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【2007年年頭挨拶ニュースリリース】ヤフー(株)代表取締役社長 井上雅博氏

2007年01月05日 16時59分更新

文● 編集部

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2007年年頭にあたって(従業員向けのメッセージ)

Yahoo! JAPANで仕事をしている全てのみなさん。

今年、私たちのインターネットサービスは11年目を迎えます。とはいえ、「インターネットはまだ始まったばかり。まだ何が起こるかわからない。やるべきこともやりたいことも山盛り」というのが、年頭にあたってみなさんに一番言いたいことです。

去年は、ネット業界とインターネットについての話題が目立ちました。ネット企業が他の業界の企業を買収しようとしたり、一部の企業の行動がコンプライアンス面での指摘を受けたりという話題がさかんでした。また、「web 2.0」という言葉の流行に代表されるように、CGM系のサービスなどに注目が集まりました。言い換えれば、「ネット企業の行動と姿勢」と「インターネットサービスの使われ方」に世間の関心が集まった1年でした。

インターネットサービスの使われ方を巡って、今、私たちは2つの大きな変化の中にいます。

1つは利用環境のことで、いわゆる「Yahoo! Everywhere構想」です。人々がインターネットを使うときの主な道具と手段は、10年前にはPCでナローバンド、5年前からはPCでブロードバンド、と移り変わってきました。今まさに携帯電話からのインターネットサービスの利用が増えています。また、これからデジタルホームの取組みが進むと、テレビなどの家電製品を使ったインターネットサービスの利用も増えると思われます。ここで、私たちにとって大事なのは、「道具と手段は限定しない」ということです。私たちはインターネットサービスの提供者です。サービスを提供する相手は、PCでも携帯電話でも家電でもなく、それらを使ってインターネットにアクセスする利用者(お客様)です。お客様はTPOにあわせ、最適な道具を使ってインターネットを利用します。それぞれの環境で、なるべく多くの人になるべく頻繁にYahoo! JAPANのサービスを使っていただけるよう、便利で楽しいサービス作りに取り組みましょう。

もう1つは利用の仕方、当社が目指している「ソーシャルメディア」です。インターネットサービスを使う人が、情報を受け取るだけではなく情報発信もして、それが他の人にも使われる、というのが「web 2.0」という流行語で言われたことの中で大事な部分です。SNSや動画投稿のような、ソーシャルネットならではのサービスも重要ですが、私たちはYahoo! JAPANの100以上あるサービスの全部にCGM的な要素を加えたいと思っています。これまですべてナンバー1を目指して作り上げてきたヘッドコンテンツにテールコンテンツが加わることで、他社には追随することのできない最高・最大のソーシャルメディアを作り上げることができます。ただし、CGMはそのままでは昔のロボット検索での検索結果と同様、使い物にならない質の低いコンテンツになりかねません。YST(Yahoo! Search Technology)が実装したような新しい並べ替えの仕組みがCGMにも必要です。あいうえお順とか、新しい順とかではなく、利用者が本当に便利に使えるような並べ方を各サービスで考案してください。

企業としての今年を考えると、いよいよ内部統制が重視されるようになります。当社も一公開企業として、信頼され続ける会社を目指さなくてはなりません。間違いの起こらない仕組み、間違いを発見できる仕組みを全ての業務プロセスの中に組み込んでいかなくてはなりません。今まで作り上げてきて馴染んでいる仕組みを再構築していくことには労力が必要ですが、これが今企業が社会から求められていることです。これも「質」のひとつです。より高いところを目指していきましょう。

インターネットサービスは、ますます「あたりまえ」の存在になってきています。あってあたりまえ、動いていてあたりまえです。Yahoo! JAPANのサービスや、企業としてのYahoo! JAPANを「あたりまえ」の存在に近づけていきたいと思います。事故は減らさなくてはならないし、コンプライアンスも情報セキュリティも内部統制も、信頼される企業としては「あたりまえ」です。きちんと体制整備して「守り」を固めながら、手広く果敢に「攻め」を続けましょう。

「インターネットはまだ始まったばかり。まだ何が起こるかわからない。やる
べきこともやりたいことも山盛り」です。今年もがんばりましょう。

(用字用語は原文のまま)

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