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DION以外のユーザー情報も漏えい――KDDI社長定例会見で明らかに

2006年06月21日 20時36分更新

文● 編集部 橋本優

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KDDI(株)は21日、定例の社長会見を行ない、DIONユーザーの情報流出に関する新たな情報や、グローバルネットワーク戦略などに関する説明を行なった。

KDDI(株)代表取締役社長兼会長である小野寺正氏

冒頭、代表取締役社長の小野寺正氏は、今月13日に発表した同社インターネット接続サービス“DION”のユーザー情報漏えいの件に触れ、新たにDION加入者以外のユーザーの情報も流出していたことを明らかにした。流出していたのはインターネットサービスプロバイダーに対して同社が提供していたIP電話サービスのユーザー1302名ぶんと、決済サービスを提供していた法人ユーザー997名ぶん。これらは当初発表した情報漏えいの人数に含まれており、増加分はないという。

また、セキュリティー対策に関するアクションプランも発表した。まず6月末までに信用情報のアクセス権限の強化、社員に対する教育研修の充実といった従来のセキュリティー対策の再点検を行なう。その後、7月末まで新たなセキュリティー計画を定め、その内容は8月末までに発表するという。

グローバルなイントラネットを安価に構築できる新サービス

海外ネットワーク網

次いで同氏は、グローバルネットワーク戦略について説明した。10Mbps以上の高速通信について、同社の広域イーサネット(Ethernet)サービス“パワードイーサネット”をグローバル展開する新サービス“KDDIグローバル・パワードイーサネット”を導入するという。KDDIグローバル・パワードイーサネットはフルメッシュ構成(多地点通信を実現する手法)のネットワークで、複数の海外拠点を“Any to Any”で結ぶイントラネットを安価に構築できるという。中継機材にはL2スイッチ(データリンク層のデータで転送先を判断するスイッチ)を採用し、プロトコルフリーでIP以外のプロトコルの使用もできる。特に50~100Mbpsの高速通信を行なう場合、IP-VPNを利用するよりも低価格だとしている(料金は別途見積もり)。9月に米国からサービスを開始し、年内には香港に、年度内には中国、来年度に英国や韓国に展開していく予定。

アジア地域のIP-VPN網

そのほか、IP-VPN網のグローバルエリア展開についても触れた。アジア地域に独自のネットワーク網を構築し、欧米は海外事業者との提携により、全世界をカバーしていくという。特にアジア地域においては、日本とシンガポールをハブとしたネットワークを構築していく。設備は同社がすべて用意し、コントロールするため、国内同様高品質なサービスを提供できるという。

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