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マイクロソフト、地図検索や検索マクロなど、Live Searchの新機能を説明

2006年11月08日 19時34分更新

文● 編集部 小西利明

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“Live Search”の新機能である“地図検索”機能のサンプル画面
“Live Search”の新機能である“地図検索”機能のサンプル画面

マイクロソフト(株)は8日、東京都港区の同社赤坂オフィスにて報道関係者向けの説明会を開催し、同社が提供するオンラインサービス“Windows Live”の検索機能である“Live Search”の新機能、“地図検索”“検索マクロ”“関連検索”についての説明を行なった。

説明会の冒頭では、同社オンラインサービス事業部プロダクトマネージメントグループ ディレクターの小野田哲也氏が、Windows Liveの位置づけと大まかな戦略について説明。Windows Liveがクライアントソフトウェアとウェブサービス、さらに広告モデルを組み合わせたものであり、すべてをウェブサービスで展開しようという競合の戦略とは異なるものであることを強調した。またWindows Liveの戦略上のポイントとして“User in Control”を挙げ、ユーザーに合わせたカスタマイズ性の高さをポイントとしている。

Windows Liveを構成する主なサービス/アプリケーション。パーソナライズドホームページ、メーラー、メッセンジャー、検索に加えて、パソコンの保護機能も重要な要素に位置づけられている
Windows Liveを構成する主なサービス/アプリケーション。パーソナライズドホームページ、メーラー、メッセンジャー、検索に加えて、パソコンの保護機能も重要な要素に位置づけられている

ポイント情報を共有できる地図検索

人気の高い米グーグル社の地図検索サービスに対抗するのが、Live Searchの地図検索機能(ベータ版)である。線図で描かれる一般的な地図、航空写真に加えて、航空写真に地名や建物名、高速道路や鉄道などの情報を加えた“ハイブリッド”の3種類の表示方式を備えている。“お店やサービスを検索”と書かれた検索用テキストボックスに、キーワードとして例えば“タイ料理”と入力すると、周辺のタイ料理店が画面左側に一覧され、地図上の店の場所に“プッシュピン”と呼ばれるマークがつく。

プッシュピンを地図上の任意の地点に付加している様子。コメントを加えたり、画像や関連サイトのURLを加えることもできる
プッシュピンを地図上の任意の地点に付加している様子。コメントを加えたり、画像や関連サイトのURLを加えることもできる

プッシュピンは地図上の任意のポイントに自由に付け加えることもできる。プッシュピンにコメントや写真を付加することも可能だ。さらに地図上にはプッシュピンだけでなく、線や矩形でマーキングを行なうこともできる。プッシュピンやマーキングの情報は、“スクラッチパッド”と呼ぶフローティングウィンドウに登録でき、登録した情報は“コレクション”として保存できる。

“タイ料理”をキーワードに検索した結果(画面左)。結果をスクラッチパッドに保存することもできる(画面右中央、青のマーク)
“タイ料理”をキーワードに検索した結果(画面左)。結果をスクラッチパッドに保存することもできる(画面右中央、青のマーク)

プッシュピンやマーキング、あるいはコレクションを丸ごと、電子メールで他人に送る“共有”機能も備えている。情報をすべてURLにエンコードして送るという方式のため、メーラーを選ばないし、URLを他の手段(自前のホームページ等)で伝達することも可能だが、情報が多いとURLが非常に長くなってしまう問題点もある。またWindows Liveのブログサービス“Windows Live スペース”のユーザーであれば、コレクションを自分のブログで公開する機能も備わっている。

あるプッシュピンの情報をメールで送信しようとした様子。情報はすべて非常に長いURLにエンコードして出力される
あるプッシュピンの情報をメールで送信しようとした様子。情報はすべて非常に長いURLにエンコードして出力される

印刷機能も備えている。特にカスタム印刷を使うと、地図やスクラッチパッドの情報から任意のものを選んで、見やすいレイアウトで印刷することが可能である。

カスタム印刷のサンプル画面。印刷したい情報をチェックボックスで選んで印刷できる
カスタム印刷のサンプル画面。印刷したい情報をチェックボックスで選んで印刷できる

なお現時点では比較的詳細な航空写真が用意されているのは東京近郊や名古屋、大阪、福岡といった大都市周辺程度。また日本国外については検索できない。今後は地域に結びついた情報との連携や開発者向け環境の提供、さらに地域連動型広告の組み合わせなどが検討されている。

検索マクロと関連検索

検索マクロ機能は“User in Control”を体現した機能のひとつで、ユーザーが独自の検索テーマをマクロとして登録し、マクロを利用して絞り込んだ検索を行なえる。例えば検索対象のサイトやドメインを限定したり、特定の話題を含むサイトに限定して検索するといったことが可能だ。

マクロは自分で作成できるほか、“Windows Live ギャラリー”で公開されている検索マクロを使用することもできる。マクロの作成は“初級”と“上級”の2種類が用意されており、初級では検索対象サイトを指定するだけだが、上級ではサイト以外に言語、(検索キーワード以外の)キーワードを対象としたり、さらにANDやORなど演算子を組み合わせて、複雑なマクロを作成することが可能となっている。

検索マクロを“初級”で作成している画面。対象に含めるウェブサイトを指定するだけでできる “上級”の検索マクロと演算子の例。サイトのURLや言語だけでなく、RSSフィードの有無やファイルタイプなども指定できる
検索マクロを“初級”で作成している画面。対象に含めるウェブサイトを指定するだけでできる“上級”の検索マクロと演算子の例。サイトのURLや言語だけでなく、RSSフィードの有無やファイルタイプなども指定できる

検索マクロのテスト機能も用意されており、画面上でマクロを使用しない場合と結果を比較するテストを行なえる。作成した検索マクロはLive Search上に保存できるほか、ギャラリーに対して公開も行なえる。

検索対象をascii24.comに限定したマクロのテスト画面。“Windows Vista”をキーワードに検索した場合の、マクロ使用時(左)と通常時(右)の検索結果が並んで表示される
検索対象をascii24.comに限定したマクロのテスト画面。“Windows Vista”をキーワードに検索した場合の、マクロ使用時(左)と通常時(右)の検索結果が並んで表示される

関連検索機能は、Live Searchでの検索結果の絞り込みを容易にする追加機能だ。利用に特別な操作や設定は必要なく、検索キーワードを入力して検索を行なった際に自動で働き、キーワードに他の言葉を付加した検索パターンを、画面右側に一覧表示する。表示された一覧をクリックすると、その“検索キーワード+他の言葉”でLive Searchでの検索が行なわれるという仕組みだ。これにより絞り込みの作業が容易になる可能性がある。

関連検索の例。“Windows Vista”で検索すると、画面右上“関連検索”欄に“検索キーワード+他の言葉”の検索候補が列挙されている。クリックすれば、それをキーワードとした検索が行なわれる
関連検索の例。“Windows Vista”で検索すると、画面右上“関連検索”欄に“検索キーワード+他の言葉”の検索候補が列挙されている。クリックすれば、それをキーワードとした検索が行なわれる

関連検索にはMicrosoft IMEの技術が応用されており、検索キーワードに組み合わせる言葉の選択や、キーワードに類似した語(漢字/ひらがな/カタカナ、同義語など)を関連検索の候補として列挙する。例えば検索キーワードに“かふんしょう”と入力すると、関連検索の候補に“花粉症”と出たり、“零戦”と入力すると、“ゼロ戦”が関連候補に出るといった具合だ。

同社ではこれら検索をカスタマイズする機能を実装していくことで、Live Searchはより使いやすいサービスにパワーアップするとしている。

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