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2枚の写真から動画を作れる!?――“FrameFree技術”と対応ソフトの説明会を開催

2006年11月29日 20時37分更新

文● 編集部 小西利明

静止画から動画を生成する“FrameFree技術”に対応した動画編集ソフト“FrameFree Studio”。左のサンプル画面では、人物やフレームが動いている
静止画から動画を生成する“FrameFree技術”に対応した動画編集ソフト“FrameFree Studio”。左のサンプル画面では、人物やフレームが動いている

(株)モノリスと(株)クインランドは29日、東京都内のクインランド本社にて報道関係者向けの説明会を開催し、モノリスが開発した動画生成・圧縮技術“FrameFree(フレームフリー)技術”とその応用製品、マーケティング施策についての説明を行なった。技術および製品開発をモノリスが担当し、クインランドはマーケティングを担当する。

FrameFree技術はモノリスが開発、特許を保有する動画の生成・圧縮技術の総称である。現在一般的な動画圧縮技術(MPEG、WMVなど)では、基準となる静止画(キーフレーム)間の動き要素を検出し、必要な部分だけをデータとする方式を取っている。それに対してFrameFree技術では、キーフレーム間の連続的に変化する中間映像を自動で計算し、動画を作り出す。静止画を異なる静止画に変形させる“モーフィング”という画像処理技術があるが、これを複数のキーフレームを使って連続的に行なうことで、動画を作るとイメージすれば分かりやすいだろうか。

デモで披露されたFrameFree技術によるDVD品質の動画の1シーン。写真の時計が… このように変形して異なる時計になる。同じ映像はモノリスのウェブサイトのデモコーナーに掲載されている
デモで披露されたFrameFree技術によるDVD品質の動画の1シーン。写真の時計が…このように変形して異なる時計になる。同じ映像はモノリスのウェブサイトのデモコーナーに掲載されている

FrameFree技術の利点は、以下のようなものが挙げられる。

     
  • 最低2枚のキーフレームとなる静止画があれば、動画を生成できる。
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  • キーフレーム間の中間映像は自動で生成されるので、動画作成が比較的簡単に行なえる。
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  • キーフレーム以外の中間映像は、“マップデータ”と呼ばれる少量(通常は数KB)ですむため、動画データ全体のデータ量を大幅に軽量化できる
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  • キーフレームや中間映像の枚数、画像の変化スピードを自由に設定でき、画質の劣化も起こらない。
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  • キーフレームの解像度を上げれば、高品位の動画を簡単に生成できる
FrameFree技術で作られた別の動画のデモ。水面をジャンプするイルカの映像だが、“中間映像を計算で生成”といった言葉から連想されるような映像の不自然さはまったくない
FrameFree技術で作られた別の動画のデモ。水面をジャンプするイルカの映像だが、“中間映像を計算で生成”といった言葉から連想されるような映像の不自然さはまったくない

動画を生成する際は、まずキーフレームとなる静止画全体を、細かい三角形の集合(トライアングルメッシュ)に分割する。この三角形の各頂点を、“CPF(Critical Point Filter、特異点フィルタ)理論”に基づくアルゴリズムにより移動・変形させることで、中間映像を生成する。マップデータには画像は含まず、頂点のデータだけで構成されるため、データ量の軽量化が可能となるわけだ。映像にかける特殊効果なども、効果後の画像をキーフレームとすることで生成可能である。

デモ映像にトライアングルメッシュを重ねて表示してみた。頭部の特に輪郭や目、髪が多くの三角形に分割されている 左の写真と比較すると、顔を構成する三角形が変形しているのが分かる。これを連続させて動画を作り出す
デモ映像にトライアングルメッシュを重ねて表示してみた。頭部の特に輪郭や目、髪が多くの三角形に分割されている左の写真と比較すると、顔を構成する三角形が変形しているのが分かる。これを連続させて動画を作り出す
先のイルカの映像の、トライアングルメッシュを表示した状態。大量の微小な三角形に画像が分割されているのが分かる
先のイルカの映像の、トライアングルメッシュを表示した状態。大量の微小な三角形に画像が分割されているのが分かる

データ量の軽量化については、写真にある腕時計のデモ映像をHD品質(解像度1440×1080)のFrameFree形式で生成した約48秒の動画データと、それをWindows Media Video 9.1(WMV)形式に変換した動画データのファイルサイズ比較により示された。それによると、WMV形式では約49.8MB(5万990KB)のファイルサイズになるのに対して、FrameFreeでは約4.5MB(約4647KB)と、10分の1程度ですんでいるという。これで見た目の映像品質は同等なのだから、いかにFrameFree技術によるデータ軽量化の効果がめざましいかが分かる。

しかしFrameFree技術は既存の動画方式とはまったく異なるため、表示には独自のプレイヤーソフトが必要になる。Windows Media Playerなどでは再生できない。現在はプラグインソフト“FrameFree Web Player”の、Internet Explorer 6以上用やFirefox/Netscape用のプラグインが提供されているほか、Mac OS X(Safari)用も開発中である。

静止画を大量の微小三角形に分割し、それを変形させるという処理は、三角ポリゴンによる3Dグラフィックス処理の処理と似通った面がある。実際にFrameFreeではOpenGLに対応し、パソコン用のグラフィックスチップ(DirectX 9世代のGPU)によるハードウェアアクセラレーションも可能とのことだ。

サービスプロバイダー向けのWebベースオーサリングツール『FrameFree Advanced SmartMorph』のデモ画面。FrameFreeを使った動画制作サービスを提供するための製品。開発キットも提供され、インターフェースは自由に変更できる
サービスプロバイダー向けのWebベースオーサリングツール『FrameFree Advanced SmartMorph』のデモ画面。FrameFreeを使った動画制作サービスを提供するための製品。開発キットも提供され、インターフェースは自由に変更できる

FremeFreeに対応したソフトウェアとしては、Windows用動画編集ソフト“FrameFree Studio”と、サービスプロバイダー向けのWebベースオーサリングツール『FrameFree Advanced SmartMorph』、著作権保護機能や負荷軽減の機能を備えた配信システム『FrameFree united networks Japan』が、10日より販売されている。FrameFree Studioには以下の3種類の製品バリエーションがある。またこの他に、市販されないプロフェッショナル向けの『FrameFree Studio HD』も存在する。視聴者側が使用するプラグインソフトは、同社ウェブサイト等で無料配布されている。

FrameFree Studio SD
FrameFree形式(FFM)以外に、SD品質のAVI形式での出力も可能なプロフェッショナル用途向け。レイヤー10層まで対応。1クライアント/年間ライセンスで60万円(税別)
FrameFree Studio Pro
クリエイター/一般ユーザー向け。レイヤー4層まで対応。1クライアント/年間ライセンスで3万6000円(税別)
FrameFree Studio Express
一般ユーザー向け。レイヤー2層まで対応。1クライアント/年間ライセンスで1万2000円(税別)

再生には専用プラグインが必要とはいえ、FrameFree Studioでは最小2枚の静止画で簡単に動画が作れるので、ちょっとした商品画像を動画で作りたいといった用途に役立ちそうな製品といえる。デジタルカメラで撮った写真をキーフレームとして、FrameFree Studioで動画化するだけでよいのだ。複数のレイヤーと多数のキーフレーム、音声を組み合わせて、本格的な映像作品を作ることも可能だ。ただし、キーフレームから中間映像を計算で作り出すという仕組みのため、動きの大きな映像については、多数のキーフレームを組み合わせて作成する必要がある。

通販サイトの商品画像を、FrameFreeによる動画にしたデモ。商品画像の動画化に、手軽に動画を作れるFrameFree Studioは応用できそうだ FrameFree技術を使った電子ブックのデモ例。紙芝居風に童話の絵が変化していく
通販サイトの商品画像を、FrameFreeによる動画にしたデモ。商品画像の動画化に、手軽に動画を作れるFrameFree Studioは応用できそうだFrameFree技術を使った電子ブックのデモ例。紙芝居風に童話の絵が変化していく

モノリスでは、FrameFree技術を使った映像制作がすでに海外の企業を中心に始まっているほか、日本でもKDDI(株)の携帯電話機(W21T)に、FrameFree技術を応用したアプリケーション“変身!モーフィー”が搭載されるなど、商用での利用が進められている。過去には(株)セルシスの粘土アニメ制作ソフトに、FrameFree技術が搭載されていた事例もある。また、セットトップボックスと大型の街頭ディスプレーを組み合わせた“HD品質のデジタルポスター”を、東南アジアの空港施設内に設置するという案件も進行しているとのことだ。さらに、台湾SMedia Technology社と協力して、FrameFree対応の動画用LSI開発も進めているという。

FrameFree対応ソフトを米クアルコム社の携帯電話上で動かしているデモ  
FrameFree対応ソフトを米クアルコム社の携帯電話上で動かしているデモ大画面フラットディスプレーによるデジタルポスターのデモでは、ディスプレー左の小さなセットトップボックスから映像を再生していた

モノリスとクインランドは共同で、コンテンツ制作会社や広告代理店、サービスプロバイダー、さらにはコンテンツ制作の専門学校などを主な対象として、FrameFree技術の採用拡大にむけた活動を展開していくとしている。

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