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gigabeat V30E

gigabeat V30E

2006年12月18日 00時00分更新

文● 伊藤 裕也

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gigabeat V30E

東芝

オープンプライス(実売価格:5万円前後)

東芝はポータブルAVプレーヤーブランド“gigabeat”の中で、モバイル機器向けの地上デジタルTV放送“ワンセグ”の視聴・録画に対応する“gigabeat V”シリーズを今夏から展開している。そのgigabeat Vシリーズの初弾として登場した「gigabeat V30T」は、3.5インチの大型液晶パネルとワンセグチューナーを、薄くコンパクトなボディーに詰め込んだモデルだ。TVをカジュアルに楽しむポータブルTVとしては魅力的な構成だったものの、録画予約機能は貧弱で「gigabeatに直接TV番組をどんどん録画して、その番組を移動中に楽しむ」といったポータブルHDDレコーダー&プレーヤーのような使い方は難しかった。同社のHDD&DVDレコーダーのような“充実した録画機能”を期待していた人には、不満もあったのではなかろうか。

東芝のワンセグ端末「gigabeat V30T」
東芝のワンセグ端末「gigabeat V30T」。

 そうした中、“gigabeat V”シリーズの新モデルとして「gigabeat V30E」「同 V60E」が11月にリリースされた(関連記事1)。V30Eは30GBのHDDを搭載するエントリーモデルで、V30Tの直系後継モデルに該当する。一方V60Eは60GB HDDを搭載し、上位モデルという位置づけである。

gigabeat V30Eのパステルピンクとネイビーブルー
東芝などのオンラインストア限定モデル「gigabeat V30E」のパステルピンク(上)とネイビーブルー(下)。

 この新モデルでは60GBのHDDを搭載する上位版の登場とともに、V30Eには“ピュアホワイト”“マットブラック”“クリムゾンレッド”“パステルピンク”“ネイビーブルー”の5色(このうちピンクとネイビーブルーは、東芝が運営するオンラインストア“Shop 1048(ショップとうしば)”や特定オンラインストアで販売される“ウェブ限定カラー”)(関連記事2)。V60Eには“ピュアホワイト”“マットブラック”の2色と、豊富なカラーバリエーションが用意され、同社としてもかなり注力していることがわかる。

 今回登場した新モデルで最大のポイントは、なんといっても“ワンセグサポートの大幅な強化”である。これによりTV番組の視聴はもちろん、V30Tで課題と思われた各種録画も快適に行なえるという。ここでは30GBのHDDを搭載する下位モデルのgigabeat V30Eについて、ワンセグの視聴・録画機能を中心にお伝えしよう。



ワンセグに素早くアクセスできるワンセグボタンを新搭載!
TV番組の視聴がより快適に

前面
ボディーは3.5インチと大型の液晶パネルをメインに、その横にさまざまな操作を行なうためのコントローラを集中配置する構成。今回新たに追加された“ワンセグ”ボタンはほかのボタンと異なるカラーで目立つようになっている。

 V30Eのボディーは従来モデルのV30Tと同じデザインを採用しており、サイズや重量などのスペックはV30Tと同一の124(W)×22.5(最薄部19.5)(D)×75(H)mm/約230gとなっている。ポータブルプレーヤーとして考えるとやや重いが、スリムなデザインなので上着のポケットやバッグに入れて気軽に携帯可能だ。普段の持ち歩きで気になることはまずないだろう。液晶ディスプレーは3.5インチの大型液晶パネル。表示解像度は320×240ドットで、ワンセグを含む映像や画像の表示にも十分に対応できる構成となっている。



付属品
ACアダプターにヘッドホン、USBケーブルとgigabeatを使用するうえで最低限欲しい標準で付属する。ACアダプターが小型で扱いやすい点はうれしい。

 ユーザーインターフェースはV30T同様、液晶ディスプレーの横に操作ボタンなどを集中配置するスタイル。そのインターフェースには、今回から新たに“ワンセグ”ボタンが追加された。ワンセグボタンは、

  1. ワンセグ視聴機能へのクイックアクセス
  2. ワンセグ視聴時のクイックメニュー表示

――という2つの機能が割り当てられている。

上面と底面
ボディー上面には電源スイッチをはじめ、再生・停止、スキップといったボタンが配置されている。曲を聴く際に便利だ。ボディー下面にはリセットボタンとバッテリーの使用に関するスイッチが設けられている。指で触れてもボタンが押し込まれることのないよう工夫されているため、誤操作の心配はないだろう。

 具体的には、画像のスライドショーや曲を聴いている状態でワンセグボタンを押せばワンアクションでワンセグの視聴を開始でき、ワンセグ視聴中に押せばクイックメニューの表示を行なえる。このボタンの機能で特に注目したいのは前者の機能だ。というのも、従来モデルではほかの機能からワンセグ視聴に切り替えようとすると、メニューをさかのぼってトップメニューに戻り、そこからワンセグサービスを指定する必要があった。この手間はわずかなようだが、日常的によく行なう操作だけに面倒を感じる部分であった。今回の新モデルではそれがワンセグボタンによりワンアクションで切り替えられるようになったのである。「ワンセグはギガビート(gigabeat)」をCMなどで謳うV30Eにとって、このボタンの搭載は大変大きな意味がある。

 ワンセグ視聴についてはV30Tでも十分な機能が提供されていたが、今回の新モデルではさらに

  • 映像の一時停止
  • 映像の拡大表示
  • 5段階の明るさ調整

がサポートされた。“映像の一時停止”は、視聴している番組のあるシーンを静止状態で維持できる機能。ニュースや株価情報、料理番組などの視聴時にメモを取りたいような状況で役立つ。一時停止と聞くとタイムシフト視聴(一時停止したところからブランクを開けずに続けて遅延再生や巻き戻し再生など)のサポートを期待するかもしれないが、タイムシフト再生には非対応だ。一時停止を解除するとその時点で放送されている内容に更新して表示が続く。

アンテナワンセグ受信用のアンテナはボディー側面に組み込まれており、必要に応じて展開できるようになっている。

 “拡大表示”は、映像の中央部分を拡大表示できる機能。ワンセグによる番組は一般に16:9のワイドスクリーンで提供されているが、中には4:3で制作した映像の左右に帯をつけて16:9の比率に変換しているものもある。そうした番組で拡大表示を用いると、横の邪魔な帯を消して全画面表示で楽しめるわけだ。ワンセグはそもそも放送される映像自身の解像度が低いため(4:3では320×240ドット、16:9なら320×180ドット表示)、拡大すると粗さが目立ってしまうものの、カジュアルに楽しむ“ポータブルTV”という特性にマッチした面白い機能である。

映像+番組名の組み合わせ 映像+字幕情報の組み合わせ
映像+番組名の組み合わせ。チャンネル変更時には必ずこの表示となる。映像+字幕情報の組み合わせ。音が聞き取りにくいような状況でもTV番組を楽しめるため大変便利だ。
ワンセグの視聴では、このようにスクリーン+情報といった表示となる。情報の表示はオプションにより指定可能で、映像のみの表示といったことも可能だ。
EPGの画面1 EPGの画面2
番組ガイド(EPG)による番組情報の表示はこのようになる。
クイックメニューの画面 映像の明るさ調整
TV視聴中にワンセグボタンを押すことで表示される“クイックメニュー”。スクリーンの表示方法や明るさの変更はこのメニューから行なえる。設定できる映像の明るさは5段階。部屋の明るさや屋外の日の強さによって素早く変更可能だ。

 また、TVの視聴をより快適に行なえるよう、今回から新たに着脱式のスタンドが標準で付属している。従来は手で持つしかなかっただけに、うれしい配慮だ。

側面
側面には電源をはじめ、USBやヘッドホン、オプション接続用コネクタなどの各種ポートが並ぶ。なお、ボディーを支えている透明のスタンドはV30Eに標準で付属しているもの。スタンドは折り畳めるため、使用しない状態でも邪魔にはならない。

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