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パソコン用ワンセグチューナー12製品そろい踏み

パソコン用ワンセグチューナー12製品そろい踏み

2007年01月23日 23時20分更新

文● 宇野 貴教

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パソコン用ワンセグチューナー12製品そろい踏み

パソコン用ワンセグチューナーは、2006年秋にロジテックから初めての市販製品が登場し(その前から日本電気(NEC)や富士通のノートパソコンのセット製品では、ピクセラが開発・OEM提供していた)、以来次々に周辺機器メーカーが販売を始めた。
当初はどこに行っても売り切れで製品が入手ないほどで、まさに奪い合いという人気ぶりだった。年を明けた現在もこのワンセグチューナーブームは続いているが、パソコン周辺機器メーカー以外を含むかなり多くのメーカーが製品をリリースしたこともあり、店頭での入手は容易になってきた。今回はそんなパソコン用ワンセグチューナーをズラリと紹介していこう。

初めにワンセグの仕様をきちんと理解しよう!

ワンセグチューナーの画面
ワンセグチューナーの画質は、VHSテープに3倍録画で記録した程度と考えれば、さほど“期待はずれ”を感じることはないだろう。画面はTVにアナログビデオ接続できるジーフォースのワンセグチューナー「G-WWT-1201B」を使って管面撮影したもの。大きな字幕などは十分読めるが、小さな文字はつぶれてしまって読めないことが多い。番組によっては字幕放送があるため、音を消して仕事や勉強の合間にながら見するには便利なメディアだ。

 日本の地上デジタル放送は、1チャンネル分の帯域を13のセグメント(区切り)に分けて扱っている。この中から携帯電話機やカーナビなどの移動体端末向け放送に中央の1セグメントが割り当てられており、この1セグメント放送が“ワンセグ”と略され、現在では正式な愛称として使われるようになった。ちなみに高画質が売りのハイビジョン放送(HD放送)は12セグメント、通常のTV放送(SD放送)は4セグメントが割り当てられている。

 ワンセグの仕様は、映像部分が圧縮規格“H.264/MPEG-4 AVC Baseline Profile”を採用し、最大解像度は320×240ドット(4:3)もしくは320×180ドット(16:9)、ビットレートは128kbps、フレームレートは15fps(毎秒15フレーム)、というもの。音声規格は“MPEG-2 AAC”で、ビットレートは64kbpsとなっている。これ以外にEPG(電子番組表)データ放送といったメタデータの送信用に約60kbpsが割り当てられており、これがアナログ放送にはないワンセグならではの特徴となっている。

 ワンセグのTV画面を視聴してみると、ビットレートやフレームレートが低いため、アナログ放送と比べて画質は決して「いい」とは言えず、特に動きが激しいサッカーなどのスポーツ中継などではカクつきを感じやすい。また、建物の陰やトンネル/地下に移動するなどして急激に受信電波が弱まるとビットレートの低下により派手なブロックノイズが発生する。

 実際、今回のレビューのためにノートパソコンに各社のワンセグチューナーを接続してみたが、いずれの場合でも拡大表示で視聴に耐えるのは2倍が限界で、全画面表示での視聴は厳しく、単に見るだけなら「従来のアナログ放送のほうが画質は上」というのが率直な感想だ。

 地デジが“ハイビジョン放送”という高画質をウリにしているのに対して、画質面でのメリットに乏しいワンセグが現在これほど受けている理由は、アンテナ込みのチューナーのサイズがUSBメモリ程度と小型で使い勝手がよく、ノートパソコンとともにモバイル(携帯・移動)しながら見るのに適しているためだ。従来のアナログ放送では家庭のアンテナ信号線をパソコンに接続するか、大がかりな室内アンテナを組み合わせないと満足な画質が得られなかったのに対して、ワンセグなら小さなアンテナを伸ばすだけで“それなりの画像”が安定して得られる

 画面の隅に常に表示させておいて“ながら見”するには持ってこいであり、手軽にTV番組を楽しめるデバイスというわけである。なお、ワンセグも携帯電話機と同様に周囲の状況で電波の受信品質は大きく変化する。ビルの谷間や周りが壁に囲まれた部屋(地下室)などで、頻繁に電波が途切れる状況だと、先にも述べたように映像と音声の品質が大きく低下してしまうので注意が必要だ。

 2006年12月には日本全国の都道府県庁所在地でワンセグの放送が始まったということだが、視聴場所の環境によっては最悪の場合まったく映らないことも考えられる。もし可能であれば、友人などからワンセグチューナーを借りて、自室など主に使いたい場所の電波状況を確認しておくほうがいい。

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