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【CEATEC JAPAN 2006レポート Vol.22】来年が元年になるか? 各社の燃料電池関連の展示

2006年10月06日 20時00分更新

文● 編集部 小林久

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2007年には飛行機内へのメタノール燃料の持ち込みが可能になるなど、規制緩和が行なわれる見込みの燃料電池。ここでは各社の出展の中から、燃料電池関連をピックアップしてまとめる。



東芝の“gigabeat”用スタンド型燃料電池

(株)東芝が自社のブースで展示しているのが、ワンセグ放送対応のHDD動画プレーヤー『gigabeat V30T』の背面に取り付けた燃料電池。内蔵のリチウムイオンバッテリーを充電しながら使用して、通常の約2倍(約14時間)の駆動が可能になるという。gigabeat V30Tに装着した際のサイズは、幅124.0×奥行き75×高さ35mm。形状もスタンド型にするなど、使い勝手も考慮している。説明員の話では「このままの形で販売することはないが、2007年には燃料電池を販売できるようにしたい」という。燃料には高濃度のメタノールが用いられている。電解質膜の改善などを行なって、将来的には、より小さな製品の開発も行なっていくという。

右側が実際に動作するレベルの試作品。左側は今後の目標サイズ


日立マクセルは、アルミニウムを燃料に

日立マクセル(株)は、水とアルミニウムの反応によって生じる水素を使う燃料電池を展示していた。現状で、10W級の発電が可能で、2007年春の製品化を目標としている。ブースでは、ノートパソコンに燃料電池をつなぎ、駆動させているデモが行なわれていた。反応性を高めるために、アルミ粉末に独自の表面加工が施してあり、そこがノウハウになるという。室温で出力密度280mW/cm2を実現できる。今後は、100W級の出力も目指していくという。

日立マクセルが展示していたアルミ粉末を利用する燃料電池
使用するアルミ粉末。廃材などの効果的なリサイクルも考えている
将来的にはさらに小型化を目指す(写真左)


NTTドコモのケータイ向け燃料電池

(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは既報の通り、アクアフェアリー(株)と共同で開発した小型燃料電池を自社ブース内で展示している。水と水素発生剤を燃料にしており、携帯電話機の充電が3回程度行なえる。サイズは手の中にすっぽり入るものだ。

NTTドコモが展示した、小型の燃料電池

このほか、会場では松下電器産業(株)が、ノートパソコンの底面に装着するタイプの燃料電池を展示していた。

       

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