5000円。課金使用の場合、別途ビジネスライセンスが必要。
インターネットモデルライセンス
インターネット上のSOAPサーバーから『MI・RAI-RT』のサーボ動作/LED表示/サウンド再生を制御できる。SOAPサーバーインターフェース仕様書とパスワード利用ライセンスが含まれる。サポートは3回まで(6ヵ月間有効)。3月発売予定で、価格は法人向け価格が31万5000円、個人向け価格が12万6000円。課金使用の場合、別途ビジネスライセンスが必要。

NetBSDプログラミング

RPU-50アプリケーション開発ライセンス
『MI・RAI-RT』にも搭載されているCPUユニット『RPU-50』を利用してNetBSDのアプリケーションを開発するためのNetBSDルートアカウントの利用ライセンス。サポートは別途有償となる。4月発売予定で、価格は10万5000円。
ロボットプログラミングモデル(SDK)
『MI・RAI-RT』のコントロールシステムと同等のアプリケーションを作成できるSDK。4月発売予定で、価格は73万5000円。サポートは5回まで(6ヵ月間有効)。オプションとしてNetBSDをプレインストールしたパソコン“RPU-50アプリケーション開発用PC”を販売する。価格は31万5000円。

『RPU-50』は双葉電子工業(株)製のCPUユニット。CPUにSH3-133MHzを搭載し、64MBのメモリーと64MBのフラッシュROMを搭載する。インターフェースはminiSDカードスロット、シリアル、RS-485、オーディオ出力、USBなどを装備する。

“MI・RAI-RT Internet Robot Forum”は、『MI・RAI-RT』のサポートや情報提供のほか、会員の間で情報交換を行なうためのコミュニティー。有償の“開発会員”と無償の“ダウンロード会員”の2種類がある。“ダウンロード会員”は無償ソフトウェア/コンテンツのダウンロードのみが可能で、サポートも対象外となる。“開発会員”はコンテンツのダウンロードが行なえるほか、サポートの対象となり、各種情報の開示が行なわれるという。なお個別の有償サポートについては現在検討中としている。

スピーシーズ 代表取締役の春日知昭氏
スピーシーズ 代表取締役の春日知昭氏

スピーシーズ 代表取締役の春日知昭(かすが ともあき)氏は、「私たちは『MI・RAI-RT』で何万台、何十万台規模の新しいロボット市場を開拓したいと考えている。それを実現するためにはロボット技術とパソコンなどのIT技術の融合が大事だと考えており、そのために量産ベースで『MI・RAI-RT』を提供するとともに、各種ソフトウェアの開発環境を提供する」と、『MI・RAI-RT Software Developer's Studio』発表の背景を語った。

発表会には『MI・RAI-RT』向けのコンテンツやアプリケーションを開発している企業や大学も参加し、展示を行なった。その内容を写真で紹介する。

(株)セックはコンテンツを提供するサーバー側のプラットフォーム“RT-next”の紹介を行なった (株)ACCESSは、『MI・RAI-RT』のDLNA端末としての利用を目指して開発を行なっている
(株)セックはコンテンツを提供するサーバー側のプラットフォーム“RT-next”の紹介を行なった(株)ACCESSは、『MI・RAI-RT』のDLNA端末としての利用を目指して開発を行なっている
ペンタックス(株)は、『MI・RAI-RT』で利用されるネットワーク対応型音声合成システムのデモを行なった 立命館大学はパソコンにインストールされたJavaパッケージを通じて『MI・RAI-RT』を制御するデモを行なった (株)シークスが行なった『MI・RAI-RT』にライブをさせるデモ
ペンタックス(株)は、『MI・RAI-RT』で利用されるネットワーク対応型音声合成システムのデモを行なった立命館大学はパソコンにインストールされたJavaパッケージを通じて『MI・RAI-RT』を制御するデモを行なった(株)シークスが行なった『MI・RAI-RT』にライブをさせるデモ

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