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日立、小型軽量の静脈認証システムを法人向けに製品化

2006年10月10日 16時59分更新

文● 編集部 西村賢

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(株)日立製作所は、これまで入退室管理や金融機関のATM向けを中心に市場を拡大してきた指静脈認証事業を拡大。小型化した認証デバイスで、新たに法人の業務システムのセキュリティー市場への普及を狙う。今後3年間でITセキュリティー分野で約300~400億円の売り上げを目指す。

日立指静脈認証装置
日立指静脈認証装置。2万9400円

ATM向けから、企業内システムへ市場を拡大

同社は10日、USBでパソコンに接続するタイプの指静脈認証装置と、企業のパソコンや業務システムえのアクセス管理を行なう認証サーバー用ソフトウェアを製品化したと発表した。それぞれ12日から販売を開始する。価格は認証装置が1台2万9400円、認証サーバー用ソフトウェアが1クライアントあたり2万1000円。

静脈認証は、指紋認証や虹彩認証と同様に、個人によって異なる生体情報を用いてユーザーを認証する方式の一種。手のひらや指の中を走る血管のパターンを読み取る。指紋のように外部に露出していないために偽造が困難と言われる。

これまで日立の指静脈認証システムは、日本郵政公社、みずほ銀行など国内21の金融機関のATMで採用されるなど、同市場で「台数ベースで言えば7割程度の市場を持っている」(セキュリティ事業部長 小坂満隆氏)という。今後は企業内の業務アプリケーションへのアクセス管理など、ITセキュリティー分野への市場拡大を狙う。

認証サーバー用ソフトウェアは、生体情報をやりとりするための国際標準規格のBioAPIに対応する。また、SOAPベースで認証プロセスを既存のウェブ上の業務システムと容易に統合できるという。さらに今後は、プリンターや複合機といったIT機器に直接内蔵させたソリューションの展開も予定している。

情報・通信グループ セキュリティ事業部長 小坂満隆(こさかみつたか)氏

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