西和彦氏 |
そこにどういうパラダイムが出てきたかというとブラウザーです。ウェブブラウザーとは何だったのかというと、ハイパーテキストの情報を利用して、サーバーの構造をたどるものです。その進化の過程で、Javaやプラグインの技術を利用して、ブラウザーを賢くしようという流れが出た。しかし、ユーザーが本当に素晴らしいと感じたのはブラウザーではなかった。
Web 2.0という言葉があるけど、あんないい加減な言葉はないでしょう。みんな、そういうものが生まれつつあるという実感を持ってるけど、その実体に関しては誰も語っていない。ネットワーク上に置かれた大きなデーターベースをウェブではないローカルなアプリケーションで利用するスタイルがこれから確実にやってきます。
次に台頭してくるもの、それはケータイでしょう。現在の携帯電話機はQVGA(320×240ドット)の解像度がありますが、じきにVGA(640×480ドット)になる。VGAといったら、パソコンです。しかし、ケータイには、Windowsは載っていない。分散サーバー+クライアントアプリケーションの時代では、パソコンの存在がどんどん小さくなっているはずです。
Web 2.0というのは、パソコンをやっている奴らの発想です。“Net 2.0”というか、ネットワークの利用の仕方が変わってきた点に注目しないといけない。何で『Skype』のようなソフトをマイクロソフトが作れなかったのか? みんな技術を馬鹿にしてたんです。一番バカにしてなかったのがビル・ゲイツです。それがいなくなるんだから。次のパソコンはMacかなぁ(笑)。彼はそんな現状にだんだん嫌気が差したのでしょう。