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アマゾン、小規模メーカー向け委託販売事業を開始

2006年06月12日 18時28分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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アマゾン ジャパン(株)は12日、小規模の出版社、メーカーの商品を販売業者を通さずに販売できる“Amazon e託販売サービス”を本日より開始した。2005年11月に開業した千葉県市川市の“アマゾン市川FC(フルフィルメントセンター)”によって実現できたサービスの1つで、メーカーから委託される商品はすべてこのセンターに在庫として保管される。このサービスの利用には、年会費9000円がかかるが、8月末まではキャンペーン期間中により年会費が無料になる。

発表会には、アマゾン ジャパン(株)メディアプロダクツ ヴァイスプレジデントのローレン川崎氏、e託販売サービス 統括マネージャーの根来香里(ねごろかおり)氏が出席し、アマゾンについての概要、ならびに新サービスについての説明を行なった。

川崎氏 根来氏
メディアプロダクツ ヴァイスプレジデントのローレン川崎氏e託販売サービス 統括マネージャーの根来香里氏

“e託販売サービス”の利点は、24時間以内に発送できる商品数が増えることと、今までカバーしきれてなかったインディーズメーカーのCD、DVDや自主制作の書籍などの商品数が増えることにある。

位置付け テールの拡大
一般流通で取り扱いしにくい、小規模出版社の商品や自主制作CDなどを取り扱うことで、商品の幅を増やす幅広い商品ラインアップで、“テール”と呼ばれる売り上げの薄いゾーンの拡がり、押し上げを図る

また、サービスの参加条件として、日本国内の事業体、もしくは20歳以上の個人という前提の上、

  • 登録する商品の販売権を持っている
  • カタログ登録する商品について、ISBNもしくはJANコードが必須
  • ISBNもしくはJANコードが商品パッケージに印刷、または貼り付けされている
  • 法人所在地が日本国内にある
  • 銀行口座が日本国内にある
  • E-mailアドレスを持っているか、ウェブアクセスが可能

などの条件を発表した。

サービスの申し込みはすべてウェブ上で行ない、商品の登録が完了したのち、アマゾン側から自社の販売データベースに基づいた需要予測を行ない、登録したメーカーに発注するしくみだ。在庫は市川FCにすべて置かれ、原則的に在庫の期限は設けない方針とのこと。発送などはすべてアマゾンにて行なわれ、メーカーには売り上げの6割が翌々月末に支払われる。

流れ
商品を登録して、アマゾンに在庫として送った後は売れるのを待とう

また、発表会にはソニー・ミュージックエンタテインメントの元社長であり、(株)247ミュージック代表取締役社長の丸山茂雄氏が出席しており、いち早く“e託販売サービス”への参加を発表した。

丸山氏
(株)247ミュージック代表取締役社長の丸山茂雄氏

丸山氏は「従来ではレコード会社がクリエイターとユーザーの間の仕組みを独占してきたが、ブロードバンドの時代になってこういった独占を続けることが難しくなり、クリエイターが直接ユーザーに作品を届けることができるようになってきた。ただ、パッケージ販売も残るだろうが、パッケージ販売にしてもお店を通してユーザーに届けるという形が変わってきている」と語った。

また、委託販売という形態について「自分が営業部長をやっていたが、一般的な営業活動では委託というのはなるべく排除したい、と考える。これはお店での販売では委託商品は、仕入れでの資金負担がないため、売る必要がなく倉庫に置きっぱなしになる可能性があるからだ。ところが、ウェブ上での販売なら売れ筋の商品だろうと、委託の商品だろうと取り扱いは平等である。この点で委託というデメリットはなくなる」とコメントした。

加えて、「インディーズだと卸業者はなるべく在庫を持ちたがらない。しかし、このサービスを使用してアマゾンの倉庫で在庫されることにより、24時間出荷することが可能になる。これはインディーズのビジネスチャンスが増えることになる」と語った。

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