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【アキバ・キーマンインタビュー No.7】アキバ最強バカTシャツで知られる、カミカゼスタイルの店長兼デザイナー登場!

2006年12月11日 23時32分更新

文● 大森徹哉

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 お笑いコンビ「カンニング」の竹山隆範氏がTVドラマで着ていることでも話題になり、“萌えるゴミ”などのおもしろコピーや、ミリタリー系など、オリジナルデザインのTシャツを次々とアキバから発信する、カミカゼスタイル。そのデザインをすべて手がけているのが、店長でもあるデザイナーの姫川真二さんだ。

下北沢のお店が秋葉原に進出

萌えキャラと姫川さん

――早速ですが、お店が出来たのはいつですか?
【姫川】 今年の1月7日です。

――元々、下北沢にお店を持たれていたんですよね?
【姫川】 そうです。下北沢は一昨年の4月からですね。

――姫川さんのお店ですか?
【姫川】 いや、違うんですよ。元々うちの会社は古着屋なんです。ミリタリーとかも扱っていて、下北沢をベースに活動していたんです。それで、ミリタリーのイベントとかあるじゃないですか、即売会みたいな。うちも売りに出していたんですけれど、あんまりにもネタが少ないんで、「じゃあ、ちょっとTシャツでも作ってみるか」ということになって。
――それでいきなりTシャツを作ることに?
【姫川】 僕、元々グラフィックデザイナーをやっていたんですよ。だから、「お前できるんだろう?」とうちの社長に聞かれて、「はい。できます」と。それで、Tシャツを出したところ、イベントでバカ売れしまして。それがもう、3、4年前になるのかな。

――それは何のイベントなんですか?
【姫川】 ミリタリーのイベントですね。それで、じゃあもう「コミケに出よう」ということになって。

――いきなりコミケですか?
【姫川】 「コミケに出たらもっと売れるんじゃない?」という話になって。やっぱり出したら売れたんですよ。「Tシャツはいいな~」と。それで、「だったら専門店を作らないか」みたいな話になりまして、下北沢に店を出すことになったんですよ。

――それで下北沢に?
【姫川】 そう、ちょうど下北沢に集合商店ができたときで。それができる前から話がありまして、そこのビジュアルイメージを僕がやっていたんです。それで、「どうせ集合商店作るんだったら店も作らない?」と。それで「何屋さんを作る?」となって、Tシャツ屋を作ろうと。でも、ミリタリー向けの超右翼のTシャツばっかりだったんですよ。「真珠湾攻撃」とか、「月月火水木金金」とかね(笑)。


月月火水木金金
――すごいですね(苦笑)。
【姫川】 これを下北沢でやっても売れる訳がない。反対にオシャレなものなんか作って、いきなりオシャレTシャツの店とかやってもそれは無理だと。じゃあもう、ギャグTでいこうかと、僕が勝手に思って、出したのがきっかけですね。それがわりと受けたので、そこの店はギャグTをどんどん増やしていったんです。

――それが成功した?
【姫川】 そうですね。それでまあ、下北沢はその時に“下北ブーム”みたいなのがきて、うちの集合商店のほうもけっこう、雑誌とかテレビとかに出るようになって、上手い具合に軌道に乗ったんです。それで、やっているうちに僕自身もイベントに出ていたら、基本的にオタク向けのイベントなので、どうしても萌え系の絵を作ってみたいと思ったんですよ。



アニメ雑誌とかエロゲーの本を見まくって、萌えキャラを研究

萌えイラスト

――萌え系のイラストは元々描いていたわけではなかったんですか?
【姫川】 僕、今みたいには描けなかったんですよ。でも、仕事のために猛練習したんです。

――すごいですね。
【姫川】 初めたきっかけはキャラクターのシリーズですけれど、イベントですごく売れるんですよ。じゃあ、店にも出したいなと思ったのですが、下北沢でそんなものを出すと「キモイ」とかって言われるだけじゃないですか。だから「だったらもうやっぱりアキバだな」と。「おれにはアキバしかない」と。

――聖地でという感覚で?(笑)
【姫川】 そう、聖地でやんなきゃって(笑)。うちの社長にも「アキバでやりましょ」って話をしました。それで、トントン拍子で話が進んで、今に至るって感じですね。

――絵は猛勉強したというのはかなりですかね?
【姫川】 そうですね、僕、元々イラストレーターではあったんですよ。仕事でイラストをやることが多くて。その前はいろいろな仕事をしていましたね。

――どんな仕事を?
【姫川】 古着屋に、イラストレーター、雑誌の仕事でカットを描いてました。ライターみたいなこともやりましたし、DJもやりました。バーもやりましたね。それでもう何でも屋さんみたいになって。だけど、何でも屋さん過ぎるのはもう駄目だなと思って、田舎に帰って落ち着こうと思ったんですよ。

――実家に帰られたんですか?
【姫川】 そう。でも、そうしたら、全然落ち着かなくて。それで、また東京でこういう話があるから来いよということで、30過ぎになって東京に上京するんですよ。ドキドキしながらね(笑)。それで、その時イラストを描いていたんですけれど、萌キャラとか全然書けなくて。

――それで、どうしたんですか?
【姫川】 最初に僕、アニメーターをやっていたんですよ。その当時に描いた絵なんて古いじゃないですか。

――それで萌キャラを研究した?
【姫川】 もうアニメとか、アニメ雑誌とかエロゲーの本を見まくって、関連するサイトも漁りまくって。で、まあなんとかこれが僕の絵なのかなあって、やっと今年ぐらいに思えるようになってきたんですよね。ファンの人も付いてくれたんです。


作画
――すごいですね。何か描くコツとかポイントとかあるんですか?
【姫川】 僕の絵は全部adobeの「Illustrator」で描いてるんです。ベジェ曲線ってやつを使って。こんな感じで描いてるんですよね、線で。だから、すごくあっさりした絵柄になるんですよ。マウスで描くんです。

――ペンタブレットは何で使わないんですか?
【姫川】 ペンタブがよく使えないんですよ(笑)。それに、「Illustrator」ってソフトはペンタブが使えないんですよね。だから、曲線を作るのに、ペンツールを使って、ポイントを置きながら描いていくんですよ。それで、どんどん線を修正していくんです。だから普通のペンでの描き方と違うんです。消しゴムで修正していくんじゃなくて、線自体を曲げていくというか。だから、僕、普通に鉛筆とかで描くとすごく絵が汚いんですよ(笑)。あと、下書きをしないんです。

――そのまま描いちゃう?
【姫川】 ええ、そのままどんどん描いていくんですよ。だから早いんですよ。下書きを書く手間がないと。だから、こう同時進行で着色もできるし。描き初めから版下にするまでに1日くらいで出来ちゃうんですよ。ベジェ曲線で萌イラストを描く人ってなかなかいないんですよ。

――そんなに珍しいんですか?
【姫川】 こういう変わったやり方はね。最初は鉛筆で描こうと頑張ってたんですけれど、すごく汚くて。商品になんねーって。めちゃめちゃ我流だから。ショートカットキーもあまり使えないんでね(笑)。コンピューター自体も独学で覚えてるんですよ。なので、人と操作がちょっと違っていたりするときがあるんです。(次ページに続く)



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