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ソフトバンク、2006年上期の業績を発表――「創業以来最大」の業績を達成

2006年11月08日 23時30分更新

文● 編集部 橋本 優

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ソフトバンク(株)は8日、ソフトバンクグループ全体の業績に関する記者・投資家向け説明会を都内で開催した。2006年上期(4月~9月)の売り上げ高は1兆1201億円で、前年同期と比べて114.3%の増となっている。

孫 正義氏
ソフトバンク代表取締役社長の孫 正義氏
上半期の業績サマリー
上半期の業績サマリー

営業利益は前年同期比2475%増の1125億円を計上。この数字は「創業以来最大」だという。EBITDA(イービットディーエー:営業損益+営業費用に含まれる原価償却費および固定資産除却損)は2284億円を達成し、こちらも「創業以来最大」だとした。

売り上げ高の推移
売り上げ高の推移

売り上げで大きな割合を占めたのは移動通信事業で、約半分の5818億円がソフトバンクモバイル(株)(旧ボーダフォン(株))の売り上げとなる。営業利益でも1125億円のうち566億円がソフトバンクモバイルによるものとなっている。

純利益は前年同期がマイナス4182億円だったのに対し、今期は144億円のプラスとなった。8月にSBIホールディングス(株)の全株式を売却したことなどで特別利益を714億円計上しているが、社債発行などの特別損失や法人税などを計上した結果、144億円になっている。なお、年間の業績予想については明らかにしなかった。

第2四半期
第2四半期の業績サマリー

第2四半期(7~9月)の業績についても、売り上げ高が6259億円(前年同期比プラス3617億円)、営業利益は581億円(同プラス506億円)、純利益は130億円(同プラス60億円)と全体的に大幅なプラスになっている。

MNPによる転入/転出状況も明らかに

説明会に臨んだソフトバンク代表取締役社長の孫 正義氏は、冒頭でソフトバンクモバイルの広告や契約の受付に関する混乱について触れ、「理解の度合いは結構進んできているのではないか」としながらも「立ち上げの混乱について心苦しく思い、反省いたしております」と語った。「今後は長い競争を戦い抜いていきたい」と意気込みを語った。

純利子負債
純利子負債の推移

今期の業績については「昨年の上期に比べると大幅に改善されている」と評価した。有利子負債は2兆491億円に達し「利益も最大ですが、借り入れも最大」の状態にあるものの、ソフトバンクモバイル買収以外の負債は着実に減っており「健全な融資負債」であることを強調した。

11月のMNPの結果
11月(7日まで)のMNP転入/転出の状況

今回の説明会では携帯番号ポータビリティ(MNP)実施直後のユーザー数について初めて公開した。MNPによるユーザーの転入(他のキャリアーからソフトバンクへの乗り換え)は10月に3万1100件、11月(7日時点)では3万6400件になっているという。一方で転出(ソフトバンクから他のキャリアーへの乗り換え)は10月が5万5000件、11月(7日時点)が4万3500件となっている。ただし新規契約を含む純増契約者数は10月で2万3800件、11月(7日時点)で2万8000件になっており、ユーザー数は着実に増加していることを強調した。

HSDPAの基地局
HSDPAに対応した基地局数

また、3Gの基地局数が9月末時点で2万4539局になっていることも発表。これにともない顧客満足度もアップしているという。孫氏自らも当初は「(ボーダフォンは)つながらないんじゃないか」と不安で、3ヵ月程は他社の携帯電話機と2台持ち歩いていたという逸話を披露したが、ここ数ヵ月ほどはソフトバンクの携帯電話機のみ使用しており「日常生活にはまったく支障がないところまできている」とした。なお、下りのデータの高速転送が可能な“HSDPA”対応の基地局は、政令指定都市を中心に3000局が開局済みで、今後も数を増やしていくとしている。

検索トラフィックの推移
検索トラフィックの推移

コンテンツについては、“Yahoo!ケータイ”の導入により、平均クエリー検索数が約3倍にアップし、トップページのページビューは6月末(ボーダフォンを買収した直後)と比較して34倍に、全体のページビューは8倍にまで上がっているという。この結果について同氏は、ほとんどのコンテンツが無料で利用できることが「いかにお客様にお使いいただくのに重要なステップであったか」ということを強調した。

ページビューの推移
ページビュー(全体)の推移

その後の質疑応答では、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの料金プランより210円安いという“ブループラン”について、インターネット接続サービスの基本料などで差額が相殺されるが、という記者の問いに対し、iモードのほとんどのコンテンツが有料なのに対し、Yahoo!ケータイはほとんどが無料であるとし、コンテンツに関する優位性を強調した。

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