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【A&Vフェスタ 2006 Vol.1】AV機器の体験型総合展示会“A&Vフェスタ2006”が開幕

2006年09月22日 04時19分更新

文● 編集部 小林久

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(社)日本オーディオ協会が主催するAV機器の総合イベント“A&Vフェスタ2006”がパシフィコ横浜で21日に開幕した。一般公開されており、入場料は無料。会期は24日まで。

テープカット
開催に先立って行なわれたテープカット

A&Vフェスタは、今年で4回目。2006年のテーマは“感動! それぞれのA&Vスタイル”で、約70社が出展。後援には(社)インテリア産業協会が新たに加わり、ブース展示などに同協会認定コーディネーターによる提案が反映されているという。ユーザーの参加も積極的に呼びかけており、“自作オーディオ自慢大会”と題した自作オーディオのコンテストやスピーカー/蓄音機の工作教室が開催される。また、音楽評論家で国立音楽大学講師の安田和信氏の“モーツァルト・サロン”(23日)など、3つのトークセッションも予定されている。

自作オーディオ自慢大会に寄せられた個性的なスピーカーと力作アンプ


フルHDプロジェクターや
ロスレスサラウンドに大きな関心

メーカー関係の展示では、昨年は大画面薄型テレビの展示が目立った。今年も松下電器産業(株)(以下パナソニック)が、“地上最大”をうたった103インチのプラズマディスプレーを中心に据えた展示を行なっているほか、パイオニア(株)、日本ビクター(株)なども自社のブースで主力製品をアピールしており、その傾向は続いている。とはいえ、(株)東芝やシャープ(株)、(株)日立製作所といった国内主要メーカーが出展していないこともあり、盛り上がり度は昨年より控えめな印象だ。

“地上最大”を謳った103インチのプラズマテレビを中心に据えたパナソニックブース
20日に発表されたばかりのBlu-ray Discレコーダー『DMR-BR200』と『DMR-BR100』も展示

一方で、ホームシアター関連の映像機器では、よりマニアックな層をターゲットにした製品が目立った。特に、フルHD対応の液晶プロジェクターの新製品に見るべきものが多く、パナソニック、ソニー、ビクターの各社が新製品を展示。専用のスペースを設け、デモを行なっていた。“音”の部分でも、ドルビーラボラトリーズとDTSのそれぞれがロスレスの次世代マルチチャンネルフォーマットのデモを行なっており、大きな関心を集めていた。

パナソニックが発表したプロジェクター
パナソニックブースに展示されていたフルHD対応プロジェクター『TH-AE1000』(左)
ビクターもHDプロジェクターを参考展示
日本ビクターも、来年発売する予定のフルHD対応プロジェクターを参考出品していた
ソニーのフルHDプロジェクター
同じくソニーが10月に発売する予定のフルHD対応プロジェクター『VPL-VW50』(左)


国内メーカーのオーディオ回帰が鮮明になった
ハイエンドスピーカーの展示

同時に感じたのは、国内メーカーのオーディオ回帰だ。パイオニアがブースの目玉にしていたのは、久々のフラッグシップ機となる『TAD Reference 1』。2003年に発売した『TAD M1』(価格315万円)の後継機で、来年の発売に向けて現在最終調整中だという。同社は、中級クラスのプリメインアンプとSACDプレーヤーの参考展示も行なっており、ピュアオーディオに対する意気込みを感じさせた。

パイオニアが展示の目玉にしていたフラッグシップスピーカー『TAD Reference One』。『TAD M1』の後継機で現在最終的な調整を行なっている段階だというパイオニアが展示の目玉にしていたフラッグシップスピーカー『TAD Reference One』。『TAD M1』の後継機で現在最終的な調整を行なっている段階だという
久々の発売となる単品のプリメインアンプとSACDプレーヤー。近日発売予定

長らく、単品仕様の高級スピーカーの新製品がなかったソニーも1999年に発表された『SS-1ED』(1台100万円)クラスのハイエンドスピーカーを開発中の模様。ブース内にそのモックアップが展示されていた。

ソニーも久々の高級単品スピーカーを展示していた。現在開発中で、展示されていたのはモックアップ
ブックシェルフの『SS-K30ED』も外装の質感を変更したバリエーションモデルとともに展示。木製家具のデザインを行なっている(株)カヤバが協賛している
ヤマハも8月に発表したスピーカー“Soavo”のデモを行なっていた


ローエンドではネットワーク対応も進行

ローエンド製品では、ネットワークの利用によって操作性や機能を改良していこうという試みが目立つ。パイオニアが、電力線ネットワーク(PLC)対応のオーディオ製品を展示していたほか、ビクターもPCM形式での楽曲配信をデモ(ともに提供時期は未定)。マイクロソフト(株)もブースを設け、Windows Media ConnectやWMA Losslessに対応したAVアンプなどを集めていた。

PLC対応機器
パイオニアが参考出品していたPLC対応のトランスミッタとiPod用のコントローラー。電力線を利用して、iPodで再生している音楽の情報を送信できる
PLC対応スピーカー PLC対応スピーカー
こちらはPLC対応のスピーカー。デザイン性も重視している
ビクターのAnyMusic対応コンポ
ビクターが発売を予定しているHDD内蔵型コンポ。AnyMusicの音楽配信やDLNA規格などにも対応する
ビクターブースでは、リニアPCM規格での音楽配信のデモも行なわれていた。サービス開始の時期は未定だという
ビクターブースでは、リニアPCM規格での音楽配信のデモも行なわれていた。サービス開始の時期は未定だという
マイクロソフトのブース。Windows Media Connect対応のAVアンプが展示されている
マイクロソフトのブース。Windows Media Connect対応のAVアンプが展示されているオンキヨーが参考出品していたWMA Losslessのデコードに対応したAVアンプ

このほか、NHK放送技術研究所によるスペシャルセミナー“22.2マルチチャンネル音響”も注目。これは、水平方向に10本、上方に9本、フロントの下部に3本のスピーカーを配置して、立体音響を実現しようという試みで、20年後の放送での実用化を目指した研究段階だという。なお、同時に再生される映像も8000×4000ドットのスーパーハイビジョンで収録されたものだが、再生は機器の関係で1920×1080ドットとなる。とはいえ、現行ハイビジョンを大きく上回る情報量をダウンコンバートしてあるためか、非常に高精細な画像で、その実力の一端を感じ取ることができた。

NHK技研による、22.2チャンネル立体音響のデモも行なわれている

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