このページの本文へ

KDDI、2007年3月期の中間決算を発表――MNPは大きなチャンス

2006年10月20日 20時49分更新

文● 編集部 橋本 優

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

KDDI(株)は20日、2007年3月期の中間決算について、同社代表取締役社長兼会長の小野寺 正氏が東京・千代田区の霞ヶ関ビルで会見を行なった。営業収益は前年同期比9.3%増の1兆6048億3400万円、経常利益は同37.8%増の2272億8100万円で、純利益は同34.1%増の1360億3100万円となった。

小野寺氏
KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺 正氏
連結決済の前年同期と今期の比較
連結決済の前年同期と今期の比較

auとツーカーを含む移動通信事業が好調で、売り上げ高は前年同期比5.7%増の1兆2833億7300万円、営業利益は23.9%増の2428億3600万円となっている。この要因について小野寺氏は、3月期上期の純増シェアが47.7%に達し、純増率ではトップであることを強調。またauの“WIN”契約者が9月末時点で1077万人に達していることも明らかにした。

移動通信事業の前年同期と今期の比較
移動通信事業の前年同期と今期の比較

さらにグーグル(株)の検索エンジンを導入したことも大きく収益に貢献しているとし、特に検索連動広告(アドワーズ)により8月の広告売り上げが3割増加したという。その上で今後も広告市場として高い成長率を期待できるとの考察を明かした。

固定通信事業の前年同期と今期の比較
固定通信事業の前年同期と今期の比較

一方、FTTHやADSLなどの固定通信事業は、ADSL回線サービス“メタルプラス”の拡販や(株)パワードコムとの合併などで売り上げ高は前年同期比26.6%増の3624億1600万円となった。営業利益は167億5000万円の減収となっているが、前年同期と比べると「127億円も改善されている」とし、業績が回復しつつあることを強調した。

3月期下期に向けての課題としてはFMBC(Fixed Mobile & Broadcast Convergence:通信と放送の融合)サービスの開発などを挙げ、特に固定通信事業についてはFMBCサービス展開に向けて事業基盤を強化していくという。また小野寺氏は「FTTHを除いた固定通信事業は来年黒字化する。そのうえで来期以降はFTTHに移行していく」としており、今期はメタルプラスの拡販を実施し採算性を改善しつつ、来年1月1日付けで実施を予定している東京電力(株)とのFTTHサービスの事業統合を円滑に進めたいとしている。

質疑応答では“MNP”(携帯番号ポータビリティー)に関する質問が集中した。小野寺氏はMNPについて「大きなチャンス」としており、特にビジネスマンや企業のユーザーなど、電話番号を変更ができない状況にあるユーザーを獲得したいとした。また、どの程度の数のユーザーが動くかは「読み切れていない」とし、通期見通しでも据え置いてる状態だという。ただし、たとえば約10%のユーザーが移行したとすると「今の純増数にくらべればはるかに大きな数」だとし、MNPへは大きな期待を掛けていることを明らかにした。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン