このページの本文へ

いよいよVistaの提供開始!――マイクロソフト、Windows Vistaや2007 Office systemなどのボリュームライセンスを提供開始

2006年11月30日 18時26分更新

文● 編集部 小西利明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
ついに製品版の提供が開始された『Windows Vista』(画面はVista Ultimate) マイクロソフト 代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏
ついに製品版の提供が開始された『Windows Vista』(画面はVista Ultimate)マイクロソフト 代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏

マイクロソフト(株)は30日、『Microsoft Windows Vista』『2007 Microsoft Office system』(以下Office 2007スイート)『Microsoft Exchange Server 2007』を、法人・企業向けにボリュームライセンスでの提供を、全世界で開始したと発表した。全国のボリュームライセンス取扱販売店/認定リセラーを通じて提供される。

Windows Vistaには5つのエディション(製品バリエーション、SKU)が存在するが、本日よりボリュームライセンスで提供されるのは、『Windows Vista Business』『Windows Vista Enterprise』『Windows Vista Ultimate』の3製品である。個人/家庭ユーザー向けの『Windows Vista Home Basic』『Windows Vista Home Premium』の2製品は含まれず、2007年1月30日発売開始予定のパッケージ製品、またはパソコンへのプレインストールにて提供される。

またOffice 2007スイートも同様に、ボリュームライセンスでは提供されるのは『Office Standard 2007』『Office Professional Plus 2007』『Office Enterprise 2007』の3製品となる。各製品の参考価格(Open License Businessの場合)は以下のとおり。

Office Standard 2007
Word 2007、Excel 2007、Outlook 2007、PowerPoint 2007が含まれる|新規購入:万5900円、ライセンス&ソフトウェアアシュアランス(SA)2年間分(以下同):7万2400円
Office Professional Plus 2007
Standardに加えて、Publisher 2007、Access 2007、InfoPath 2007、Office Communicatorなどが含まれる|新規購入:5万9100円、ライセンス&SA:9万3400円
Office Enterprise 2007
Professional Plusに加えて、OneNote 2007、Groove 2007が含まれる|新規購入:7万2200円、ライセンス&SA:11万4000円

社長自ら、VistaとOffice 2007による
生産性向上のデモを披露

同日、東京都内にて開催された発表会では、同社代表執行役社長のダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏による挨拶と、VistaやOffice 2007を使用したデモが披露された。ヒューストン氏はまず、Vista以下の製品を同時に、それも全世界で同じ日に発表するのは初めてのことであるとした。過去の例では、英語版の登場後に数週間~数ヵ月後に各国語版が登場するのが通例であった。その意味では世界同時にというのは異例であり、言語による違いにリリース時期が左右されない開発体制を構築、運営できたことの証明と言えよう。

Windows 95からWindows XPまでのOSおよびOfficeスイート、Exchange Serverの系譜
Windows 95からWindows XPまでのOSおよびOfficeスイート、Exchange Serverの系譜

またヒューストン氏は同社のOSやOfficeスイート製品の歴史を振り返り、Windows 95の登場以降、労働生産性の年間向上率は2倍以上になったと述べ、VistaとOffice 2007の登場は、過去10年とこれからの10年を大きく変えるとした。

ヒューストン氏はVistaとOffice 2007による生産性向上の例を、自らのデモで披露した。午前7時に出社したヒューストン氏が、VistaとOffice 2007を搭載したノートパソコンで行なっている仕事をベースにしたもので、Vista搭載パソコンの起動の高速さから始まり、Outlook 2007でのスケジュールやメール確認などをまず披露。アプリケーションを起動しなくても、メールに添付されたPowerPointプレゼンテーションデータを参照できるので、無駄な時間を短縮できるとした。

ヒューストン氏自らデモを披露。まずはスタンバイ状態にあったと思しきノートパソコンを、高速に復帰させる Outlook 2007上で、メールに添付されているPowerPointのデータを参照。いちいちアプリケーションを起動せずにすむとした
ヒューストン氏自らデモを披露。まずはスタンバイ状態にあったと思しきノートパソコンを、高速に復帰させるOutlook 2007上で、メールに添付されているPowerPointのデータを参照。いちいちアプリケーションを起動せずにすむとした

さらにOffice SharePoint Server 2007上のポータルサイトを開き、同社で使われているという“Workgroup Health Index”(WHI(※1))のデータをExcel 2007に取り込み、数値の示す意味を把握しやすくするよう、数値の書かれたセルにカラースケールを与える操作を披露した。ヒューストン氏は「私くらいの年齢のCEOでも、Excelは使える」とジョークを交えながら、Excel 2007の使いやすさをアピールした。

※1 社員が健全に業務を遂行できているかを、項目ごとに数値化した指標。業務そのもの以外に、“仕事と家庭の両立”といった点も含まれる。

SharePoint Server上のポータルサイトからデータをExcel 2007に取り込み、数値の重みに従い色を付ける。こうした作業もごく簡単に行なえる 社員個々に割り当てたページから、インスタントメッセンジャーを起動して相手を呼び出し対話。企業内コミュニケーションを簡単に促進できるというデモ
SharePoint Server上のポータルサイトからデータをExcel 2007に取り込み、数値の重みに従い色を付ける。こうした作業もごく簡単に行なえる社員個々に割り当てたページから、インスタントメッセンジャーを起動して相手を呼び出し対話。企業内コミュニケーションを簡単に促進できるというデモ

そしてExcel 2007での視覚化により、部下である横井伸好氏(インフォメーションワーカービジネス本部長)のWHIが、仕事と家庭の両立に問題を生じていることを示すことが判明。早速ポータルサイト上に作られた横井氏個人のページから、オンライン状態にある横井氏をインスタントメッセンジャーで呼び出し、“どうしたの?”とたずねてみせた。そのほかにも、Outlook 2007の検索機能や、SharePoint Server 2007の新機能である“スライドライブラリ”を使ったプレゼンテーション資料の作成なども披露。これらの仕事を15分程度でこなせるとして、生産性の向上が実現できることを示した。

SharePoint Server上で共有されたPowerPointのデータを取得。過去の編集による変更点をビジュアルで確認して、自分の資料作成に応用できる
SharePoint Server上で共有されたPowerPointのデータを取得。過去の編集による変更点をビジュアルで確認して、自分の資料作成に応用できる

その他にも、同社のビジネスパートナー5社の代表が登壇し、各社のVistaとOffice 2007に関わる取り組みについて説明を行なったり、VistaとOffice 2007を早期に導入した企業が56社にのぼるとして、その事例の紹介などが行なわれた。

パートナー企業として登壇した、(株)大塚商会 取締役兼上席常務執行役員の片倉一幸氏は、Vistaのセキュリティー強化を高く評価。顧客企業に対するセキュリティーポリシーの設定サービスの提供を行なうと表明した。また(株)リコー 販売事業部 ソリューション マーケティング センター 副所長の佐藤芳郎氏は、Office 2007でOffice製品に加わったコラボレーションツール『Groove 2007』に注目していると語り、従来は設定の難しかった社内外とのコラボレーションを解決し、しかも強固なセキュリティーも備えていると高く評価した。同社ではGrooveの導入支援サービスなどを行ない、Grooveを中核としたソリューション展開を行なうとしている。

説明会の最後にヒューストン氏は、各種イベントで述べている“日本はデジタルライフスタイルについては世界の最先端にあるが、デジタルワークスタイルについては遅れている”という論を改めて披露した。そして技術を活用することで、日本でもデジタルワークスタイルの導入を急速に進めることができるだろうと述べた。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン