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日本アフィリエイト・サービス協会、世界初のガイドラインを発表

2006年10月19日 17時42分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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広告主/アフィリエイト・パートナー/アフィリエイト・サービス提供者
三者の努力規定を明記

アフィリエイト・サービス提供業者7社で構成される、日本アフィリエイト・サービス協会は19日、東京・日比谷の帝国ホテルにプレス関係者を集め、ウェブサイトやブログなどから広告主の販売サービスへ誘導する“アフィリエイト・サービス”についてのガイドラインを発表した。広告主/アフィリエイト・パートナー/アフィリエイト・サービス提供者の三者を対象とした包括的なガイドラインが公開されるのは世界初(同協会調べ)という。

ティム・ウィリアムズ氏
日本アフィリエイト・サービス協会の会長のティム・ウィリアムズ氏

発表会には協会の会長を務め、バリューコマース(株)の取締役で同社の創業者でもあるティム・ウィリアムズ(Tim Williams)氏、および協会に参加する7社から代表者が集まり、ガイドラインを策定・発表した背景などを説明した。

掲載当初、ティム・ウィリアムズ氏の肩書きに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。 (2006/10/20)

策定した背景には、広告主(eコマースサイト)、アフィリエイト・パートナー(広告掲載サイト)、アフィリエイト・サービス提供者とも急増している現在、トラブルも散見されるようになったことがあるという。具体的には、アフィリエイトパートナーによる迷惑行為や不正に報酬を得る行為、アフィリエイトを利用して購入契約などを行なおうとする消費者の保護が不十分な広告主、あるいはアフィリエイトの名前をかたる詐欺行為などだというが、「いずれも数は少なく、問題視するほどではない」と強調し、多くのアフィリエイト・サービスの健全性や成長性をアピールした。

ガイドラインの詳細は同協会のウェブサイト(http://www.j-ask.org/)から参照できるが、内容としては、協会に参加する各社が自主的に取り決めている規則の最大公約数をまとめた比較的緩やかな表現にとどまり、悪質な違反については個人情報保護法など関連法規に配慮した上で情報の共有を図るとしているが、罰則規定などは設けられていない。共有される情報としては、悪質な個人ではなく手口や技術的な詳細を把握し、再発を防ぐものだという。

インターネット広告と、アフィリエイト・サービスの市場規模の推移
インターネット広告と、アフィリエイト・サービスの市場規模の推移

日本のアフィリエイト・サービス市場は、2005年の実績で約314億円(うちケータイサイトは約62億円、(株)矢野経済研究所調べ)。インターネット広告の総額も2005年で2800億円に急成長しており((株)電通調べ)、今後もアフィリエイト・サービス市場は大きな成長が見込まれる。その一方で、アフィリエイトに参加する広告主は8000サイトにとどまり、今後も参加する広告主を拡大するためには、高い信頼性を維持し、内外にアピールしていく必要がある。今後協会に参加するアフィリエイト・サービス提供者、および契約する広告主やパートナーには、ガイドラインの遵守を求めるとともに、認証制度を設けてロゴプログラムによる信頼性の担保や、アフィリエイトに関する苦情の受付窓口などを設けていくとともに、ガイドラインについても広告主やパートナー、一般消費者からの意見を取り入れて、柔軟に対応していきたい、と説明した。

集まった記者から、「不正が見つかった場合の対処方法や罰則は?」と尋ねられると、「各社ごとに規約があるが、協会としても対処方法を準備している。具体的には違法性があると判断された契約は排除し、アフィリエイト・ビジネスができないようにする」と述べるにとどまった。

協会に参加する7社の代表者と会長のフォトセッション
協会に参加する7社の代表者と会長によるフォトセッション

ガイドラインそのものが新しい規定・規約になって、不正行為を根絶するという目的よりも、サービス提供者が各社ごとに決めていた規約の違いをならすことで、広告主やアフィリエイト・パートナーの理解の差をなくし、最終的には消費者に信頼性のあるアフィリエイト・サービスを提供する場を広げていきたい、という狙いがあるようだ。

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