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FinePix S6000fd

FinePix S6000fd

2006年09月04日 21時33分更新

文● 行正 和義

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FinePix S6000fd

富士写真フイルム

オープンプライス
(予想実売価格:6万円前後)

大柄ボディーで一眼レフ機らしい貫禄をも備えた

「FinePix S6000fd」
富士写真フイルムの「FinePix S6000fd」。

 富士写真フイルムの“FinePix Sシリーズ”は高倍率のズームレンズと電子ビューファインダー(EVF)、やや大柄のボディーを採用し、レンズ一体ながら一眼レフデジタルカメラのような操作感と、マニュアル露出を含む多彩な撮影機能を持つのが特徴だ。

 「FinePix S6000fd」は、同社が“ネオ一眼”(EVF搭載のレンズ一体型デジタルカメラ)と呼ぶように、大型のグリップが一眼レフカメラのようなしっかりとホールドできて、レンズ周囲にあるズームリングとピントリングを持ちつつ構えれば安定した撮影が可能な高機能デジタルカメラだ。

本体前面
大型のボディーは一眼レフ機さながらのホールド感。レンズとシャッターボタンの間にあるのはAF補助光用LEDで緑色に発光する。5m程度でもAFが効く強力な補助光だが、直接照らされるとかなりまぶしい。

 従来機である「FinePix S5200」(512万画素)と比べると、撮像素子が630万画素に高画素化したほか、外観的にはボディーの横幅、高さともに大きくなり、軍艦部(EVFとフラッシュを内蔵する本体上部のでっぱり)も大型化した。背面の液晶ディスプレーが1.8インチから2.5インチに大型化しているという事情もあるが、S5200では高機能ながら手にすっぽりと収まることを前提としたデザインなのに対し、本機ではデジタル一眼レフ機のようなフォルムとホールド性を重視した設計になったようだ。

本体左側面
左側面にはAFモードとAF・AEロックボタンが用意され、レンズ基部のマニュアルフォーカスリングと併用しやすい。ボディー側面のフタは上がメモリーカードスロット、下がUSB、AV出力、DC入力となっている。

 レンズはS5200が38~380mmの光学10倍ズームだったのに対し、28~300mmの光学10.7倍へと広角側に強くなり、開放F値は広角側でF3.2からF2.8へと明るくなっているが、ズーム倍率が上がったこともあって望遠側ではF4.9(従来はF3.5)へと若干暗くなった。

本体右側面
望遠側にするとレンズは2倍程度まで伸張する。細かなメッシュ状モールドがされたグリップ部のラバーは滑りにくく持ちやすい。

 メニューシステムはFinePixシリーズに共通するもので、円形のカーソル中央にあるメニューボタンがメインとなる“詳細メニュー”、別に用意された“F”ボタンでよく使うであろう記録画素数/カラーモード/撮影感度を選択するという構成だ。背面にはさらに、新開発の“顔認識AF用ボタン”と“マニュアルフォーカス用拡大表示ボタン”が用意されているほか、本体上部には露出補正や連写モードのボタンが配置されている。

顔認識AFは人物撮りにかなり使える!

 顔認識AFはかなり強力で、人物に向けておくだけで人の顔にAF枠が顔面に合い続け、よほど急な動きでなければきちんと追従する点もかなり高精度だ。手前に被写体がいて背景には人ごみ、といったシーンでは背景にピントを合わせようとするほどだが、そんな場合は背面にあるボタンによってワンタッチでON/OFFできるのでありがたい。

本体上面
大型グリップと太いレンズ鏡胴部などホールドしやすいボディー。シャッターボタンとモードダイヤルの間にあるのは連写モードと露出補正ボタン(背面のカーソルと組み合わせて使用)。外付けフラッシュ用のホットシューは付いていない。

 単3電池×4本という余裕ある電源のため、ニッケル水素充電池ならば約400枚、アルカリ乾電池使用でも200枚という撮影枚数は屋外での利用に安心だ。コンパクト化を優先するため単3電池×2本や専用充電池を使用する機種が増えているなかで、長時間撮影と予備電池の入手が容易な本機の電源構成はさりげなく重宝するだろう。

本体背面
インターフェースは基本的にFinePixコンパクト機と大きく変わらないためカーソルキー中心のシンプルな操作系となっている。カーソルの上にあるのjはデジタルズーム、EVF/液晶パネル切り替え、顔認識用ボタン。デジタルズームの虫眼鏡アイコンは再生時には機能せず、再生時拡大表示はカーソルの上を押せばいいのだが、やや紛らわしい。

 シャッターボタン周囲のリングが電源スイッチになっているため、グリップを握ったまま手早く電源ON/OFFが行なえるほか、電源ONによるレンズの伸張動作もないことから起動は素早く待たされる感覚はほとんどないし、手動ズームなので高倍率ながらズーム位置もピタリと決まる。合焦速度も速く、いわゆるコンパクトデジタルカメラと比べるとこうしたレスポンスはすこぶる快適だ。

付属品
USB、AVケーブルのほか単3電池、ストラップ、レンズキャップ、花型フードが付属する。

 操作系に関してやや難を挙げれば、やはり一眼レフクラスのボディーとなると十字キーとメニュー中心の操作だけでは物足りなく感じ、ホワイトバランスや測光モードに専用ボタンや電子ダイヤルが欲しくなる、というところか。また、三脚穴が底面のやや右側に寄った位置にあるのも“一眼レフ”を謳うにはややお粗末と言える。本格的な三脚と組み合わせた際にカメラの向きを変えてもカメラ本体の位置がずれにくいようにレンズ中心の直下にあるか、安定性のために重心位置にあるというのが望ましいはずだ。

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