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SoftBank X01HT

SoftBank X01HT

2007年01月15日 21時43分更新

文● ヤシマノブユキ

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ジッとしてれば最大10時間駆動
ただし通話品質にはやや難あり?

 前述のように“つなぎっぱなし”にするとバッテリー切れが心配だが、X01HTは予想以上にタフだ。

 3Gでつなぎっぱなしにし、1時間に1回、Skypeで1分間通話してみたところ、屋外を移動した場合で約8時間、屋内でジッとしているときでも約10 時間駆動した(各種設定はデフォルト)。ちょっとした外出や移動時などにSkypeを常時オンラインにしておく程度なら充分な待ち受け時間といえるだろう。

 今回はソフトバンクモバイルのW-CDMAエリアと、より高速なHSDPA対応エリア(東京千代田区の日比谷公園周辺で計測。実効速度は900kbps 程度)の両方で、auのケータイ(2G)に発信してみた。いずれの場合もSkype側では相手の声がクリアに聴こえたのだが、相手側にはこちらの語尾の 2~3語が反響して聞こえ、発言内容を一発で正しく聞き取るのは難しかったそうだ。

 歩きながらしゃべっても音声が途絶えることはないが、どちらのエリアでも相手の声がワンテンポ遅れて聴こえるのは同じ。W-CDMAとHSDPAの差は、せいぜい「言われてみれば少し良くなった」程度にとどまり、明らかな体感上の違いが見られなかったのが残念だ。

 HSDPAの実効速度が常に1Mbpsを超えるような“ユートピア(理想的な環境)”を除いては、“帰るコール”程度のシンプルな会話が精一杯と割り切った方がいいだろう。

意外な盲点だった“スピーカー問題”

前面スピーカー 背面スピーカー
3Gの通話音声は前面スピーカー(左)で聞けるが、Skypeの音声は背面のスピーカー(右、銀のボタンの左下のスリット)からしか聞けない。
底面マイクロフォン
マイクロフォンは底面の真ん中にあるため、背面スピーカーを耳に当てる形でも通話は可能。

 X01HTには、前面と背面にそれぞれスピーカーがある。ケータイとして使う場合、前面のスピーカーに耳を当てる形で通話するのが自然である。しかし Skypeで通話する場合、相手の音声は背面スピーカーからしか出すことができないのは、使ってみて気がついた意外な落とし穴だった。オンラインソフトやウラ技を駆使し、アレコレ試行錯誤したが、結局手元のX01HTでは前面スピーカーからしか音を出すことはできなかった。

 ならばと、Bluetoothヘッドセット(モトローラ(株)の「H500」)で試してみたが、これも撃沈。H500そのものはX01HTとペアリングできたし、対応プロファイルもX01HTで確認でき、ケータイのヘッドセットとしては問題なく通話できたのだが、なぜかSkypeで通話に使うことはできなかった。

 仕方がないので、筆者の場合は背面スピーカーを耳に当てるというトホホな使用法でカバーすることにした。相手の声が周囲にもれ聴こえるのはマズイとか、画面で資料を確認しながら通話したいというのであれば、付属の有線ステレオイヤホンマイクを使うのが王道、というか、今のところ現実的な解決策はやはりそれしかないようだ。

それでも現時点でピカイチのスカ電

 本気でSkypeを使うのであれば、ソニー(株)の“mylo(マイロ)”があり、Skype端末としての使い勝手はこちらのほうが断然イイ。ただ、myloの場合は無線LAN環境がないとSkypeが使えず、国内の現状においてはいささか現実的ではないようにも思える。

 また、Windows Mobile版Skypeは(株)ウィルコムのスマートフォン“W-ZERO3[es]”でも動作するが、Skype端末としての使い勝手はあまりよろしくない。というのも、パケットデータ通信中の着信を受けるか受けないか、W-ZERO3[es]の設定をどちらにするにしても結局、Skypeと通常の電話を両方同時に待ち受けすることはできないからだ。ではNTTドコモのhTc Zはというと,そもそもパケット定額の対象外だし、通信速度すなわち通話品質にも不安が残る。

 X01HTとて、前述のように実用上の問題点がまったくないワケではない。が、3G回線を併用できるので無線LAN環境がない場所でも柔軟に運用できるし、バッテリーの持ちや料金面など、総合的に見て、今もっとも理想に近いスカ電と呼べそうな気がしている。

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