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マイクロソフト、Windows Vistaの新機能に関する説明会を開催――ハード/ソフト開発者向け支援策も発表

2006年11月21日 23時27分更新

文● 編集部 小西利明

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日本語版RTMの提供も始まった『Windows Vista』。説明会のスライドでは、誇らしげに“開発完了”の文字が掲げられた
日本語版RTMの提供も始まった『Windows Vista』。説明会のスライドでは、誇らしげに“開発完了”の文字が掲げられた

マイクロソフト(株)は21日、東京都内にて報道関係者向けの説明会を開催し、『Windows Vista』に搭載される新機能について、完成した日本語版のRTM(Release To Manufacturing:製造工程への出荷版)を元に説明した。また同時に、ハードウェア/ソフトウェア開発者向けに互換性検証のための支援情報を提供する“Windows Vista対応支援センター”や、エンドユーザー向けに互換性情報を提供する“Windows Vista互換性情報サイト”の開設も発表した。Windows Vistaの発売は、企業向けライセンス提供が11月30日、一般向けの販売が2007年1月30日からの予定。

マイクロソフト Windows本部 本部長のジェイ・ジェイミソン氏
マイクロソフト Windows本部 本部長のジェイ・ジェイミソン氏

説明会は、同社Windows本部 本部長のジェイ・ジェイミソン(Jay Jamison)氏と、Windows OSマーケティング部兼ビジネスWindows製品部部長の中川哲氏により、互換性確保支援の施策についての説明から始められた。まずWindows Vista対応支援センターについては、既存または新規開発中のハードウェア/ソフトウェアと、Vistaとの互換性検証/確保作業を行なう開発者に向けて、必要な技術情報を提供するポータルサイトとして開設される。オープンは12月1日の予定。

Windows Vista対応支援センターでは各種技術文書や、ソフトウェアに互換性問題が存在しないかをチェックする開発者向けツール“Application Compatibility Toolkit 5.0”のダウンロード提供などが行なわれるほか、開発者向けのセミナー実施や、トレーニングラボの提供などが行なわれる。

一般消費者向けの互換性情報については、こちらのサイトですでに公開が始まっている。現時点では家庭向けおよび企業向けパソコンや、アプリケーション、周辺機器に関する各メーカーの情報ページへのリンクが主な情報のほか、Vistaの製品版に含まれる予定の周辺機器向けデバイスドライバーを検索する機能が提供されている。

“Windows Vista Upgrade Advisor”の英語版(RC版)の画面。パソコンや周辺機器がVistaに対応するかを確認できる便利なツールだ
“Windows Vista Upgrade Advisor”の英語版(RC版)の画面。パソコンや周辺機器がVistaに対応するかを確認できる便利なツールだ

また同サイトでは、パソコンと周辺機器、インストール済みアプリケーションがWindows Vistaに対応できるかを検証するツール“Windows Vista Upgrade Advisor”の日本語版を、2007年1月から提供を開始する。Upgrade Advisorを使うと、そのパソコンがVistaのどのエディションに対応できるか、あるいは対応するにはどこを強化する必要があるかなどが分かる。また周辺機器については、Vista製品版でのデバイスドライバーの有無が、ソフトウェアについては、Vistaで問題が生じるアプリケーションが分かる。例えば、XPからVistaへ上書きインストールした場合に、OSに重大な問題が生じる可能性のあるアプリケーションを見つけると、Vista導入前に削除を促す説明が表示されるといった具合だ。事前にVistaに移行する際の問題点を洗い出せるので、利用価値の高いツールである。

企業ユーザー向けにボリュームライセンスで提供される『Windows Vista Enterprise』の普及促進施策として、“Windows Vista Enterpriseアップグレードキャンペーン”も発表された。このキャンペーンでは2007年1月1日から3月31日までの3カ月間、ボリュームライセンスプログラムで提供される“Microsoft Open License ソフトウェアアシュアランス”と“Microsoft Open Value ソフトウェアアシュアランス”を、33%割引の優待価格で購入できる。ソフトウェアアシュアランスには、Windows XP ProfessionalからVista Enterpriseへのアップグレード権などが含まれる。キャンペーンの対象となるのは、10月1日から2007年3月31日までの間に、250台までのXP Professional搭載パソコンを購入したユーザーとなる。

日本初公開! Vistaのアイコンと起動音

説明会ではVistaの新機能解説として、ユーザーインターフェース関連やパフォーマンス向上の機能、セキュリティー関連機能、エンターテイメント関連機能、モビリティー関連機能の4つに分けて、豊富な新機能が解説された。個々の機能についてはすでに過去の記事で解説したものも多いので、ここでは今まで登場していなかった機能や要素について紹介する。なおそれ以外の機能については、下記関連記事を参照のこと。

まず公開されたのは、Vista製品版のアイコンと起動音だ。Vistaに含まれる機能やアプリケーションを示すアイコンのデザインは、ベータ2版からRC1版(Release Candidate 1:リリース候補版)にかけて、いくつかが変更されていたが、RTM版ではさらに大きく変わっている。RC版までは、Windows XP時代と同じようなアイコンが見られた(そのためある意味分かりやすかった)。最終的にVistaでは、ユーザーが目にするアイコンはほとんど新しいデザインとなるようだ。

Vista RC1でのスタートメニューの各アイコン。小さくて分かりにくいが、XP時代と同じものも少なくない RTM版のスタートメニューとアイコン。いずれもデザインが一新されている。変わったことで、むしろ分かりにくくなったような気もするが……
Vista RC1でのスタートメニューの各アイコン。小さくて分かりにくいが、XP時代と同じものも少なくないRTM版のスタートメニューとアイコン。いずれもデザインが一新されている。変わったことで、むしろ分かりにくくなったような気もするが……

またサウンドについては、世界的に有名なロックバンド“キング・クリムゾン”のメンバー、ロバート・フィリップ(Robert Fripp)氏が制作に関与したという、Vistaの起動音が披露された。4秒程度の短いサウンドだが、硬質なガラスをイメージさせるような音で、Windows XPの起動音とはずいぶん違った印象を受ける。

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